泣いていた女の子と、笑えなかったカエルの話
幸せの架け橋カエル 56話
いつもありがとうございます✨ 可絵流 久美子(著者)です。
今回は、私とカエルとの 長い付き合いのお話をします。
お時間よければ━━
池のほとりの日当たりのいいベンチで
コーヒー☕でも飲みながら ゆっくりしていってくださいね🌿
🐸との出会い
7歳くらいのころ。
当時暮らしていた一軒家には 3階に
小さな出窓のある部屋があってそこから屋根に出られた。
そこが私のお気に入りの場所だった。
気がつけばいつも3階にいて 絵を描いたり
本を読んだりして 一日を過ごしていた。
天気のいい日は屋根に出て 野良ネコたちの
仲間に入れないかと近づいてみる。
「よちよちよ〜ち、いい子だね〜」
手にはちくわ。
近いけど触れないくらいの距離で ご機嫌をうかがっては逃げられる。
(いったい、ちくわ片手に屋根にのぼって なにやってるんだか……🐈)

両親は家にいない日が多かった。 昼前から二人そろってパチンコ。
母は夜から仕事、父は夜から飲み歩き。 だいたいそんな毎日だった。
私は3階の部屋で ひたすら絵を描いていた。
父は分厚い絵画の本をたくさん持っていて 絵の歴史を
話してくれたりもしたけど 正直、全然頭には入らなかった。
ただ、好きなように絵を描くのが 楽しかった。
最初に描いていたのは屋根の上でいつも集会している ネコたち。

中でもお気に入りは白いネコ。 まん丸の体で、
しっぽがハートの形に見える かわいい子だった。
夢中で絵を描いていると ふと気づく。
お腹がへった〜!
下に降りると パックに入った出来合いのハンバーグが
無造作に置かれていた。
たいがいハンバーグ。
「またか」
そう思いながらご飯をよそって 冷蔵庫をあさる。
何もないのはわかってるけど ちくわやハム、
ソーセージが 残っていないかと 淡い期待をしてしまう。
「今日は何もなかった💦あ〜あ……」
チンもしないでハンバーグを食べ終えて
夜の公園に出かけるのが いつもの流れだった。
季節ははっきり覚えていない。 ただ、月見草の黄色い花がきれいで
月明かりに照らされた花と緑の濃淡を いつまでも見ていた。

学校にあまり行っていなかった私は 近くの神社によく行っていた。
境内の石碑のところで ぼーっと時間をつぶす。
雨の日は境内の縁側みたいな場所で雨宿り。 神社の古い匂いが
なぜか心地よくて そのまま眠ってしまうこともあった。
そして、ある雨の日。
いつものように眠ってしまい 目を覚ますと──
目の前に 小さな緑色の生き物がいた。
つやつやした体。丸くて、きれいな色。
カエル!!
思わず手を伸ばすと びっくりして
ぴょん、と跳ねて逃げていった。

私は雨の中を急いで帰り 着替えもそこそこに
手と髪の水分だけ拭いて すぐに絵を描き始めた。
あの姿を忘れないうちに。
描いて、描いて、描きまくった。 つやつやで丸いカエルを。
それからというもの 街でも本屋でもカエルを探すようになった。
ネコから、カエルへ。 私の絵はいつの間にか変わっていた。
小学校4年生くらいのころ。
気づくとカエルの横に 女の子が描かれるようになっていた。
そして、その女の子はいつも泣いていた。
カエルは少しだけ口をあけた無表情の顔。
数少ない友達にその絵を見せたことがある。
「なんでいつも泣いてる女の子とカエルなん?」
私は答えた。
「わからん。なんとなく。」
今思えばあのころの私はカエルの隣でただ泣いていたのかもしれない。
幼いころのカエルは無表情だった。
でも、時が流れ
私と一緒に生きてきたカエルは
元気で、百面相で、とても楽しそう。
(ずっと一緒だったんやね。 一緒に成長してきたんやね。)
🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸
ありがとう🐸カエル先生……
🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸🐸
こころ沼から手を差し伸べられて 一番最初に救われていたのは
私自身だったのだと、noteを書いて、気づきました。
これは、カエルと私の 小さな誕生物語━━

✨読んでくださりありがとうございました✨
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