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少しだけ自分のことを…|雨の露天風呂にてぷかぷか|透視先輩と、見えない老いの波紋の話|老いトレ入門

少しだけ自分のことを…|雨の露天風呂にてぷかぷか|透視先輩と、見えない老いの波紋の話|老いトレ入門

本当は今日、もっと遠出をする予定でした。

以前はしょっちゅう通っていたのですが、ここのところご無沙汰している
埼玉県久喜市の百観音温泉。

往復3時間近くなので、少し億劫なんですよね(笑)

腰痛や関節の痛み、歩きにくさなどに良いと言われる、全国的に有名な、
そしてなかなか強い温泉です。

ところが。

見事に寝坊しました(汗

ということで、予定を変更して、往復2時間ほどの最近良く行く炭酸泉へ
GO!

いつものように温浴施設でぷかぷかしながら、何かしら先輩たちの会話を
拾えればいいなと思っていたのですが、今日は雨の影響もあったのか、
驚くほど人が少ない。

先輩がいない。

お客さんもろくにいない。

これは困った。

木曜シリーズの核である「先輩」がいない。

いつもなら、炭酸泉や露天風呂のどこかに、人生のヒントをポロッと
落としてくれる先輩がいるのですが、今日はほぼ貸し切り状態でした。

これはこれで贅沢です。

ただ、記事としては困る。

ネタが……ないっ。。。

そんなことを考えながら、露天風呂に入り、ぼんやりと湯面を
見ていました。

屋根の端から、雨水が一滴ずつ落ちてくる。

ぽつん。

ぽつん。。

ぽつん。。。

湯面に落ちる。

そこから、丸い波紋が広がっていく。

また、ぽつん。

また、波紋が広がっていく。

それを見ていたら、ふと思い出した人がいました。

天才、木村建次郎教授。

私の中では、勝手にこう呼びたくなる人です。

透視先輩。


見えないものを、波紋から読む先輩

木村教授は、見えないものを「波」の反応から見ようとする天才数学者
です。

神戸大学数理データサイエンスセンター教授、京都大学生存圏研究所学外連携フェロー兼特任教授、株式会社Integral Geometry Scienceの代表取締役。

波動散乱の逆問題。

ちょっと聞いてもよく分からない。

よく聞いても分からない(笑

そんな、とても難しい応用数学史上の未解決問題を解いた天才です。

電波などの波動を物体に当て、その返ってくる散乱を読み解き、内部の構造を画像化していく。

簡単に言えば、外からは見えないものを、波の反応から可視化しようとする研究です。

これが、乳がん検診や非破壊検査など、さまざまな分野に応用されようとしています。

地中に眠る鉱物探査にも応用できる、凄い問題を解いてしまったのです。

さらに、タイムマシンの実現にまで言及しています。

普通なら、見えないものは見えないで終わる。

けれど、透視先輩はそこで終わらない。

見えないなら、反応を見ればいい。

中が直接見えないなら、外に現れる波紋を読めばいい。

この波紋が、見えない物質によって違う。

そして、その波紋を読み取ることで、見えない物質が何であるのか
分かるという、夢のような話です。

この考え方が、とても面白いのです。

露天風呂の湯面に落ちる雨粒を見ながら、私は少し身体のことを考えて
いました。

身体も同じかもしれないな、と。


見えない衰えは、小さな波紋として出てくる

見えない衰えは、いきなり見える形で現れるわけではありません。

ある日突然、全部が壊れるわけでもない。

最初は小さな波紋のように出てくる。

腰が少し重い。

膝に少し不安がある。

立ち上がるときに、つい手をつく。

階段よりエスカレーターを選ぶ。

歩幅が少し狭くなる。

靴下を履くときに、片足立ちがしづらくなる。

以前より疲れやすい。

これらは、ただの「歳だから」で片づけられがちです。

もちろん、年齢による変化はあります。

それは仕方がない。

でも、60代で「歳だから仕方ない」と言ってしまうのは、
少し早い気もします。

90歳を過ぎてからなら、そういう言葉にも重みがあります。

ちなみにうちの父は、今でも7千歩、頑張って歩いています。

ただ今、91歳です。

けれど、60代や70代の入口で、早々に身体をあきらめてしまうと、
その先の10年、20年が大きく変わってしまう。

気づいたときには、ヨレヨレコースに入ってしまうかもしれない。

私は、そこに少し抵抗したいのです。


母の入院で見えた、生活を支える筋力

母が入院してから、病院という場所を以前より近く感じるように
なりました(私、歯医者さん以外は36年、お医者さんと無縁です)。

そこで見えるのは、病気そのものだけではありません。

ベッドから起き上がる力。

トイレまで歩く力。

食べる力。

姿勢を保つ力。

少し立っている力。

つまり、生活を支える筋力です。

入院すると、当然ながら動く量は減ります。

安静が必要な場面もあります。

でも高齢者にとって、動かない時間はそのまま筋力低下につながりやすい。

一度落ちた筋力を戻すのは、若い頃よりずっと大変です。

だからこそ、入院する前。

転ぶ前。

歩けなくなる前。

「まだ大丈夫」と思っているうちから、身体を少しずつ使っておくことが
大切なのだと思います。


AIは知識をくれる。でも、身体は代わりに動かせない

ここで、AIの話にもつながります。

今は本当に便利な時代です。

AIに聞けば、栄養のことも、料理のことも、レシピのことも、
かなり分かりやすく教えてくれます。

昔なら、まず「何を食べればいいのか」から調べなければなりません
でした。

本を読み、文献を探し、栄養素を調べ、そこから調理法を探し、
実際に作ってみる。

これだけでも、なかなかの修行です。

正直、筋トレより先に、栄養調べの段階で脱落する人も多かったはずです。

でも今は違います。

たとえば、

「高齢者向けに、たんぱく質を摂りやすい簡単な食事を教えて」

と聞けば、すぐに候補が出てきます。

しかも、オールドメディアの宣伝のように「〇〇を摂ると△△になる」と
いう変なステレオタイプの怪しい話とは全然違い、その人個人に合わせた
設計まで可能です。

野菜の苦手な人。

逆に肉の苦手な人。

様々な体質があるのが人間です。

TVのように大人数をカバーする内容だと、どうしても合わない人が
出てしまいますが、そうした点もカバーできてしまいます。

これは本当にすごいことです。

知識への入口は、昔とは比べものにならないほど開かれました。

ただし。

どれだけAIが優秀でも、ひとつだけ代われないことがあります。

それは、本人の身体を動かすことです。

AIはレシピを出してくれる。

食材の組み合わせも考えてくれる。

たんぱく質や栄養の考え方も教えてくれる。

でも、スクワットの一回は代わりにやってくれません。

階段を一段上がる脚力も、勝手には作ってくれません。

固くなった股関節も、本人が動かさなければ変わりません。

口から入れるものは、とても大切です。

身体を作る土台になることは間違いありません。

でも、食べ物だけでは「動ける身体」は完成しない。

筋肉は、使ってこそ反応する。

関節は、動かしてこそ可動域を保つ。

姿勢は、意識して保ってこそ戻ってくる。

つまり、AIは知識をくれる。

食事は材料をくれる。

でも、動ける身体を作る最後の一歩は、自分で動くしかない。


私が勝手に呼んでいる「老いトレ」の話

私が勝手に「老いトレ」と呼んでいるものがあります。

老いに逆らうためのトレーニング、というよりも、
老いに飲み込まれないための、身体の使い直しです。

立つ。

歩く。

しゃがむ。

起き上がる。

階段を上る。

若い頃なら何も考えずにできていた動きを、もう一度、自分の身体に
思い出してもらうこと。

それが、私の考える「老いトレ」です。

見えない衰えは、ある日突然ではなく、小さな波紋のように現れるのかもしれません。


ここが、老いトレの入口なのだと思います。

私は、ムキムキのボディビルダーを目指しているわけではありません。

あっ、ムキムキを否定している訳ではありませんよ(笑

20代や30代、40代の若い人は、やはり見栄えも大事でしょうし、これから
夏になるとね、筋肉がモノを言う季節ですから、バンバンおやりになると
良いと思います。

もちろん、大胸筋は大事です(笑

ポッキー先輩の回でも書きましたが、魂のボディスーツとしての身体は、
やはりある程度しっかりしていた方がいい。

ただ、自分が目指しているのは、若者のような筋肉ではありません。

初老の星。

このくらいが、ちょうどいい。

「あれ、この年齢でもまだ動けるんだ」

「歳を重ねても、身体は少しずつ作れるんだ」

「仕方ないで終わらせなくてもいいんだ」

そう思ってもらえる、ひとつのサンプルになれたらいい。

そんなことを考えています。

そして、これは自分の実体験で分かっていることですが、何歳になっても
筋肉は裏切りません。

そして、成長をしてくれます。

何歳になってもです。


雨の波紋の向こうにいた、透視先輩

今日の露天風呂には、いつものような先輩はいませんでした。

でも、雨の波紋がありました。

その波紋の向こうに、透視先輩がいました。

見えないものは、見えないから存在しないのではない。

ただ、まだ読み方を知らないだけかもしれない。

身体の衰えも、同じかもしれません。

いきなり大きな問題として現れる前に、小さな波紋として出ている。

腰の重さ。

膝の不安。

歩幅の変化。

立ち上がり方。

呼吸の浅さ。

疲れやすさ。

そうした小さなサインを見逃さずに、自分の身体を少しずつ
読み直していく。

そして、ほんの少し動いてみる。

立つ。

歩く。

しゃがむ。

階段を少し使う。

股関節をゆっくり動かす。

背筋を伸ばしてみる。

その小さな積み重ねが、未来の自分を助けてくれるのだと思います。

AIは、見えない情報を整理してくれる。

透視先輩は、見えないものを波の反応から見ようとする。

そして私たちは、自分の身体に出ている小さな波紋を読む。

そう考えると、老いトレはただの筋トレではないのかもしれません。

未来の自分を透視するための、日々の観察。

そんな気がします。

今日は先輩がいないと思っていました。

でも、いたのかもしれません。

湯面に落ちる雨粒。

そこから広がる波紋。

そして、その向こうにいた透視先輩。

雨の露天風呂でぷかぷかしながら、そんなことを考えていました。


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