「誰?」きのころチャレンジ
きのころさんが考えた書き出しの続きを書く、
きのころチャレンジ。
書き出し②にも挑んでみましたー!
朝、目が覚めると、
隣で知らない女が電話をしていた。
私のスマホで。
私の声で。
叫んでも声は出なかった。
鏡の中の私は眠っている。
女が一瞬だけ私に顔を向けた。
そして、私の声で電話の相手に告げる。
「起きました」
次の瞬間、眠っていたはずの鏡の中の私が、かっと目を見開いた。
眠っていたはずの鏡の中の私は、
知らない女の背後に回り込み、
迷いなく――後頭部を殴った。
知らない女は、糸が切れたみたいに前に倒れた。
スマホが手から滑り落ち、ベッドの縁に当たって床に転がる。
鏡の中から出てきた私が、それを拾う。
一瞬だけ、私と、倒れた知らない女に顔を向けた。
そして、私の声で電話の相手に告げる。
「眠りました」
次の瞬間、鏡の中にまだもうひとりいた私が、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私②は、
鏡の中から出てきた私①の背後に回り込み、
迷いなく――後頭部を殴った。
私①は、糸が切れたみたいに前に倒れた。
スマホが手から滑り落ち、ベッドの縁に当たって床に転がる。
私②がそれを拾う。
一瞬だけ、私⓪と、知らない女と、倒れた私①に顔を向けた。
そして、私⓪の声で電話の相手に告げる。
「二度寝しました」
次の瞬間、鏡の中から出てきた私③が、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私④も、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私⑤も、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私⑥も、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私⑦も、かっと目を見開いた。
鏡の中から出てきた私⑦は、
間違って、鏡の中から出てきた私④を殴打した。
「あっ…」
私⑦と私⑥が、気まずそうに目を合わせる。
知らない女(声は私⓪と同じ)以外、全員同じ顔と同じ声なので、ややこしいのだ。
いったん点呼をとることにした。
代返するやつがいて、私②(先輩)に注意されていた。
代返したやつは、私⓪とは違う声だった。
バレるのが怖くて、声色を変えたのだ。
でも、ここではみんな同じ声のはず。
だから、逆に目立った。
先輩②は、かっと目を見開いて、言った。
「代返したのは……
おまえだー!!!」
代返した私⑧が、かっと目を見開いた。
代返した私⑨も、かっと目を見開いた。
代返した私⑩も、かっと目を見開いた。
代返した私⑪も、かっと目を見開いた。
代返した私⑫も、かっと目を見開いた。
そうこうしているうちに、部屋には、
私⓪と、知らない女と、私①〜私(七拾弐)が倒れていて、
〇の中に数字をいれる変換がうまくいかないほど
ぎゅうぎゅう詰めになった。
「手狭になったね」
しょうがないので、郊外の一軒家(駅近・築浅)にお引越ししました。
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