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帰ってきた妹と、変わらなかった家 🔥4

ある日、妹から連絡が入った。
「お姉ちゃん、少し話せるかな」

妹は実家から少し離れた場所で働きながら、一人暮らしをしていた。
私は「いいよ」と返事をし、妹の家へ向かった。

久しぶりの妹の部屋。
中に入ると、私は自然とソファに腰掛けた。

「今日は道路が混んでたね」

私は妹と食べようと買ってきたお菓子を
テーブルに並べながら言った。
「わぁ、おいしそう」
妹が近寄ってくる。
「でしょ、これ絶対好きなやつだと思ったんだよね」

私はひとつ、引っかかっていることがあった。
連絡してきた時の妹の声。
あまり明るくなかったように思えた。

「何かあったの?」

しばらくして、妹が口を開いた。

「私、実家に帰ろうと思ってるんだ」

「それは嬉しいな。
こうやってたまに会うのもいいけど、
一緒に暮らせたらもっと話せるし」

妹は続けた。

「仕事で、実はすごく悩んでて。
ずっと頑張らなきゃって思ってたけど、お父さんもお母さんも、帰ってきたらいいって言ってくれて。
だから、もう辞めて帰ろうかなって思ってる」

そう言って、妹はため息をついた。

私は、一人暮らしをしながら働く大変さを、
少しは分かっているつもりだった。

それに、妹はこれまでずっと、
親から可愛がられていた。

私が怒られても、
妹が同じ目に合うことはなかった。

だから、大丈夫だろう。
そう思った。

「そうだよね。
働いてたらいろいろ大変なことあるよね。
一回ゆっくり休んで、
リセットするのはいいと思う。
仕事は、そこだけじゃないし」

「引っ越しで手伝ってほしいことがあったら言って。手伝うよ」

妹は「ありがとう」と言った。

─────

それから一か月後、妹は実家に戻ってきた。

実家の妹の部屋は、ほぼそのままの状態で残されていた。
妹は、最低限の荷物を持って帰ってきた。
荷物の運び出しや運搬は、母と私で行った。

妹が家にいる生活が始まった。

家に「子どもが自分だけではない」ということは、思っていた以上に心強く、嬉しかった。

妹は近くの店でアルバイトを始めた。
週に三回ほどだった。

─────

この頃から、父の様子に変化があった。

元々、私と父の関係はギスギスしていた。
言い合いになり、取っ組み合いになることもあった。

「この人とは、もう無理だ」
そう思っていた。


私と父は合わないけれど、妹は違った。
妹が帰ってきたら、家の雰囲気が少しは良くなるかな。
私はそこにすがりたかった。

けれど妹が戻ってきても、家の空気はほとんど変わらなかった。

いや。
同じではない。

父の、妹に対する”温度“が明らかに低かった。

私には、まだ言葉を投げる。
けれど妹には何も話さない。
ただ、冷たい顔で通り過ぎていく。

こんなことは初めてだった。


理由が分からなかった。
気味が悪かった。

──────────
🫧この形の私

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