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姉という役目 🔥1

結婚が決まったとき、
私が決めていたことがあった。

親には、頼らない。


それは、“負担をかけたくない”といったような、
優しさからではなかった。

助けてもらうことは
”借り“を作ってしまうこと。

これが、とてつもなく怖かった。

なぜそこまで意地になっていたのか、
よく分からなかった。

ただ、胸の奥に何かがつっかえたような、
ざわざわする感じだけはあった。

その理由も分からないまま、
ただ親に頼らず、
何とかしようと必死だった。

不思議なことに
彼氏である基くんに頼ることについては、
何も感じなかった。

結婚式の準備は大変だったが
なんとか進んでいった。

当日までに少しでも綺麗になること。
高いブライダルエステに通う余裕はない。

一人暮らしの頃と同じように、
納豆と豆腐とトマトジュースで肌を整えた。

─────

結婚式は、会費制にした。

一人2万円。
正直、それでは赤字になる。

それでも、来てくれる人に
これ以上の負担をかけたくなかった。

一万円にはできなかった。
それが精一杯だった。

結婚が近づいた頃、父に聞かれた。
「お金はどうするつもりだ」

私は答えた。
「みんなには2万円で招待状を出してる」

すると父は言った。
「妹たちから金をもらうなよ」
「下はまだ学生だし、真ん中も」

「お前はお姉さんなんだから」

胸に何かが引っかかった。

「分かった」
それだけ言った。


「ご飯代だけは出してやる」
父はそう言ってお金を渡してきた。
金額は覚えていない。

ただ、会費にはまったく足りなかった。

母は、お金のことは何も言ってこなかった。
母からは、一円ももらわなかった。

でも、
私がやりたくて開く結婚式だ。

「出してもらって当たり前」
とは思えなかった。

ただ、少しだけ
「本当に1円も出さないんだな」とは、思った。

それには、悲しくなった。

私は、
祝福されているのだろうか。

─────

妹たちからも、お金の話は一切なかった。

けれど、おめでとうの言葉と手紙を貰った。

それは、素直に嬉しかった。

─────

私は、何も言わなかった。

妹たちがお金を払わないことも。
父が最低限しか出さないことも。
母が何も出してこないことも。

不満はあった。

でもその不満は、
もう言葉になる形をしていなかった。

ただ、
「祝う」とは何なのか、
その答えは、もう分からなくなっていた。

そんな気持ちのまま、
私は結婚式を迎えた。

──────────
🫧この形の私

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