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家の揺れ、胸の重さ 🔥4

真夜中、家は静まり返っていた。

私と妹、母はそれぞれの部屋で眠っている――はずだった。

――バーン!

耳をつんざく衝撃。ベッドが微かに揺れる。
全身が石のように硬直する。

息を飲み、体の感覚が遠のく。

瞳は左右にきょろきょろと動き、
暗い部屋の隅まで警戒する。

ダン、ダン、ダン……

階下から聞こえる、重い足音。

なにか、叫んでいる。

体中に振動が伝わり、呼吸は浅く早くなる。

怒号と叫び声が深夜の家に響き渡る。

冷や汗が背中を伝い、
肩と首は緊張で痛いほどこわばった。


父が帰ってきたのだ。

─────

玄関の扉を跳ね返す音、怒鳴り声、
家具や床に響く衝撃。

――すべてが身体に刺さるようだった。


「オラァ!クソッ!」

「ンダァ!!」

バァン!ガン!!

耳をつんざく怒声。
扉を閉める音。
壁を殴る音。

そのたびに家が揺れる。

そして、胸が押し潰される。

動けば怒りが飛んでくる。
そんな恐怖が全身を包む。

空気は重く、息が詰まる。

私たちは各自の部屋で、
ただ硬直し耐えるしかなかった。

長い夜は、明け方まで続くこともあった。

――上がってきませんように。
――部屋に来ませんように。

小さく祈りながら、体を硬く固める。
肩や腕に力が入りすぎて痛む。

心臓の鼓動が耳の奥で響く。

階段を上がる音。

全身が耳になったように体を硬直させ、祈る。

来ませんように。
来るな、こっちに来るな。

その足音は、だいたい母か、
私の部屋の前で止まった。

「おい」

父の低い声が、母か私を呼ぶ。

いつもではなった。
しかし、父の気分次第だった。

その頃は大抵、母だった。

母が呼ばれる声を聞くたび、全身の血が凍る。

静かに階段を降りる母の足音。
その気配を横目で確認しながら、息をひそめる。

怒りの理由はわからない。

酒のせいかもしれない。

怒鳴り声、足音、家の揺れ――すべてが日常の恐怖になり、5年もの間、夜ごと繰り返された。

耳に残る振動、冷や汗、硬直した体――その夜のすべてが、私の体と記憶に刻まれている。

──────────
🫧この形の私

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