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母は「助けた」と言った。私は、そう思えなかった🔥2

母の記憶は、やさしい言葉で彩られていた。

私の記憶は、冷たい孤独で塗りつぶされていた。
同じ瞬間なのに、世界はまったく違って見えた。

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後になって、母が当時の学校や先生、
いじめについて語ったことがある。

私は「なんだ、そんなことか」という言葉を
母の口から聞いた記憶が、はっきり残っている。

けれど、母は、全く別の形でその記憶を持っていた。

母は笑って言った。
「みのりは、あの時は本当に大変だったよね。
担任の先生が全然ダメでね」

私が「何のこと?」と聞くと、母は続けた。

「先生、定年が近くて“もう問題を起こしたくないので、勘弁してください”って言ったのよ。
私はあなたを助けたくて、
何度も学校に行ったのに…」

母の話では、先生が取り合ってくれなかったため、
いじめが止まらなかったという。

母は大人になってから、二度ほどこう話していた。

「先生がダメだったから仕方がなかった」

「私はあなたに辛い思いをさせたくなかった」

当時の私は、大人の事情など分からない。
母が学校でどんな話をしたのか、
先生がどう対応したのか、その裏側は知らない。

ただひとつ、確かなことがある――

母はあの時、私を助けてくれたと感じた瞬間は、
一度もなかった。

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🫧この形の私

ここまで読んでくださってありがとうございます。
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