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『憲法王国』|第1部 三つの約束|第2話 主人公は誰?

👑前回のお話👑

『憲法王国』|第1部 三つの約束|第2話 主人公は誰?


ドクサイが去った次の日。


憲法王国の広場は朝から大騒ぎでした。


「花壇を作ろう!」

「いや、遊び場がいい!」

「噴水が欲しい!」

「大きな時計台はどう?」


みんなが好きなことを言っています。


ケンは広場の真ん中で首をかしげました。

「どうしたんだろう?」


そこへシュケンがやってきました。

「あのね、今日は広場の使い方を決める日なんだよ。」


「決める日?」

「うん。」


広場の古い倉庫を片付けたので、

空いた場所を何にするか決めることになったのです。


パン屋さんは花壇が欲しいと言います。

子どもたちは遊び場が欲しいと言います。

時計職人は時計台を作りたいと言います。


みんなの意見はバラバラです。


「困ったなあ。」

ケンは言いました。

「みんなが主人公なんでしょ?」


「そうだよ。」

「だったら、どうやって決めるの?」


シュケンは少し笑いました。

「いい質問だね。」


その時でした。


ふんわりと、水色とピンク色の光が広場を包みました。

やさしい風が吹き、一人の女性が姿を現します。


名前はミライ。

未来と希望を見守る『約束の精』です。


ミライは人々を見渡して、穏やかに話しました。

「未来は決まっていない。

だからこそ、誰と一緒に未来をつくるのかが大切なのです。」

そう言うと、ミライは静かに微笑みました。


突然、

広場に見慣れた黒いマントが現れました。


「だから私が決めればいいんだ!」

ドクサイです。


「一人が決めれば早い!

遊び場にする!

いや、時計台の方が役に立つ!

だが、花壇を望む者もいるのか……。

ええい、早く決めなければ!」


周りの人たちは困った顔をしました。


一人で決めると言いながら、ドクサイはみんなの意見を前にして、かえって決められなくなっています。


ケンは首を振りました。

「それじゃ、みんなが困るよ。」


「だったらどうする!」

ドクサイが叫びます。


ケンは少し考えてしまいました。

確かに、みんなが主人公なら、みんなで決めるのが正しい。

でも、みんなで話し合うのって、

まとまらないし、時間がかかるし、

こんなに大変なんだな…。



その時、シュケンが広場の中央に進み出ました。


「ねえ、みんな聞いて!」

人々が静かになります。


「みんなが主人公なのは変わらないよ。

でも、毎日全員で全部を決めるのは大変だよね。」


みんながうなずきました。


「だから、何人かの代表を選ぼう。

みんなの代わりに話し合う人たち。

いろいろな意見を聞いて、みんなのために考える人たち。」


ミライも優しくうなずきます。

「誰か一人が勝手に決めるのではなく、

みんなが信頼できる人たちを、自分たちで選ぶのです。」


すると広場の人たちは相談を始めました。


「あの人なら話をよく聞いてくれる。」

「いつも公平だ。」

「困った時に助けてくれる。」


みんなは、それぞれ信頼できると思う人を選びました。

やがて、何人かの人たちが、広場の代表に選ばれました。


その中の女性が少し緊張した顔で前へ出ました。

「ありがとうございます。

私たちは、勝手に決めません。

まず、みなさんの話をよく聞きます。

そして、この広場をどう使うのがよいか、みんなのために話し合います。」




その言葉を聞いて、

みんなは拍手しました。


ドクサイは不満そうに腕を組みます。

「面倒だ。」


ケンもちょっとだけ、ドクサイと同じことを思ってしまいました。


するとシュケンが言いました。

「面倒かもしれない。

でも、みんなで代表を選んで、話し合いを重ねることが、

自分たちの未来をつくるってことなんだよ。」


ケンは気づきました。

誰かが全部決めてしまう方が簡単。

だけど、みんなの声を聞きながら決めることの方が、何よりも大切なんだ。


ケンは大きくうなずきました。

「主人公はみんな。

だから代表も、みんなが選ぶんだね。」


シュケンは笑いました。

「その通り。

誰か一人が勝手に決めるんじゃなく、

みんなが選ぶ。

それが憲法王国の約束なんだ。」


ミライは空を見上げ、優しく微笑みました。

「未来は、まだ決まっていません。

だから今日の選択が、未来へ続いていくのです。」

そう言うと、水色とピンクの光とともに静かに姿を消しました。



その日の夕方。

広場には新しい看板が立ちました。

『みんなで決める広場』


ケンはその文字を見ながら思いました。

主人公は一人じゃない。

だからこそ、大切なんだ。

話し合うことも、

選ぶことも。


第1部 第2話 おわり


📔次回📔

『憲法王国』|第1部 三つの約束|第3話 自由の風

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月凪(つきなぎ) ありがとうございます!