真下みこと #柚莉愛とかくれんぼ (文庫版)
副題:ネット炎上ー誰もが当事者になりうるSNSサスペンス
第61回メフィスト受賞作 (講談社文庫)
著者:真下氏の言葉を借りれば「はやい言葉」と「おそい言葉」があり、自身の著作の中では、最速に「はやい」言葉で書かれているらしい。
とSNSで発信があった。
そうなれば、読み手「わたなべ」としては受けて立たねばなるまい。
SNSサスペンス
SNSは、情報拡散スピードは格段に速い。
通信速度も情報処理速度も、格段に速くなった。
ただ、しかし、読み手である人間の「処理速度は変わってない」。
100年前の人間と、現在の人間を比べて、脳の容量や速度が速くなる進化は遂げていない。
そうすると、速度を上げるために「確認する回数」や「読む文字数」を制限するしかないのだ。
情報の受け手が、うまく足りないところを補って理解するならば、とても便利だが、補っていけない人や、補うべき事柄を取り違えると「炎上」する。
意図的に炎上を演出する「炎上商法」が、今回のキーワード。
速度を邪魔するもの
母国語であるはずの日本語が、こんなにむつかしかったか?と感じた作品である。
言葉は時代を反映するが、まだ辞書に載る前の言葉の多用は、結構疲れる。
いちいち「つまづく」わたなべには、調べたくて仕方がない。
だが「つまづき」は単語だけではない。
女の子に振り向いてもらいたいとき、正攻法じゃ無理だからわざと嫌な顔させて喜ぶ、みたいなオタクがいる。僕にはその気持ちはよくわからない。僕は今、純粋に柚莉愛を傷つけようとして文字を打ち込み、送信ボタンを押しているから。
世の中を切り取る作業も忘れていない。
そして「本当の鬼はだーれだ?」 え?だれ?
