AI相未来|この半年でのAI画像の進歩を振り返る
半年前日本神話の一場面を、AIで生成しました。
「荒れる海を鎮めるために、オトタチバナヒメが海に飛び込む場面。」

ヤマトタケル一行が東征に向かったとき、現在の神奈川県三浦半島から船で漕ぎ出すと暴風雨が起こりました。
(これは海の神様が怒っているに違いない。私が人柱になればきっと海は鎮まる。夫であるヤマトタケルさまの助けができる。)
そう考えた、妻のオトタチバナヒメが自ら海に身を投げたのです。
そして、その直後に暴風は収まりました。
このイラストは、神社訪問記の、走水神社についての記事を作った際に生成しました。
何枚か作り、結局採用したのがこれ。当時はAIの性能も今ほどは高くなく、私自身のスキルも低レベルでした。
同じテーマで、他には以下のような画像が生成されました。いずれもchatGPTで生成したものです。


それから半年が経ち、AIの画像生成機能も向上し(主にGemini)、私自身のスキルも上がりました。
そこで、今回は、
「オトタチバナヒメが海に飛び込んだ直後」
の画像を生成してみました。使用したのはGeminiです。
コマ割りが可能かどうかにも挑戦です。構図は以下の通り。
【画面右側】
ヤマトタケルの顔のクローズアップ。涙ながらに「おとたちばなあっ!」と叫んでいる。
【画面左上】
オトタチバナヒメが飛び込んだ後の海。波飛沫が上がり、「バッチャーン!」という描き文字を入れる。
【画面左下】
船の周辺の荒波が収まる。「すぅー」という描き文字を入れる。
実際のプロンプト(指示文)は非常に細かいのですが、だいたい次のような条件をプロンプトに入れました。
・アニメタッチにする。
・キャラクターやセリフはコマ割りの枠をはみ出しても良い。
・古墳時代の日本の画像である。
結果はこちら。

タッチは非常にいい感じだと思います。
コマ割りや、枠線を越えたセリフ、描き文字などにも対応できるようになりました(レベルはとにかく)。
ただし、指示した時代に人物や船の造形がマッチしていません。
すべてのAIに共通することですが、日本古代のデータが非常に貧弱です。
そのため、叫ぶヤマトタケル(右側)の服装は中国っぽいですし、髪型は後ろで総髪を結んだだけというスタイルになりました。
また、左下に描かれる船は、中世ヨーロッパの船と日本の千石船をミックスしたようなデザインになりました。
乗組員もサムライ風です。
そこで次にキャラクターシートや美術ボードなどをテキストエリアにペーストして、これらの設定を守りながら同じ構図の画像を作らせました。
ペーストしたのは次の3枚。



結果はこちら。

お、なかなかいいんじゃないでしょうか?
今度はヤマトタケル自身が、コマ割りの枠を越えています。
キャラクターシートに無い口髭が描かれたのは、テンプレートとの混同の結果でしょう。
似た画像が複数あると、微妙に(場合によっては盛大に)混同することはGeminiではありがちです。
また、左下の画像で、船の大きさと人の大きさが合っていません。
この点はおそらく、わりと簡単に修正できるので今回は無視します。
船の乗組員の描き方がちょっと投げやりな印象もありますが。
今度はこの画像を劇画タッチにするように指示します。

確かに劇画っぽくなりました。
Geminiの特徴で、暗いシーンだと、画像全体のトーンを暗く劇画っぽくするという傾向があります。今回はそれが如実に現れています。
しかし、なんとなく、劇画調のギャグ漫画というテイストを感じないでもありません。
続いて、同じ画像を写実的なタッチに変換してみました。

「誰だ、おまえ?」
と聞きたくなるような感じではありますが、右側の画面は写実化されました。涙の流れ方に不自然さはありますが。
左上の海はあまり写実的ではありません。
左下の画像はそれなりに写実的ではあるのですが、乗組員がどうみても女性です。しかも不自然に、髪の「みずら(顔の横で束ねて結んだ部分)」がデカいです。
さて。
こうなると厄介です。
Geminiは微調整が苦手です。特に一気に複数の人物を微調整するとなると、かなりの苦戦を覚悟しなくてはなりません。
「まあ、一発で完全な修正は難しいだろうな」
と思いながら、元画像をテキストエリアにペーストして、
「乗組員に髭を生やして、体つきも男性っぽくして。」
という指示を出します。
結果ーー。

そうじゃないっ!
誰が、こんなヒゲモジャで上半身裸のゴリラマッチョな男たちの集団を描けと指示した? と、AI相手に詰め寄りたくなります。Gemini、極端です。
やりすぎを防止するため、元画像をペーストし直し、
「全員髭を生やして、もう少しだけ男っぽいイメージにして。筋骨隆々とかやりすぎはだめ。髪型と服装は維持。」
という指示を出します。

うおぉ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!
危なく暴れそうになりました。
ふざけているのか、Gemini? 何、この髪型? ギャグか!?
ちょんまげの月代(頭を剃った部分)と、みずらの髪型がミックスされたようです。
今後、コマ割りで写実的な画像を作る機会は無さそうなのですが、実験なので。というより、本音ではもう意地のような感じになっています。
冷静になれ、俺。
ということで、少し冷静になったところで、アプローチの仕方を変えてみます。
「この画像の左下の船の乗組員全員に、右側の男性と同じような髭を描き加えて。」
という指示。

まあまあですが、髭が濃すぎます。頭でかいし。
仕方ないので、船の先頭に立つ人物だけでも、右側の人物と同一性を持たせるように指示を出しました。

くぅぅぅぅ〜っ!
微調整は難しいです。
さらにアプローチを変えます。
アニメタッチの元画像をテキストエリアにペーストし直し、写実調に変換するだけでなく、左下の乗組員が男性であることを明示しました。

せっかく、乗組員がいい感じで描かれ、先頭もヤマトタケルの設定通りになったのに、アスペクト比が狂いました。
パーソナライズ設定に「画像は必ず16:9」という強い設定をしてあるにもかかわらず。
Geminiは、せっかくうまく行った時に、基本的なポカをやらかすことがあります。今回はそれがもうこれ以上無いくらい最悪のタイミングで出ました。
なまじ、左下の乗組員の比率だけが正しいだけに、このまま左右に引き伸ばすと、今度は乗組員が横長で不自然になります。
こうなると、もうあとはガチャです。
チャットをどんどん新しくしながら、元画像とプロンプトをペーストして、想定通りの画像ができるのを待つしかありません。
チャットを新しくするのは、同じチャットで同じ指示を出しても同じ失敗を繰り返すだけだからです。
ただ、このガチャ、何回くらいやれば成功するという見通しは立てられません。本当にランダムなのです。
1回でうまくいくこともあれば、100回やってもまだダメということもあります。
なので、今回は10回だけ再トライしましたが、残念ながら成功しませんでした。これ以上は時間の無駄なのでやめておきます。
最後にヤケクソで、
「萌え系少女漫画っぽくして。」
というプロンプトを出しました。

AIって、こういうタッチが好きだよね…。
