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【教育費】 新NISAだけでは間に合わない 時期を動かせない出費の壁を乗り越える  [第66回]


長期にわたる積立投資において、複利の力は期間が長くなるほどその効果を大きくしていきます。そうした観点から見れば、新NISAのような制度は、数十年後の老後資金を確保するためのシステムとして非常に適していると言えます。

しかし、資産形成において「老後資金」とは全く異なる性質を持つ、もう一つの大きな壁があります。それが「教育費」です。

老後資金であれば、市況が悪いときには働く期間を少し延ばすなど、ある程度の時期のコントロールが可能です。しかし、教育費のように「支払いの時期が最初から決まっており、動かせない中期的な出費」に対しては、短期間の積立だけで対応することは極めて困難です。

もし新NISAのような最近積み立て始めた資産を教育費に充ててしまうと、複利の効果が弱まり老後の資金計画の見通しを大幅に変更せざるを得なくなる可能性があります。

私のように50歳になって積立投資を始めた者にとっては、短期間の積立で直近の教育費を確保するのは困難です。

このように、「家計の最適化+積立投資」だけで中期的な資金確保の壁を乗り越えることは、早くから資産形成を行っていた一部の人を除くと、実はかなり難易度が高いと言えます。

これは医師にとっても同様であり、この時期の動かせない資金の壁にキャリアの最盛期で直面し、苦悩する人は少なくありません。

1. 大学病院の医師が直面する「キャリアと経済」のトレードオフ

医師というキャリアにおいて、経済的な成功が必ずしも最優先の目的とならない場合があります。臨床の第一線で最先端の医療に触れたり、研究や留学を通じて医学の進歩に貢献することを最大の目標にする医師は非常に多いものです。

そして、そのような機会は、大学病院という組織に所属しているからこそ得られる場合がほとんどです。

しかし、一般的な大学病院の給与水準は、一般病院の勤務医や開業医に比べて低いのが現実です。つまり、先端の医療を追い求めることと、経済的な成功を手に入れることは、多くの場合においてトレードオフ(二者択一)の関係になってしまいます。

研究も投資の世界と似ており、短期で分かりやすい成果が出るものではありません。地道に何年も研究を続け、ようやく自分の目指す成果が見えてきた頃、プライベートでは子どもの進学期が重なることが非常に多いのです。
このタイミングで、一気に高額な学費の捻出という厳しい現実に直面することになります。


2. キャリアを諦めるか、子どもの将来を諦めるか

自分のキャリアをこのまま突き詰めるか、それとも子どもの進学費用のために舵を切るか。

この選択を迫られた結果、志半ばで大学病院でのキャリアを諦め、給与条件の良い一般病院へ転職したり、開業を選択したりするケースを、私は30年におよぶ大学病院生活の中で数多く目にしてきました(ただし、開業したからといって必ずしも経済的な成功が約束されるわけではないという厳しさもあります)。

そして数年前、私自身も同じ状況に立たされました。50歳を超えた時点で2人の子どもが同時に大学へ進学し、そのうちの1人が私立大学の医学部へと進むことになったのです。

これにより、年間で500万円を超える学費を支払い続けなければならないという、極めて重い現実が目の前に現れました。特に、2人の子どもの大学在籍が重なる4年間の生活は、普通のやり方ではとても賄えるものではない――それが、当時の私の率直な実感でした。


3. キャリアを維持しながら学費を捻出する「一つの答え」

大学病院の給与のままでは、普通に考えれば生活が破綻するか、これまでの貯蓄をすべて食いつぶすことになります。そして、もし自分のキャリアを継続することを選んだら、子供の将来の夢を諦めさせることになるかもしれません。
しかし私は、どうにかして今の仕事を辞めずに、この莫大な学費を捻出する方法がないかを必死に考え、調べ尽くしました。

その結果、私は「一つの方法」に辿り着きました。

この戦略を実行したことで、私は現在も毎年500万円以上の学費を支払いながら、手持ちの資産を大きく減らすことなく、安定した生活を送ることができています。

それだけでなく、結果的には教育費の「支払い総額」そのものを30-40%ほども減らすことができる見込みです。目先の負担が軽減されたことで、将来的な老後生活への不安もかなり小さくなっています。

このように老後の生活の不安が減ったことは、このnoteで書いているような私の人生観にも大きく影響を与えています。

何よりも重要なのは、学費のために大学病院を辞めずに働き続けた結果、教授選と言う誰もが経験することができる訳でないチャンスを得ることができた事と、学費を理由に子供の将来の夢を諦めさせずに済んだと言う事実です。


もしあのとき、学費の捻出のためにキャリアを諦めて一般病院へ転職していたら、私の人生の方向性は全く違うものになっていたと思います。


最後に

教育費のような、時期の動かせない中期的な資金の確保は、お子さんを持つすべての家庭にとって、老後資金の確保とは全く別次元の、極めて大きな課題です。
特に医師のキャリアにおいては、自分の人生の目的そのものを左右する分岐点になり得ます。

私が実際に大学病院でのキャリアを継続しながら、年間500万円以上の学費を支払い、かつ資産を守り抜くために実践した具体的な手法と資金戦略については、第50回の記事にて、その仕組みのすべてを詳しく公開しています。


この方法は、私立大学の医学部進学という極端なケースに限ったものではなく、一般の大学進学における教育費の捻出にも十分対応が可能です。


もし、今まさに子どもの教育費について悩まれている方や、将来の大きな出費に対して再現性のある防衛策を持っておきたいという方は、ぜひそちらの記事を参考にしていただければ幸いです。

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