中学生日記②
朝、雨が降っていた。
「ぼくが総理大臣になったら、雨の日は休みにします」
と言っていた多部くんはいまだ総理大臣になっていない。
雨が降っても仕事へ行く。
どうも、ひとり思ひ出ぽろぽろ状態文具です。
昨日、中学生の頃の思い出を書いた記事をあげた。
先生が板書するたび、全員で3センチずつ前に進む話。
こちら続きがある。
先生にバレず、任務を遂行したNとクラスメイトの私たちはちょっとした達成感と高揚感を感じていた。
そして、調子づいたNがこう言った。
「次の授業、先生の3回目のギャグで爆笑しよう!」
次の授業は理科の授業でした。
にこにことした穏やかな先生で、いつもつまらないギャグを言っていました。
普段は誰も笑わない。
それでもにこにことギャグをくりだしてくる先生。
そんな先生の授業で1回目と2回目のギャグにはみな無反応でシーンとし、3回目のギャグが放たれるやいなや手を叩き腹を抱えて笑うという平和な悪戯です。
而して、授業が始まりました。
先生がいつものように雑談をはじめます。
いつもなら、どうでもいいわ〜、と誰も聞いていないのですがこの日は違います。
みな、今か今かと先生のギャグを待ちます。
心なしか背筋は伸び、みなの視線は先生に向かっています。
「あれ〜なんか今日みんなすごいヤル気じゃない?」
と、嬉しそうにする先生。
そんなことはいいのだ。
早く。
早く1つ目のギャグを!
と思っていると、先生が何やら小ボケらしきものを繰り出した。
教室が静かにざわつく。
今のは1回目に入るのか?
あまりにつまらなく小さすぎるボケにみな困惑の色を隠せない。
さざ波のように、あちらこちらから「1回?」という小声が聞こえてくる。
誰かが、口パクでNにメッセージを送る。
隊長、今のは1回目に入りますか?
バナナはおやつに入りますか?
くらい微妙な質問。
どうするN。
と、思っていると少し思案したNが…
今のはノーカンで!
と、前後左右にメッセージを送る。
さざ波のような「ノーカン」が教室に広がる。
そうこうしてると、また先生が冗談らしきことを言う。
これは?
あまりに微妙すぎて、みな判断ができずNを見る。
親指を立てている。
1回目として認定するということか。
これが1回目ならさっきのもカウントしてよかったんじゃないのか?
あまりの微妙さにNよ。めんどくさくなってるんじゃないのかい?
と、そのうちまた先生がなんとも言えないギャグらしきものを、
あーはっはっ……
ノーカンになった1回目を知らずにカウントしてた誰かが1人大きな声で笑ってすぐやめた。
(なんで!?)
という顔で振り向く。
前の方の席に情報がいってなかったのか。
かわいそうに…
先生は、
「お!面白かったかい?」と満足げ。
ひとり笑ってしまった彼に近くの誰かが、あれはノーカンだったのだと説明しているようだ。
笑ってもらった(1人に)ことに満足したのか先生が次の一手を繰り出す。
まあまあのダジャレ。
これだ!ゆけー!!!
とNが指揮者よろしく指をさす。
大、爆、笑!!!
のようなものが生まれる。
いや、だいぶ不自然だった気がする。
机を3センチずつ程はうまくいかなかった。
みな、なんだかうーん。という顔をしている。
ただひとり先生だけが大変満足して、その後授業しておられた。
