Photo by
math_circus
多言語観察|同じ「イイ」でも結構違う、日本語とトルコ語 / Multilingual Observation|When “Good” Doesn’t Mean the Same – Japanese vs Turkish
トルコ語を勉強し始めた頃、トルコ語の音声を聞いているのに、なぜか急に日本語が聞こえた気がした。
「え、今、イイって言った?」
そう、トルコ語の iyi(イイ) は「良い」の意味。発音も、日本語の「いい」とほぼ同じ。でも、意味を丁寧に見てみると、完全に同じではなかった。
日本語の「いい」:恐るべき、カバー範囲の広さ
日本語の「いい」はポジティブもネガティブも、肯定も諦めも、全部含んでいる。
• 質や評価(いい服、いい人)
• 都合(明日でいいよ)
• 許可(もう行っていいよ)
• 妥協やあきらめ(まあ、いいか)
だから、「いい」と言えば、どんなシーンでもだいたい通じてしまう。
トルコ語の "iyi":ポジティブ限定
一方で、トルコ語の ” iyi ” はシンプル。「良い」「快適」「元気」など、ポジティブな方向にしか使わない。
• iyi insan = 良い人
• iyi fikir = 良い考え
• iyi günler = 良い一日を(相手への声かけに使う)
• iyi misin? = 元気?(あいさつとしても使う)
「まあいいや」「それでいい」みたいなニュアンスは持ってない。トルコ語 "iyi" は、いつだってポジティブな言葉だ。
同じ「イイ」でも、日本語は、良かったり悪かったり。トルコ語は、ポジティブな「良い」だけを伝える。
同じ響きの中に、違う世界がある。
それらを比べることで、日本語の言葉のクセまで浮かび上がってくる。それはきっと、日本語を母語として話している私たちの、無自覚な考え方のクセにもつながっている。
この、母語のクセに縛られた、自分の無自覚な考え方のクセを自覚できることも、言葉を観察する楽しさのひとつだと思う。
※ 多言語観察 目次↓
いいなと思ったら応援しよう!
応援いただき、ありがとうございます。いただいたチップは、観察の活動費として活用させていただきます。