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多言語観察の裏側|「空間の言葉」を歩き終えて / Behind the Observations|After Walking Through the Language of Space

※この記事は、「空間の言葉」シリーズ完結後の、観察の裏側話です

「空間の言葉」を続けて書くうちに、思っていた以上に静かな深さがあることに気づいた。
上と下、内と外、距離、視点、角と端…
毎日ふれている言葉なのに、比べてみると、それぞれの言語で “世界のどこに重心を置いているか” が少しずつ違っていた。

最初の「上下」は、正直ためらいがあった。
言葉の専門家でもないのに、こんな根本に踏み込んでいいのだろうか、と。
でも、小さなズレを並べていくと、言語の向こうにある世界の形が、ほんの少しだけ立ち上がってくる。その感覚が、なんとか手を止めずに書かせてくれたように思う。

難しかったのは、「中」や「角と端」のような、場所と気配のあいだにある言葉。
どこなのかはっきりしないのに、確かに “そこにある” と感じられる。
そういう曖昧な言葉を扱うたび、言語の奥に沈んでいるそれぞれの言語の価値観に、そっと触れた気がした。そして、私自身がどんな価値観を持っているのかにも、気付かされた。

画像を選ぶ時も、意味より “その回の空気” を大事にした。
選ぶ写真によって、自分の中のその言葉の輪郭が、少しずつ整っていくようでもあった。

振り返ってみると、空間を観察していたというより、ずっと「私はどこに立っているのか」という問いの周りを歩いていたのかもしれない。

そして気づいた。
空間の言葉には、いつも “動きの気配” がひそんでいたことに。
前後には進む方向があり、距離には近づき離れる関係があり、角には曲がる気配がある。

だから次は、空間が動き出す前の、小さな “向き” を見てみようと思う。
方向と動きのあいだ。そのほんのわずかなゆれを、また言語の横に並べながら。


※ 方向と動きのあいだの言葉↓


※ 多言語観察 目次↓


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