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貿易戦争の中で加速化が進む核融合の商業化

 本投稿は、カナダのモントリオールに研究所を持つスタートアップ企業「Fuse」の核融合の商業化に向けての取組みをBBCが取材したコンテンツを紹介するものです。Fuseの創業者兼CEOであるJC・ブタイシュ氏のリーダーシップの下、経験豊富な専門家とチームが、独自のパルス電力装置「タイタン」の開発を通じて、クリーンでほぼ無限のエネルギー源である核融合の実現を目指す姿を切り取ったものです。核融合の商用化の実用には依然として大きな課題が存在していますが、サム・アルトマンが出資するHelion社や中国の国家プロジェクトなど、エネルギー安全保障の重要性から、世界中で激しい開発競争が繰り広げられている領域です。
 尚、Fuse Energy Technologies社は、2018年にカナダで設立され、本社はカリフォルニア州サン・レアンドロに構えています。Fuseが開発しているのは、「マグネタイズド・ライナー慣性閉じ込め核融合」(MagLIF)と呼ばれる方式で、彼らはパルスパワー発生器といった独自の装置を開発・構築しています。既に中性子を生成する核融合ジェネレーター「FAETON I」や、「TITAN」という重要な装置を開発。カナダ原子力安全委員会からも運転許可を取得して、より高いレベルでの実験が可能になっています。資金調達も順調で、これまで主にVCを経由して5000万ドル超を調達し、2024年9月時点において2億ドルの評価額がついている企業です。ご参考下さい。






1. プログラム


カナダ・モントリオール南部の研究所では、科学者たちが新しいエネルギーソリューションの道筋を作ろうと奮闘しています。Fuseというスタートアップ企業が、核融合の商業化という非常に難しいミッションに挑んでおり、BBCはその現場に独占的にアクセスすることができました。


[JC・ブタイシュ](ヒューズ:創業者兼CEO)
 こちらが私たちの組立エリアです。


核融合は、太陽の内部で自然に起こっている現象で、それによって太陽はエネルギーを放っています。二つの原子核が融合すると、エネルギーが放出されます。地球上でも、この現象を再現しようと科学者たちはおよそ100年にわたって取り組んできました。ですが今、貿易戦争や環境問題が深刻化する中で、核融合の実現に向けた競争が本格化しています。


[JC・ブタイシュ]
 核融合の実現は、人類を前進させ、何世紀にもわたる文明の繁栄を可能にする技術になると考えています。


その可能性は、ほぼ無限で、ほぼクリーンなエネルギーです。これを実現した国にとっては、エネルギー自立と莫大な利益がもたらされることになります。


[JC・ブタイシュ]
 スペースXの例を挙げると、彼らは1キログラムあたりの打ち上げコストを下げ、ロケットの再利用性を高めることで、打ち上げの頻度を大きく増やしました。こうして宇宙をより身近なものにしました。一方で、原子力業界では同じような進展が起きていません。私たちが注力しているのは、放射線にかかるコストをどう下げるか、そして放射線をどうやってより広く利用できるようにするかという点です。


彼らは「タイタン」(Titian)と呼ばれるパルス電力装置を開発しました。まるで瓶に雷を閉じ込めたようなもので、800回分の雷に相当するエネルギーを生み出します。装置内部には476個のコンデンサと、238個の特注スイッチが組み込まれています。開発を主導するのは、かつてイランのトップ核物理学者の一人だった人物で、現在はこのプロジェクトの技術責任者を務めています。


[ヴァヒド・ダミデ](ヒューズ:チーフエンジニア)
 4万個もの部品を組み立てるのは簡単なことではありません。ひとつでも欠ければ、プロジェクト全体が失敗に終わってしまいます。タイタンは、これまで関わってきた中で最も挑戦的なプロジェクトです。ですが私はこの仕事を心から楽しんでいます。


[JC・ブタイシュ]
 そして、これがタイタンです。


[ニック・クウェック](BBC)
 すごいですね。


[JC・ブタイシュ]
 はい、出力は1テラワットです。ここでの革新の鍵は、238個のブロックを2ナノ秒以下の遅延、つまりジッターの差で同時にトリガーさせることにあります。これこそが私たちの中核技術であり、このトリガーシステムの構築がその核心になります。


[ニック・クウェック]
 今、何が一番の課題ですか?


[JC・ブタイシュ]
 すべてが挑戦です。まず、この装置を作ること自体が前例のないことです。私たちが世界で初めてこの機械を作ったのです。


[ニック・クウェック]
 お年を伺ってもよろしいですか?


[JC・ブタイシュ]
 はい、私は現在24歳で、来月25歳になります。


[ニック・クウェック]
 どうやってここまで成し遂げたのですか?


[JC・ブタイシュ]
 そうですね、正直まだ模索中というところです。父が核物理学者だったこともあって、宇宙の仕組みに対する興味が自然と芽生えました。そして、自分自身の目でそれを確かめたいという気持ちが強くなりました。限られた時間をどう使うのが最も有意義かを考えたとき、スタートアップという形で核融合に挑戦するのが、最も迅速で、かつ知的に誠実な方法だと感じたのです。


JCには何十年もの経験はありませんが、それでも業界の大物たちを納得させることができました。


[ジェームズ・オーウェン](ヒューズ・フェデラル:社長)
 私はロスアラモス国立研究所で30年間勤務し、国家安全保障に関わるプロジェクトに携わるという貴重な経験をさせてもらいました。


[ニック・クウェック]
 ヒューズに惹かれた理由は何ですか?


[ジェームズ・オーウェン]
 クリーンで豊富なエネルギーの生産は、経済を支えるだけでなく、国家安全保障や防衛能力といった面でも重要な基盤になると考えています。


[JC・ブタイシュ]
 こちらが私たちの機械加工エリアです。ここでは、部品の試作や製作を迅速に行うことができます。タイタンのコストのうち、75%は3つの部品に集中していますが、そのうち2つを社内で製造できるようになりました。コストは大幅に削減され、リードタイムも数日で済むようになりました。以前は数か月、場合によっては1年近くかかっていたものです。 


[JC・ブタイシュ]
 ここがタイタンのコントロールルームです。電圧や充電電圧、チェックリスト、エア供給システムの圧力などが、すべてソフトウェアで管理されています。


ここでの取り組みにもかかわらず、専門家の間では、核融合が実用化されるまでにはまだ数十年かかる可能性があるという見方が根強くあります。科学的、工学的な大きな課題が残っているためです。しかし、それでもヴァヒドの情熱は揺らいでいません。


[ニック・クウェック]
 ここで歴史を作っているという実感はありますか?


[ヴァヒド・ダミデ](ヒューズ:チーフエンジニア)
 もうすでに作り始めています。そして、これからも作り続けていきます。


彼らには、急ぐ必要があります。世界中で核融合の実現に向けて莫大な資金が投じられており、競争は激化しています。サム・アルトマン氏が支援するHelionは、最新の資金調達ラウンドで約4億ドルを獲得しました。さらに、世界各国も着々と準備を進めています。中国の「人工太陽」と呼ばれる原子炉は目覚ましい進展を遂げており、イギリスの原子力庁は2040年までに世界初の核融合発電所の開設を目指しています。


[ジェームズ・オーウェン]
 エネルギーの安全保障は、そのまま国家の安全保障につながります。


[JC・ブタイシュ]
 ですので、私たちはこの技術が適切な手に確実に渡るよう、全力で取り組むことを常に意識しています。


今日は、最新モデルの試運転が行われます。


[JC・ブタイシュ]
 これから電圧を上げていき、装置の性能をチェックしていきます。さて、どうなるでしょうか。


[ニック・クウェック]
 現在、タイタンの起動に向けた最終チェックリストを確認しているところです。なぜか手に汗をかいてきました。緊張してきました。


「3、2、1。」


[ニック・クウェック]
 成功です。


この問題を完全に解決できるかどうかは、まだ分かりません。しかし、この巨大な課題の解決に向けて大きく貢献することはできるのか。答えはイエスです。すでにその一歩を踏み出しています。


[関連動画]TITAN 1TW Live Firing with Target Implosion



2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

BBC
(Original Published Data : 2025/04/20 EST)


[出演者]
  Fuse
    JC・ブタイシュ(JC Btaiche)
    Founder & CEO

    ヴァヒド・ダミデ(Vahid Damideh)
    Chief Engineer

  Fuse Federal
    ジェームズ・オーウェン(James Owen)
    President

  BBC
    ニック・クウェック(Nick Kwek)



3. 関連コンテンツ



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だうじょん


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