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春の不調は、身体が季節に追いつこうとしているサイン|臨床メモ①


春に体調を崩す人は多い。

でもそれは、壊れたのではなく、
身体が季節に追いつこうとしている反応なのかもしれない。



今日のお客様には、
とても春らしい反応が出ていた。

「いつもより身体がスースーする」

という訴え。

これは、
身体が冷えた、悪くなった、という話ではなく、
内側の流れが

内向きから外向きへ
保温から発散へ

切り替わり始めたサインとして読める。

冬の身体は、冬眠するように閉じる。

熱を逃がさず、
内側に保ち、
内循環させて守る方向に働くことで、
体温と生命を維持する。

でも春になると、
暖かさにあわせて身体は少しずつ開いていく。

熱の持ち方も変わるし、
呼吸も、循環も、筋肉の使い方も変わる。

身体は、太陽暦のカレンダーよりも、
もっと原始的な自然の周期に反応しているように見える。

その変化が起きるからこそ、
気温以上に寒く感じることもある。

これは異常ではなく、
ちゃんと季節に適応し始めている証拠なのだ。



一方で、体を動かすと
股関節に詰まり感を感じやすい傾向がある。

これも春先によく見られる反応のひとつだ。

人が無意識のうちに、
季節の動きを身体で受け取っている証なのかもしれない。

春の陽気に合わせて薄着になり始める時期は、
下半身が思っている以上に冷えやすい。

とくに春先は、
次のような場所が冷えやすく、硬くなりやすい。

・足裏
・足根部
・股関節まわり

このあたりが硬くなっていると、
身体の切り替えはスムーズに進みにくい。

だから春は、
鍛える前にまず、

よくほぐすこと。
温めること。
ゆるめながら整えること。

それが大事になる。



別件の調整として、
前腕骨折後のケアも重なっていた。

ギプスが取れても、
痛みや動かしづらさ、無意識にかばうことによって、
首や肩、肩甲帯に緊張が溜まりやすい。

凝る部分を動かしたり、ほぐしたりするだけでは、
問題は解決しない。

前腕や手の動きの制限は、
局所の問題では終わらないからだ。

指、指間、掌、前腕二骨のねじれ、肘関節の緊張は、
肩甲帯の癒着やねじれ、肩の張りとして
自覚症状に現れやすい。

そのため、局所だけを見るのではなく、
上肢全体から肩甲帯、胸郭まで含めて
調整していく必要がある。

だから、

・指や掌の動的ストレッチ
・前腕と上腕のねじれの解消
・上肢と肩甲帯と胸郭のバランス調整

こうした細かい調整を通して、
局所だけでなく、全身のバランスごと
整えていく必要がある。



ここで大事なのは、
春先の不調を「悪いこと」とだけ見ないことだと思う。

冬から春へ移るとき、
本来なら身体は自然に切り替わっていく。

でも、その変化が内側でうまく起きないと、
身体は不調という形でサインを出す。

だるさ。
詰まり。
冷え。
のぼせ。
風邪のような反応。

それは失敗などではなく、
季節の移り変わりに対して、
適応の遅れが表面化したものとも言える。

言い方を変えれば、

季節に合っていないから体調を崩す。
切り替わらないから不調が出る。
そして風邪を引いて、強制的に発汗し、
内側の流れを変えさせられる。

とも言える。

だから春は、
無理に動く前に、
ちゃんと切り替えること。

ゆるめること。
温めること。
巡らせること。
汗をかくこと。

そして、
身体が冬仕様のままになっていないかを、
日々の生活の中でよく観察すること。

春の不調は、
壊れたサインではなく、
身体が季節に追いつこうとしている途中経過
なのかもしれないから。


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