プリンのようなエッセイを書きたいのに、フランスパンばかりが焼き上がる。
このエッセイ、プリンだ。
読みはじめてすぐに美味しいと気づいて、終わりが来てほしくない。ずっと食べていたいし、喉越しも最高すぎる。底が見えてくると、ちゃんとさみしい気持ちになる。
ああ、おかわりしたい。
そういうエッセイが書きたいのに。
わたしの書くものはきっと、フランスパン。何度も噛む。ザクザクしてて、勢いよく食べると口の中を切っちゃう。歯応え抜群だけど、人によっては顎も痛くなるだろう。
プリンエッセイが書きたいのに。
どうやったらするする食べられるようなエッセイを書けるのだろうか。書けば書くほど、フランスパンになるんだよなぁ。
フランスパンがプリンになるって、何が必要なんだろう。
一度フランスパンを細かく切って、やわらかくするために水に浸したりしようか。味も甘くするために、砂糖も入れて。でも、ぷるんぷるんにはならないだろうな。フランスパンの砂糖水漬けの完成か。うわっ、なんか美味しくなさそうな気しかしない。
フランスパンがプリンになるって、ちょっと無茶をしすぎているのでは。
ああ、それよりも、フランスパンに明太子とバターを塗って焼いたり、ガーリックとバターとか。そうやって食べるのが、すっごく好き。もちろんそのままのフランスパンを斜めにカットして、カリカリになるまで焼いて食べるのも好き。
ああ、わたしの大好物フランスパン。
実は、プリンは大好物ってわけではない。
なぁんだ。わたし、フランスパンでいいのかもしれない。というか、なんでプリンになろうとしていたんだろう。
だって、だって。プリンってみんなの人気者って感じがするし、フランスパンって、好きな人はすごく好きだけど、好みが分かれる気がする。
フランスパンがとてつもなく好きな自分のことを、もうすこし認めてあげてもいいのかもしれない。
プリンみたいにみんなに愛される文章に憧れるけれど、わたしから出てくるのは、やっぱりフランスパンみたいな文章なんだよなぁ。
でも、何度も噛んでもらえる文章なら、書けるかもしれない。ザクザクしていて、すこし硬くて、たまに口の中を切ってしまうかもしれないけれど。
噛むほどに味がある文章を、わたしは書いていたい。フランスパンをかじりながら、そんなことを思ってしまった。今日のフランスパンも、やっぱり最高に美味しい。


