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フィードバックの得られない失恋

弟の結婚式翌日、あろう事か弟と同い年の消防官からの誘惑に負け、道を踏み外したのだったが、その後狂い咲くこともなく、何ら変わらない日々を過ごしていた。

▽前回の話はこちら

私の中で会えないことに定評のあるマチアプ「AMBIRD」。先日、いいなと思っていた人とマッチした。彼は2歳上で運送業に従事しており、業界へのイメージ通りかなり筋肉質な方だった。

最低だが職業フィルターが強い私は、運送業だと休みが合わなかったり、収入が多くなく会いたくてもお金がないから…など言われたりしそうだな、なんて勝手な想像をしていた。
しかし話を聞いてみると、メーカーの子会社で自社の運送のみを行っており、土日祝休みと聞いて、そんな運送業もあるのか、と自身のバイアスを恥じた。

二十歳ぐらいで子供を作ってしまって、アイドルをやめた世界線のWEST桐山 照史、と言った雰囲気で、少しやんちゃそうな彼は私が今まで会ってきたゲイとは少し系統が違い、新鮮であった。

チャットが盛り上がり、電話したいと言われて早々にLINE交換をした。電話も盛り上がり…というより彼の方がよく話してくれ、とても楽しいひとときを過ごした。ここ一緒に行きたいなど、旅行の話もしてくれ心躍った。

その流れで3/7に会おうとなったものの、彼が会社の飲み会を忘れており、3/14にリスケに。でも、やっぱり早く会いたいし3/7に飲み会終わりからどちらかの家で泊まって翌日ゆっくりデートするのはどうか、と提案があった。
はじめましてから泊まりはどうかのか?と思いつつ一度道を踏み外した私はちょろい。ぜひ!と言う話になり、私の家に泊まることとなった。

当日までもおはようからおやすみまで、仕事の合間にお互いチャットを交わし、夜は毎日彼から電話が来る。久しぶりに精神的に満たされ、分かりやすくマチアプを開く時間が激減したのだった。

彼は、私と同様親にカムア済で、月に一度程度、近所の実家に帰って食事したりするらしく、先日帰った際に彼の母から「最近いい人いないの?」と言う質問に対して、私のことを話した、と電話で伝えてくれた。これまで親に紹介されるなんて経験がなく、正直かなり嬉しかった。関係性を他者に認めてもらうってこんな嬉しいことなんだな。

過去の写真もお互いたくさん送り合い、毎日通話もしたことで、会ってやっぱり違う、となる可能性は限りなく低く、これは付き合うな、と確信めいたものがあった。

しかし事態は急変する。
3/6、私は浜松へ出張で朝から夕方まで外出していた。うなぎパイが好きと聞いていたので、駅前にあった巨大なうなぎパイの広告の写真を思わず送ると「デカパイ」などしょーもない下ネタが返ってきた。そんな多愛ないやり取りの後突然連絡が途絶えた。

仕事が忙しいのかなとか、金曜だし飲み会とかあるのかな…なんて思いつつ就寝し、朝起きても返信がない。
ログイン履歴でも見てみるか…とAMBIRDを開いてみると、まさかの会話一覧からアカウントが消えていた。
急激に脈が早まり、もしかして…とLINEでブロックされているかを確かめてみると、3つぐらいある確認方法全てでブロックされているという結論に導かれた。

この週末は素敵な日になる、これからきっと楽しい日々になる…そんな思いがたった数日で打ち砕かれた。一回会ってから判断して欲しかったし、せめて何がだめだったのか、フィードバックが欲しい。

人と人との関係性が希薄になる中で、マチアプは当たり前になったが、気軽に人と繋がれるようになった分、突貫工事な関係は少しでも嫌なことがあれば簡単に切る。

私だって突然声をかけて来た人に対しては、そういう覚えがないわけでもないが、毎日楽しく電話をして会う約束をした人に対して、どうしてそんなことができるんだろうな。

酷い仕打ちを平気でできる人間と合わずに済んでよかった、そうとも言えるが、付き合うんだろうな、一緒に生きていくんだろうな、と思える人から突然拒絶されるのは心にくるものがある。

今は趣味に生きて恋愛から離れる、そんな生き方もあるとは思うが、歳を取れば需要は下がる。
加齢にはあの手この手で抗っても、マチアプのフィルターでふるいにかけられてしまう。

真面目に彼氏が欲しいのにどうしてこんなに難しいんだろうな。彼が来ると思って片付けた部屋を眺めながら沈む。


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