おっさん、秘仏を求めて奈良・押熊へ 〜秋篠寺・常光寺巡り 秋篠寺編〜
「あー、明日6月6日か。大元帥明王の御開帳の日やなぁ」
ふと前日に、そんな事に気がついた。
奈良県の仏像巡り界隈では、6月6日と言えば秋篠寺の「大元帥明王像」と常光寺の「歓喜天像」の御開帳日。この一日限定の公開。
しかも、唐招提寺でも「鑑真和上坐像」が公開されるタイミングやし、全国の仏像マニアがこぞって集まる「奈良秘仏フェスタ!」みたいな一日になるんよね(笑)
おっさん的には、大元帥明王像は去年も見に行ってるし、今年は別にいいかなぁとか思ったんやけど、常光寺の歓喜天はまだ見た事がない。まぁ、晴れたら行ってもいいかな……とか、のんびりと思っていたら、当日は曇り空。
出かけるのは晴天の方が好きなんやけど、運動がてらチャリに乗って、奈良市は押熊の地に行ってまいりました。



午前中はかなり混み合うみたいなんで、昼を過ぎてから出発。
通常時の拝観料の倍額を支払い入山。
列を避けたつもりやったけど、13時半ぐらいの時点で、大元帥明王像のある大元堂の待機列は本堂の裏手まで伸びていました。まだこんなにいたとは(笑)


列はそこそこになってたけど、列の横にある鐘楼を見たり、大山木の大きな花や甘い香りを楽しんだりしてたので、そこまで苦行ってわけでもなかったかな。列の進みも早かったし。
ちなみに大山木の花言葉は「前途洋々」「威厳」だそーです。前途洋々……あんまし縁がないお言葉。おっさんも是非あやかりたいもんです(笑)


あれこれと楽しんでいる内に、お堂の前に到着。
丸に薬師如来の種字をデカデカとあしらった羽織物を着ていたお寺の方々が、今年も忙しそうに対応されているのを見て、何というのか「ああ、今年も来たんやなぁ」とか思いながら、本日のメインの片方である大元帥明王像とのご対面。
お像のほうは、手も足も全体が太く、太っているというよりは、ずんぐりと力強い感じ。
全長は光背を入れても2mと半分も無いぐらい。
憤怒相で一面六臂(怒った顔で、顔は1つ、腕が6本)
上腕や手首などに蛇が巻き付いていて、それぞれに武具を手に……と、お姿はこんなカンジ。
剣や斧とか持ってたけど、一番手前の右手の宝杖でごっつんされたら、何か痛そうでやだなぁとか、思ってたおっさん。
仏像を前にしても、敬虔だとか「ありがたや〜」とか、割と留守な事も多いんよね。今振り返ってみると、割とほのぼのとしたカンジで見ていたんやなぁと。
明王像やけど、怖いって微塵も感じなかったってのも大きかったのかも。

今年も大元帥明王像のお姿を拝見できたことに感謝をしつつ、その後は本堂でこの秋篠寺が全国に誇る伎芸天像などを鑑賞。
……なんだろ? 伎芸天像のお姿が、去年お会いできた時はフワッと優しい感じがしたんやけど、今年はなんだか憂いを帯びて疲れたようなカンジに見えた。
隣の地蔵菩薩像も補修跡だけがやけに目に入る。
おっさん自身の心持ちが、そう見させているんやろうか?
それとも何か別の憂いでもあるんかな?
仏像は見るもの本人を映す鏡だと言われるけど、そういう事なんかなぁ?
ご本尊の薬師如来様を正面にした、休憩用の長椅子に座りながら、おっさん、しばらくの間ぼんやり考えていたよ。
秋篠の 天に奏でし かんばせの
憂ふる様に 如何にあらむや ──詠み人 おっさん
その後は、我が寅年の十二神将像だけがやけにオッサンっぽいだの、五大力菩薩像のグループを見て、Yeah!Yeah!ってノリノリやなとか思ったりと、仏像鑑賞を楽しんでから、本堂を後に。いろいろと思わせられたひと時でした。


こちらでは、この6月6日のこの日のみ、香水井から汲んだ水を一般の参拝客にも振る舞ってくれるとのこと。そういや去年も頂いたかな。
「清浄香水 味如甘露」と入口の石柱にあるように、お水は冷たくてイイ感じ。
拝観後の喉の乾きを癒やすのに丁度良かったです。
気持ちもリフレッシュしたところで、ここから次の目的地である常光寺へ。
この秋篠寺から、だいたい2kmぐらいやったかな。徒歩で約30分ぐらい。
奈良西のエリアって坂が多いから、ちと大変やけど、秘仏を拝むために頑張るべく、チャリに跨るおっさん。
おっさん、歓喜天像ってあんまし馴染みないんよね。
調べてみても、等身大以上の大きな像みたいなのは無いみたいで、厨子の中に収められている小さな像ってのが普通みたい。
基本的にどこの歓喜天像も秘仏扱いで、一般向けに公開されているのも珍しいっぽい。
お空は曇天模様。気温はそこまででもないけど、やや蒸し暑いカンジ。
初めての歓喜天像ってコトに少しだけ期待しながら、おっさん、常光寺へとペダルを踏んでいました。
──常光寺編へ続く
記事に挟めなかった秋篠寺で撮った画像。いくつか置いておきます。

そういやクチナシの白い花って歌ってた演歌があったな。



