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告知しすぎると嫌われる。でも、告知しなければ存在しない

どうも、久我レイジです。

最近、イベントの告知についてしばらく考えていました。

自分が関わっているイベントは、できるだけ多くの人に知らせたい。仲間が出演する配信や、応援している人の活動も、できれば普段その人を知らない人にまで届いてほしいと思います。

ただ、同じ告知が何度も流れてくると、受け取る側には宣伝ばかりに見えてしまうことがある。それも分かるんです。


僕自身、興味の方向が違えば、どれだけ熱量のある告知でも、タイムラインを埋めていく情報の一つとして見てしまうことがあります。正直に言えば、あまりに続けばミュートしたくなることだってある。

でも、自分が主催する側になると、また話が変わります。

告知しなければ、そのイベントは存在していないのとほとんど変わらない。作品を作ったことも、イベントを準備していることも、こちらから伝えなければ、知らない人には見つけようがありません。


何度も言えば嫌われるかもしれない。でも、言わなければ届かない。その間をどう進めばいいのかが、本当に難しいんです。


良い作品を作れば届くと思っていた

Project Aliveとしてメタバースドラマを作り、clusterでイベントを開いてきました。

『クロスロード』では、声優、アバター出演者、エキストラを合わせて61人が制作に関わっています。脚本を書き、演出を考え、出演者さんとやり取りをしながら収録を進め、最後に編集して一本の作品へまとめていく。それだけでも、かなりの時間がかかりました。

本当は、作品づくりだけに集中したいと思うこともあります。

良い作品を作れば、いつか誰かが見つけてくれる。以前の僕は、どこかでそう信じていた気がします。

もちろん、良いものを作ることは大前提です。作品そのものに魅力がなければ、たとえ一時的に注目されても、長くは残らないと思います。

ただ、良い作品を作っただけで自然に届くほど、今のネットは単純ではありません。

SNSには毎日、誰かが本気で作ったものが流れています。イベントのお知らせもあれば、配信や新作の告知もある。仕事の話、AIの話、創作の悩み、日常の出来事まで、すべてが同じ画面の中に並びます。

その中で、今日イベントがあります、見に来てください、と書くだけでは、なかなか立ち止まってもらえません。

だからといって、何度も同じ投稿をすれば、今度は宣伝が多いと思われてしまう。僕も告知するたびに、まだ足りないのか、それとも、もう多すぎるのかと迷います。

おそらく、告知の回数を増やすだけでは解決しないんですよね。

伝えるべきなのは、日時だけではない

イベントの告知には、日時もリンクも必要です。初めて参加する人が迷わないように、場所や参加方法も分かりやすく書かなければいけません。

でも、それだけでは人が動かないこともあります。

そのイベントを誰が作っているのか。どんな雰囲気の場所なのか。初めて参加しても浮かないのか。主催者は何を考え、どんな人たちが準備しているのか。

そうしたものが少しずつ見えてきたとき、ただのお知らせが、行ってみようかなという気持ちに変わるのだと思います。

『クロスロード』の撮影では、開始時間の10分ほど前になると、早めに現場へ来たメンバーが少しずつ集まってきます。

そこでいきなり撮影の確認を始めるのではなく、最近あったことを話したり、軽く冗談を言い合ったりする。ほんの短い時間ですが、その談笑があることで現場の緊張が少しほぐれ、メンバー同士のコミュニケーションも取りやすくなっていきました。

僕は、あの時間がけっこう好きでした。

ドラマの撮影は、撮影開始の合図が出た瞬間だけで作られているわけではありません。その前に少し話し、笑い、場の空気を整える時間があるからこそ、撮影に入ったときの動きや声にも変化が出る。

けれど、完成した映像には、その10分間は映りません。

ドラマの撮影では、数秒しか使われない場面でも、カメラの向きや出演者の配置を変えながら、同じシーンを何度も撮ることがあります。正面から撮ったあとに横から撮り、今度は人物の立ち位置を少し変えて、もう一度同じ芝居をしてもらう。

視聴者が見るのは、編集された一つの場面です。

でも、その短い場面の後ろには、撮影前に交わした会話や、何度も位置を調整して撮り直した時間があります。

僕にとって『クロスロード』は、完成した映像だけでできているわけではありません。画面には残らなかった時間も含めて、一つの作品になっているんです。

だから最近は、告知というより、場の気配を伝えることが必要なのではないかと考えるようになりました。

何を準備しているのか。なぜ、このイベントを開くのか。そこにはどんな人が関わり、どのような時間が流れているのか。そして、自分は何を届けたくて、その場所を作っているのか。

毎回すべてを説明する必要はないと思います。ただ、同じ日時とリンクを何度も流すのではなく、少しずつ違う角度から、その場所にある温度を見せていく。

それなら告知も、作品やイベントから切り離された宣伝ではなく、その活動を伝える物語の一部になる気がしています。

口コミだけには任せられない

イベントを楽しんでもらえれば、自然と口コミが広がるという考え方もあります。

僕も、参加してくれた人から感想をもらえると本当に嬉しいです。自分たちだけでは分からなかった魅力を言葉にしてもらえることもあり、その感想に救われたことは何度もあります。

ただ、楽しかった人が全員感想を書いてくれるわけではありません。

その場で十分に楽しみ、満足したまま日常へ戻る人もいる。それは当然のことで、参加者に宣伝まで求めるべきではないと思っています。

良い体験がなければ口コミは生まれませんが、良い体験を作れば自動的に広がるわけでもない。

だから主催者や制作者は、参加者の言葉を待つだけではなく、自分でも活動を語り続ける必要があります。

ただし、それは同じ言葉を大きく叫び続けることではありません。

準備の裏側を伝える日があってもいいし、初めて来る人が不安に感じそうなことへ答える投稿があってもいい。出演者やスタッフの思いを紹介したり、前回のイベントで感じたことを書いたりする方法もあります。

伝える角度が変われば、同じイベントでも、別の人に届く可能性が生まれます。

数字を見ながら、数字だけを見ない

イベントを開けば、来場者数や同時接続は気になります。SNSに投稿すれば、インプレッションや反応も確認します。

僕も数字はかなり見ます。反応が少なければ普通にへこみますし、予想以上に届けば嬉しい。

だから、数字なんて関係ないとは言えません。見てもらえなければ、どれだけ時間をかけた作品でも、誰かと出会うことはできないからです。

一方で、数字だけを追い始めると、語りたいことよりも反応されやすいことを優先するようになります。届きやすい言葉ばかりを選び続ければ、少しずつ自分の活動から離れていく感覚もあります。

数字を無視しない。でも、数字にすべてを決めさせない。今の僕は、その間を探しています。

AIを使えば、告知文の案を作ったり、違う切り口を増やしたりすることはできます。僕も実際にかなり助けられています。

ただ、現場のどの瞬間に自分の心が動いたのか、何を今伝えるべきなのかを最後に選ぶのは、自分でありたい。

どの場面を拾うかまで任せてしまえば、文章は整っても、自分が本当に伝えたかった温度から離れてしまう気がするからです。

また行きたいと思ってもらえる場所へ

結局、一番強い告知は、参加した人にまた行きたいと思ってもらえることなのだと思います。

とはいえ、これは言葉で書くほど簡単ではありません。

楽しいだけでなく、初めての人も入りやすい空気を作る必要があります。常連だけで固まりすぎないようにしながら、いつも来てくれる人も大切にしたい。出演者やスタッフが安心して動ける環境も必要です。

イベントは、主催者だけでは完成しません。

出演する人、支えてくれる人、参加してくれる人、たまたま見つけて立ち寄ってくれた人。その場にいる人たちの反応によって、予定していたものとは少し違う空気が生まれます。

メタバースドラマも同じでした。

画面の中でアバターが演じていても、そこには人がいます。声の揺れがあり、緊張があり、想定していなかった間や、偶然生まれた温度があります。

だから僕は、『クロスロード』もProject Aliveも、一度見られて終わるものにはしたくないのだと思います。

誰かの記憶の中に少し残り、何かのタイミングでまた思い出してもらえる。その積み重ねの先に、メタバースドラマという文化が少しでも残ったら嬉しい。

少し大きなことを言っているのかもしれません。

告知の仕方を変えたからといって、本当に届くようになるのかは分かりません。思ったほど反応がなく、また迷う日もあると思います。

それでも、日時とリンクだけを繰り返すより、その場所で何が生まれようとしているのかを伝えてみたい。

撮影の10分前に交わした会話も、数秒の場面のために何度も繰り返した撮影も、完成した作品からは見えない。でも、僕にとっては、そういう時間も作品の一部です。

うるさくなっていないかを気にしながら、それでも黙っていたら伝わらないことも分かっている。

だから今は、告知の回数を増やすよりも、そこにいる人の気配をどう伝えるかを考えてみたいと思っています。

それで本当に誰かに届くのか、まだ答えは出ていません。

ただ、少なくとも僕は、こちらを試してみたい。


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