”魅力的なキャラ作り”を褒められる商業漫画家の考える、キャラが重視される理由【通る企画のキャラレシピ】
こんにちは、漫画家の9℃です。
漫画において、一番重要なのはキャラクター。
…そんな言葉、編集者さんやプロ漫画家さんが仰っているのを見聞きしたことがありませんか?
どうやら、そうらしいんです。
漫画編集部は基本的に「魅力的なキャラクターを描ける人」を求めます。
それがプロになる一番の近道であり、作品を掲載してもらうためのほとんど必須の条件となります。
以前のネーム記事にて、漫画の面白さは「作劇力×演出力」で決まる…という話をした通り、キャラ作りとは作劇力の一要素です。
その記事で「作劇力を短期間でレベルアップするのは難しい」と書いている通り、一朝一夕で急に魅力的なキャラクターが描けるようになるものではない…というのが私の見解。
ちなみに前回記事でもお伝えした通り、私は「魅力的なキャラ作り」を褒められ11年やってきた商業漫画家です。
はっきり言ってキャラ作り以外に胸を張ってアピールできる能力は仕事量の安定感ぐらいのもんです。キャラ作りは身を助ける。
私自身はもしかして「天才だから」「なんとなく」キャラ作りができる人かもしれません。
けれど、才能やセンスと呼ばれるものは創作活動においては「個性のひとつ」でしかなく、漫画家のことを天才でなければプロとしてやっていけないような仕事だとは思っていません。
魅力を生み出す構造を知り、現状の自分の課題を細かく見極めることができれば、上達が可能であるとも考えています。
そこで今回記事では、
キャラクターの魅力って、そもそも何?
キャラを立たせるって、どうやるの?
私はストーリーや世界観で勝負したいんだけど…
キャラ作り、どこから始めればいいんだ!
などのつまずきやすそうなポイントについて、自作品や他の有名作品などを例に挙げながら解決のヒントをお話したいと思います。
「描く側」の人間としての目線で出来る限りの再現性を目指して言語化・体系化していきます!
キャラの魅力=意図的なズレ
まずは大前提、キャラクターの魅力とは…?を定義しましょう。ズバリ、
「キャラの魅力とは、ズレを持っていること」 そして、
そのズレをうまく演出できているか によって決まります。
詳しく説明していきます。
物語の本質は”旅”、キャラの本質は”ガイド”
でっかい話になりますが、そもそも人が物語を求めるとき、何を期待しているのか?という根本に立ち返ります。
もちろん個人差があるでしょうが、大まかに言うと人は
「理解・想像しうる範囲で、未知を追体験したい」という欲を持っているのではと思います。
自分だったら歩まない・歩めない人生を、面白おかしく繰り広げる人たちがいる。それを外から眺める楽しさ、描く楽しさから物語が生まれたのだと。
読者は、キャラの目を通して物語の世界を見て、キャラの行動を通して物語の世界を歩きます。
そう楽しむために、キャラには「このキャラが、私(読者)を楽しいところへ連れていってくれる」という期待を持たせる力が必要になります。
そしてそれが、キャラクターの魅力を重視する理由そのものです。
嫌じゃないですか、つまんないとこばっかり連れていく旅行ガイドさんとか。しかもできれば、一緒に歩いてて楽しい人がいいですよね。
ズレの設計で”ストーリー”が生まれる
ズレとは「普通に考えたら、こう」という予想を裏切ることです。
漫画家って独特の感性を持った変な人の方が向いている…みたいな印象があるかもしれませんが、半分間違いです。尖った感性も武器になりますが、
漫画家は「普通」も知っていた方が強いんです。
多くの人は、「普通なら」こういう状況でこういう行動をとる
→ここでキャラが「普通と違う」行動をとると、ズレがあっておもしろい!
ここで初めて、読者が「知らないところに連れていってもらえる」楽しさを味わえます。物語が生まれる瞬間です。
もちろん、ただ予想を裏切り続ければいいわけではありません。
裏切り方に「キャラ自身にとっては当然の行動である」と感じられる納得感、そして「このキャラはこういう考え方だからこう動く」という法則性が見えてくることで、読者は同じ作品から得られる楽しさを学習し、「もっと続きを読みたい」と思ってくれます。
その納得感と法則性を支えるのがキャラの役割であり、
ストーリーの役割はキャラを際立たせるためのズレを設計する舞台です。
ケーススタディ:『目黒さんは初めてじゃない』
自作品を例にあげるの恥ずかしいんですが…
冒頭、せめて3ページ目くらいまでには「このメインキャラはこういうところがズレていますよ」というのを演出できると強い、という話をします。
目黒さんの1話冒頭3ページ、こちらになります。



絵とかの拙さはさておき、こちらの「掴み」の評判は編集さん方からとても良かったです。
「こういうことを言えてしまうヒロイン」との恋が始まる瞬間。続き、気になりますか?
読者は忙しいし、楽しみ方がわからないとすぐ帰っちゃいます。
期待しうるズレを最速で提示し、魅力的なキャラのガイドで興味を引くことで、読み進めてもらえるようリードする必要があります。
キャラ立ち=選択の偏り
魅力の正体とキャラ・ストーリーの役割が分かったところで、もう少し詳細に詰めていきましょう。
先ほど「普通に考えたら~を裏切る」という話をしましたが、実際は
普通の性格、なんてものは存在しません。
誰しも考え方にクセがあり偏りがあり、それが行動にも現れます。
いないんですよ。ど真ん中の人とか。
ど真ん中があるとしたら、それは「周りに気を遣い、表面上あえて調整している」状態の人です。
現実の社会で「ど真ん中調整」は優秀なバランサーとなり得る資質ですが、物語においては「キャラが立っていない人」とジャッジされます。
納得感と法則性をキャラで支えよう!と前述しましたが、それは
ど真ん中から、どの場所にズレているかの座標を決めるということ。
それが、キャラ作りの本質です。
極端な話、どんなタイプの性格であっても魅力的なキャラにすることが可能です。ズレに応じたストーリーを用意すればいいからです。
ただ商業でやっていく上で、流行りの主人公像やジャンルごとに求められやすい行動パターン、作者自身の動かしやすさ傾向などによってある程度の偏りが発生します。
人間ドラマは”ありきたりを、寄り道でずらす”
私自身がヒューマンコメディ中心の漫画家なのでそちらの話に偏りますが…
人間ドラマって「わざと話をややこしくする」ようにできていますよね。
出会って恋して結ばれてハッピー!という話なら、1ページで描けます。
けれど、大抵の場合もっと長く描きます。
あらすじをまとめれば、どの作品も大体出会って恋して結ばれてハッピー!だとしても。
みんな、見たいんですよね。その道中を。
魅力的なキャラたちが、偏った選択をしてしまう故になかなかうまくいかなかったり、逆に難しい課題をうまくくぐり抜けたりするところを。
最速最大効率をとらないことを楽しんでいるんです。
ストーリーの土台は、キャラさえ立っていればありきたりでもOK。
むしろ入り口のわかりやすさが読者を呼び、その上で選択の偏りがオリジナリティを生み出します。
創作活動をされている方の中には「オリジナリティを出すためには、すごい設定や世界観を思いつく必要がある」と考える方もいるかと思います。
間違いではなく、とても強い武器になります。(魅せる難易度は高い)
けれど実は、誰もが知っているような状況や展開の上でも、オリジナリティは発揮できる…という話でした。
ケーススタディ:『カノジョも彼女』
人気ラブコメ作品を例に挙げます。
あらすじ
主人公・直也は幼馴染ヒロイン・咲と交際スタートした直後に二人目のヒロイン・渚に告白されます。
直也は健気な渚の告白に真剣に向き合った結果「君とも付き合いたいから、咲に二股の許可を取りに行こう」と提案。渚もどうしても直也と付き合いたいため提案を飲みます。
咲は最初は拒否したものの、二股交際がスタートします。
文章で書くとヤバい展開すぎる…んですが、実際に漫画で読んでみるとかなり洗練された1話です。
まず、メインキャラというか作品の空気感そのものがちょっとアホ寄りです。大事なことです。現実感が強すぎると「二股」という状況への嫌悪感が勝ってしまうので。「この作品を読むとき、細かいことは置いとくんだよ」と読者に伝えておくことで、安心して楽しむことができます。
そして、短い中でのキャラ造形の演出も見事です。
ぶっ飛んだ選択と行動の連続でありながら「このキャラならこうもするか…」と受け入れられてしまう説得力があり、「次はどんなことするんだろう」とわくわくさせてくれます。
キャラ魅力を軸にした、固定観念からのずらし方と期待の煽り方が秀逸な作品でした。
キャラ主導の物語は、ネタ切れに強い
これは、キャラ魅力を重視した際の作者側のメリットの話。
創作を続けていく上でぶつかりやすい壁、それはネタ切れです。
魅力的なキャラが描けていると、ネタ切れを起こしにくくなります。
先に言ったように、選択の偏りはドラマを生みます。
ベタなテーマや展開も「彼らがやるとこうなる」という作り方をでき、またそれがちゃんと魅力を持つんです。
しかも、魅力的なキャラはありがたいことに物語を通して育ちます。
育ったキャラは、さらに新しいドラマを生み出してくれます。
”選択”と”感化”で展開が動く
キャラは偏った感性で思考し、行動します。
そして、また別の偏りをもった他のキャラと出会い交流し、感情を揺らし、ドラマを生みます。これが作話の大前提です。
このとき、キャラを描けている場合は「感化」が起きます。
他人の思考や行動に触れたことにより、自分の感性に揺らぎが生じ、パターンに変化が生じる、ということです。
感化のドラマを描けると「他者との出会いや交流」そのものに意味や旨味を持たせることができます。
これは、派手な事件やイベントを起こさずとも物語をエンタメとして成立させられる、とても強い武器です。
キャラを描くのが得意な作家さんの中には「このときキャラが勝手に動いた」と言う人がいます。
これは大袈裟ではなく、成長し感化されたキャラクターが、次の行動を自分で選んだかのように自然に頭に浮かんでくる…という状態です。
私も「まだ主人公が恋を自覚してるか定かでなかったんだけど、ヒロインにこう言われて咄嗟にキスした。ああ、もう好きだったんだなと思った」みたいなことがあります。
逆に「どうしてもこのシーンでキスしてほしいから、もう少し手前で気持ちを盛り上げさせないと」と、舞台装置を頑張って調整することもあります。
ケーススタディ:『アンパンマン』
言わずと知れた大名作。アニメの話をします。
まず前提として、アンパンマンは「ストーリーラインが毎話ほぼ同じ」ですよね。
子供を安心して楽しませるため、いわゆる「お約束」を丁寧に踏襲し、均質的な勧善懲悪コメディとして提供されています。
その中で、個性豊かなキャラクターたちの活躍により、エピソードごとの色を付けている「キャラ主導」のコンテンツです。
そんな中、時々趣向の違ったエピソードが存在します。
「ばいきんまん」と「マダム・ナン」というキャラクターのシリーズです。
ばいきんまんはみんなに迷惑を掛ける敵キャラですが、マダム・ナンはそんなばいきんまんを「優しい」と評価して受け入れる数少ないキャラです。
非難し成敗しようとしてこないマダム・ナンに対し、ばいきんまんはうまく普段のヒールっぽさを発揮できません。居心地が悪く逃げ帰ろうとするも、お土産にカレーやナンまで持たされてたじたじ。
…というエピソード、すごくかわいくて楽しくて好きなんです。
普段の勧善懲悪の流れとは違う、けれど確かにアンパンマンの世界観の優しさやテーマ性は同じ。
そしてこのエピソードは、恐らく「物語が長く続いたからこそ生まれた回」であるところが素晴らしいなと思います。
ばいきんまんも、誰にどう接されるかによって行動が変わる=感化される。
それによって生まれるエピソードがあり、物語に深みが増す好例です。
実践!通る企画のキャラ作り手順
ここまで、
・キャラ魅力が必要な理由
・キャラ魅力の正体 についてお伝えしてきました。
ここから実践編です。
で、どうやったら魅力あるキャラ…っていうか
企画が通りやすくなるキャラを作れるの!? というところが気になりますよね。
私はキャラ作りがなんとなくできてしまうタイプですが、今回はそんな私も
「意図的に、企画が通りやすいようにキャラを作りこむ」ときに使っているレシピを紹介します。
つまりは「目的を意識したキャラ作り手順」です。
①ジャンル/モチーフ
まず、描きたいジャンルやモチーフを決めます。
ラブコメだとか学園ものだとかオカルト寄りとか、大まかで問題ありません。
ここでは、読者層のアタリをつけることが一番の目的です。
何を楽しめる人に向けて描きたいか、ということですね。
②サービスシーンの内容
見どころとなるシーンを想定します。キャラ作りはまだ早い!
連載であれば、毎話必ずこういうシーンを見せて読者を喜ばせるぞ、という内容を考えます。読切でも基本的には同じ。
見どころは大中小くらいに分けて確保したいです。量比率は2(クライマックスやオチの大ゴマ):3(展開の揺れやドラマで魅せるシーン):5(普通にしてても好感や興味を持てる演出)くらい。
③関係性
サービスシーンを成立させるために都合のいい関係性を決めます。
たとえば、ラブコメで「距離感バグってるかわいいヒロイン」のシーンをたくさん描くぞ!となった場合、
「小さい頃に海外に行ってしまった幼馴染がお隣に帰ってきて、しかも小さい頃の結婚の約束を忘れていなかった。海外暮らしでスキンシップも過多になっている」みたいな設定を作ると、想定したサービスシーンをたくさん出しやすいですよね。
逆に「同じクラスだけど話したことのない内気な美少女」をヒロインにしてしまうと、想定したサービスシーンと結びつけにくく、描いたとしてもキャラのブレから違和感が発生します。
②と③を考える順番は逆にしても構いません。
が、「自分はこの関係性や距離感に萌えるけど、お話が地味と言われてしまう」ことに悩んでいる作家さんなどの場合は、サービスシーンを先に決めてから「それを叶えてくれる中で、自分が好きだと思える関係性」を探すことをオススメします。
④表面的性格(行動パターン)
いよいよキャラ作りっぽい段階へ。
まず決めるのは、行動や発言、表情などの表面的性格です。
③までに想定した状況を活かしやすいキャラクターを当てはめます。
実は③までがうまく固まっていると、選んでほしい行動は消去法的に決まってきているのであまりここで悩まずに済みます。
距離感バグヒロインの例で言えば「すぐに抱きつく、明るく無邪気、一途」などのイメージが浮かびます。
これは応用編なので読み飛ばしてもOK。
より印象的な”ズレ”を付与することで、さらにキャラ魅力を引き上げることが可能です。
矛盾しない範囲内で、基本的な性格から少しだけ行動ルールをずらす…という方法です。今回の例で言えば、明るく無邪気でスキンシップの多い子が
実は完全に無邪気ではなく、ドキドキしてほしくてくっついてるんだよ?と1シーンだけ大人っぽい笑顔で言ってきたら、グッと来ます。来ますね!
このあたりはいくらでも調整できるので、ぜひ「嬉しさ」のインプットによって武器を増やしていきたいところです。
⑤内面的性格(動機パターン)
ちょっと難しいポイントです。
失礼ながらキャラクターが弱いな、と感じる作品のキャラには、ここが欠けていることが多いように思います。
「行動」に「動機」がないんです。
もしくは、他人目線で外側から見た評価や性格(モテる、無愛想、賢いなど)のみを設定し、自分目線で内側から見た思考のクセを設定できていない、とも言い換えられます。
④までに設定した行動を裏付ける中身をある程度固められると、キャラのブレが少なくなり、どんな場面においてもキャラらしい選択をさせられるようになります。
また、⑤を固めることにより、作品内における長期的な「感化」の課題(テーマ)作りもしやすくなります。
距離感バグヒロインが「実は海外生活にうまく馴染めず、主人公との約束だった結婚だけが心の支えだった」「主人公とずっと一緒にいないと不安だしくっついちゃうけど、結ばれてたくさん愛されている実感を得始めたことで安心し、友人が増えたり依存も減りつつ愛情深さは変わらない素敵なヒロインになっていく」など。
今、何が足りていないのか・何を求めているのかを内面として設定できると、衝突やすれ違いも不快感なくエンタメに昇華できます。
⑥パワーバランス調整
最後に調整をします。意外と大事。
何かと言うと、人間ドラマにおいては「主導権を握る側も、時々負ける」ことが旨味になり得ます。
無敵のスパダリヒーローが、ヒロインの予想外の行動や発言に毒気を抜かれてキュンとする…みたいなシーン、良いですよね。
つまり、キャラを作るときには「たまに負ける余地」を残しておくことが大事です。
この余地がないと、感化も起きづらいので。
距離感バグヒロインなら「向こうから触られると動揺して照れる」とか。
これはヒロインに脆弱性を付与するだけでなく、男主人公の性格をヒロイン特効に調整することも可能です。
「普段はスキンシップされても素っ気なく振りほどくのに、本当に不安で泣きそうなときには察して優しくしてくれる」とか。良い!
あまりに難攻不落のキャラクターを作ると、何話進めても恋愛に発展しない…ということもままあります。
私は時々そういう作品を描くし、それはそれでいいんですが…
何を描きたいかによってバランスをとれると有利です。
ここから、私の実際に行ったキャラ作り手順の紹介です。
上記例とは順番が違ったりするので、こういうこともできますよ程度に。
ケーススタディ:『目黒さんは初めてじゃない』
①ジャンル/モチーフ
ラブコメを描こう!なんか非処女って下げられやすいから、非処女が愛される話が描きたい
②関係性
経験格差カップル描きたい。男の子がウブで恋愛経験ゼロで噛み合わない
③サービスシーン
ヒロインが性に奔放というか感覚がずれてる、というところを面白さにしたい。その上で、それをラッキー!ってするんじゃなく受け止めつつ大事にしていきたい旨を伝える主人公とのやりとりが描きたい
④⑤表面的&内面的性格
何を考えているかわからないヒロイン。交際や異性交遊を重く受け止めていないし、あまり人の目を気にしていないが主体性に乏しい
ウブで自分に自信がなくコミュニケーションが苦手だけど、自分なりの考えや誠実さは持っていて咄嗟に行動したり発言もする
⑥パワーバランス調整
ヒロインは、主人公のまっすぐな想いとやさしさ、自分を尊重してくれる態度に少しずつ心を開いていき、これまで目を向けていなかった自分の内面とも向き合いはじめる
『目黒さんは初めてじゃない』は漫画よりも先にらくがき小ネタのようなものを描いたので「こういう関係性いいですよね」くらいのスタートです。
漫画にする際に、改めてどういう話の軸にしていくかを考え整えました。
ケーススタディ:『推しの声帯拾いました』
①サービスシーン
かわいいヒモ男子が描きたい!!!!!!!!!!!
ヒモが家にいる生活フィクション描きたい!!!!!!!!!!!
②表面的性格
いつもご機嫌で家事とか時間があればできることを進んでやって、お金がいるようなことはちゃっかりおねだりする。舐めている。
③関係性&表面的性格(主人公側)
ヒモにイライラしつつ、なんだかんだ追い出せない女主人公。
責任感があって面倒見がよく、でもちょっと寂しさがあってまっすぐな愛情表現に弱い
④ジャンル/モチーフ
社会人。ヒモの存在をポップにするために推し活をテーマに。
恋愛スタートにしないために「推してたのは声だけ」=声優キャラに
⑤内面的性格
ヒモをやってる理由を小出しにしていく
今回はヒモ解消を目指すので、感化されて社会復帰する見込みを残しておく
『推しの声帯拾いました』は、こういう好きなキャラ造形があるんです!!というプレゼンから始まった企画なので、通常パターンとはかなり順番が違っています。
こういうキャラ魅力を伝えるために活かせる企画を考える…というやり方も場合によっては可能、という例です。
仕上げ:キャラクター魅力を増すには?
最後に補足ですが、一番大事なところです。
作ったキャラ、なんか弱いって言われたな…
活かし方を工夫って言われても、どうすればいいんだろう…
というとき、このポイントを押さえられているかチェックしてみてください。
・魅力=興味を引き続ける力があるか?
選択の偏りが生む意外性で、これからを期待させられるか。
もしくは「どう行動しそうか」を予想されるわかりやすさがあって尚、何度も見に来たくなるおもしろさが提供できているか。
・キャラに”通常時”と”非常時”を設計できているか?
いわゆる「ギャップ」と呼ばれる概念です。
表面的性格作りの説明でも少し触れましたが、予想からほんの少し外したズレを用意できると強いです。
特にそれを「主人公にだけ見せる一面」などの”非常時”のみの発動条件を設計できるとさらに良いです。
・一話分の中に”スイッチを押した感覚”がないなら弱い
上記の”通常時”⇔”非常時”を切り替えるスイッチを押せているか、というのは、そのままエンタメとしての取れ高(クライマックス)を作れているかどうかを意味します。
キャラの「親密になり始めたことで見せてくれた別の一面」を話の中に入れられていない場合、印象が薄くなってしまいます。その場合は、
・スイッチを浅いところに置き直す(少しチョロくする)
・スイッチを押せる力を得る(相手キャラの性格を変更し相性をよくする)
・スイッチの個数を増やす(ストーリー展開にチャンスをばらまく)
などの調整をする必要があります。
・キャラ、ストーリーの違和感は”動機づけの甘さ”
そもそも、キャラが「弱い」ではなく「ブレてしまう」段階の方も多いかもしれません。
キャラの行動と内面に矛盾がないよう組み立てるというのは、高度な判断が必要になってきます。
担当編集さんなどいらっしゃる場合は、ぜひ相談を仰いでください。誰も「普通」ではないですが、複数人の意見を混ぜるとある程度は「こういう人はこうする」という共通認識をすり合わせることができ、矛盾が減ります。
そして、キャラのとった行動について、後付けでいいので動機を説明できるように努力してください。
「キャラはここでこう考えてたと思う」を言語化できたら「あれ…じゃあ、こう動くよりもこう動いたほうが自然か?」と気づけることも増えます。
「誰もが何かを考えて行動していて、その結果が展開になる」
「キャラは展開をなぞる存在じゃなく、展開をずらして決める存在」
これを常に意識できるといいかなと思います。
誰かにネームや漫画やキャラを見てもらいたいけど…という方、よかったら
skebにてアドバイス依頼を募集しているので、ぜひ応募してください。
どこに意見を貰いたいかなどお伝えいただければ、改善ポイントを一緒に考えさせていただきます!
基本はネームの演出特化ですが、キャラ魅せ演出のアドバイスも可能です。
https://note.com/kudo_9c/n/n7b8c1a5e3344
こちらのセクション内容は、またいずれより詳しく扱いたいなと思います。
まとめ
だいぶがっつり書きました。疲れてませんか…?
今回は、なぜキャラクター魅力は重要なのか、キャラクター魅力とはどうやって演出するものなのか…というところをお話しました。
自分の話になりますが、私は昔から人が好きです。
それも、お恥ずかしいんですが…関わるというよりは「人を観察する」のが好きなんです。
それこそ小学生の頃から社会人に至るまで、身近なコミュニティに所属する魅力的な人たちをキャラクタライズし、こっそり創作活動を楽しんできていました。
本人たちからすれば必ずしも気持ちの良い行動ではないと思うので、墓場まで持っていくべき所業ではあるのですが…
それでも、恐らくそれらの行動が「キャラ作りを褒められる」私の土台となっていることは疑いありません。
人のかっこいいところ、かわいいところ、尊敬できるところ、自分と合わないと感じるところ…
全部を見て、愛して、ペンを動かせることが「キャラを魅力的に描く」に繋がるんだろうと思います。
急にできるようになるお約束はできませんが、ぜひそういうところからもアプローチしていただけたら嬉しいです。
次回予告
キャラクターの作り方の話をしてきましたが、もちろんそれだけでは回っていかないのが商業連載です。
キャラ作りができると「通る企画を作れる」「読者を楽しませられる」のですが、
イコール「作品が売れる」「連載が続く」とは限らないんですよね。
しかも当然あります。連載がすぐ決まらないときも。
没をくらいまくり、貯金が減ってくる不安と焦り…ちょっと覗いてみませんか?
ということで次回テーマは
無連載期間と経済危機のリアル
です。
自称「ヒットしなくても終わらない作家」…なんだけど、ギリギリのところで踏ん張ったりもしています!
「終わらない」ための意味のある足掻き方、取捨選択の判断についてお話します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみに!
9℃
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ありがとうございます!これからも頑張ります。