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「人を健康で幸福にするものは何か」というハーバード大学の研究は日本人に何を示しているのか

1938年、アメリカは世界恐慌から立ち直ろうとしていた時期、日本は昭和13年でちょうど日中戦争勃発の翌年、ハーバード大学の医療部門のアーリー・ボック(Arlie Bock)博士が、「人生では何が人を幸せにし、何が健康にするのか」という疑問を明らかにする研究が始まり、現在に至るまで史上最長の90年近くもの長きにわたり続けられています。

「ハーバード成人発達研究(Harvard Study of Adult Development)です。

人生全体を追求することを目的として、
病気や身体機能などの健康状態、
ストレスや満足度などの心理的幸福度、
家族や友人などの人間関係の質と構造、
職場や生活状況の変化、
結婚や離婚、子育てや仕事の成功などのライフイベント
などを数千人から面談してデータ化し、どの要素が幸福度や健康に強く関係しているのかを分析しています。


<これまでに明らかになったこと>

「幸せな人生は、いい人間関係で築かれる(The good life is built with good relationships)」

4代目の研究責任者ロバート・ウォールディンガー教授は、

「私たちを健康にし、そして幸福にするのは、富でも名声でも、懸命に働くことでもない。
いい人間関係がすべてである。

と述べています。

多くの人が、「成功すれば幸せになれる」と考えがちですが、お金や地位、健康的な食生活や適度な運動などの生活習慣よりも、友人や家族との信頼できるつながりの方が、人の幸福や健康に圧倒的に強く影響されると言うのです。

それは、人間関係の数の多さではなく、「どれだけ深く信頼できる関係か」という質が最も重要なのだと結論付けています。

温かく思いやりのある良好な人間関係の中で生きている人は、
老化のスピードが遅く、
脳の記憶力や認知機能も長く保たれ、
心臓病や糖尿病、関節炎などの発症リスクが低いため長生きでき、
逆にいくら多くの人間関係を持っていても、
争いが絶えず、
愛情の希薄な関係の中にいると、健康には悪い影響を与えるのです。

また、慢性的な孤独感を抱えている人は、幸福度が低いだけでなく、孤独感が「毒」として働くために早く亡くなってしまう傾向にあるようです。

このように、「人と人とのつながりこそが、幸福のカギ」となっているのです。

<日常生活へ応用>

より良い人間関係を築くために出来る事は何かを考えてみます。

〇 家族や友人との時間を意図的に増やす。

〇 SNSなどでの関係よりも、実際に深い対話ができる関係に重きを置く。

〇 信頼できる人とは、定期的に連絡を取り合う。

〇 地域のコミュニティやクラブ活動に参加して新しい人間関係を築く。

〇 ボランティア活動を通じて社会と関わる機会を増やす。

〇 職場では、オープンなコミュニケーションを促進し、ストレス軽減の仕組みを作る。

〇 オンラインでも、カジュアルな交流時間を設ける。

〇 チーム間でフィードバックできる雰囲気づくりをする。

〇 社会も、高齢者への訪問支援サービスや支援プログラムを強化する。

〇 学校も、いい人間関係を築くスキルを教える。

〇 精神科や心理カウンセリングで、孤立を軽減するプログラムを提供する。

〇 孤独を減らす支援を予防医療の一環として取り入れる。

〇 カウンセリングアプリや孤独感軽減アプリ、趣味の人同士をつなげるマッチングアプリなどを開発する。

など、まだまだありそうです。

<日本に当てはめた場合>

日本の現状はというと、2024年の警察庁の統計によると、自宅で死亡した一人暮らしの方は、7万6020体で、全体のなんと37.2%に上るということです。

同年の内閣府の調査では、時々なども含めて約4割の方が、孤独感があると回答しています。

以前の私の記事でも、2025年の日本の幸福度ランキングは、148か国中55位です。

又、イプソス幸福度調査の2025年版では、30か国中27位と、こちらも低迷しています。
ちなみに、2024年は29位です。

https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2025-04/Ipsos-Happiness-Index-2025-ja.pdf

この調査によると、自分が幸せだと感じている人は、60%しかおらず、平均の71%を大きく下回っています。

幸せを感じる要因として、「家族との関係」がトップで、「感謝されている、愛されていると感じる」が僅差で続いていますが、友人などはトップ5にも入っていません。

つまり家族への依存が高い反面、友人や職場、地域とのつながりなどへの広がりがないということです。

これらのデータが示すように、日本人の孤独感はとても深刻だと言えます。

日本には「本音と建て前」という独特の文化があります。これは相手を傷つけないようにするコミュニケーション手段の一つであり、社会的な調和やビジネスを円滑に動かしたりしています。

しかし、一見良好に見える人間関係も、本音の部分では本当に信頼して頼れる関係ではないことが多いのです。

また、日本には「迷惑をかけたくない」という考え方もあります。

美徳に思えますが、助けを求めることへの心理的障害となることもあり、質の高い関係である「困ったときに頼り合える関係」には届いていないと言えるかもしれません。

最近の働き方改革においても、期待とは裏腹に現場では、テレワークの増加で対面でのコミュニケーションが減ってしまい、孤独感が増してしまっています。

厚生労働省のデータによると、
「人間関係が良好になった場合は、労働時間が増えても働きやすさが向上」しているのに対し、
「悪化している場合は、たとえ労働時間が減ったとしても、働きにくさが増す」という結果になっています。

つまり、今の働き方改革は、時間だけを削減しており、人間関係の質は犠牲になっていると言えるのです。

職場では、雑談などの非公式な交流の機会をつくり、単なる時短ではない質の高い人間関係を築くことができるようにする時間をしっかりと確保することが求められているのではないでしょうか。

弱音を吐いたり、助けを求めたりすることが恥じることなくできるような信頼関係を築いていくこと、それにはまず感謝の気持ちを言葉にしてしっかり伝えていくことから始めなければいけないと思います。

私も感謝の心がいかに大事かという記事を書いています。

生きていく上で、つながりをもっと大切にしていけば、もう少し孤独死も減り、幸福感も上がるのではないでしょうか。

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これからもよろしくお願いします。

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