経費削減の方法
前「店長の仕事シリーズ」の「お店の数字のつくり方」と言う記事で、店長として会社の収益を上げるための方法について触れました。
この時お話ししたように、「収益を上げる」ためには、「売上を上げる」か、「経費を下げる」かすればいいということです。

数式に数字を入れて比較してみるとわかりやすいですね。
Bは売上を上げた場合、Cは経費を下げた場合です。
どちらも収益が上がっています。
本来なら、これは両方同時進行で行わなければならないことですが、今回は「経費を下げる」ことに絞ってお話しします。前回の記事では店長目線でしたが、「中小企業にとって何をすべきか」を念頭にしています。
<現状把握>
まず経理から回ってくる財務諸表のうち損益計算書を見て、どこに、どんな費用が、どれくらいかかっているかを調べます。現状を把握するのです。
固定費、変動費、売上原価など項目別に分類してみていくと作業しやすいでしょう。
<固定費>
固定費は、売上が多い少ないにかかわらず、毎月一定の金額が必ず発生するものです。
オフィスの家賃がもう少し安いところはないかとか、もう少しコンパクトでもいいのかなど家賃は結構重くのしかかっているので検討すべき経費です。
在宅勤務を増やしたり、オンライン会議中心にすると、オフィスも縮小できたり、交通費の削減になったりする場合もあるでしょう。
電気代は電力会社を切り替えると安くなる場合があります。
調べてみるのもいいでしょう。
固定電話に使っていない無駄な回線があれば解約したり、携帯電話のプランを見直したり、格安SIMを導入したりすると費用を安く抑えられるかもしれません。
使用していないソフトウエアのライセンス契約があれば解約してしまいましょう。
効果のない無駄な広告はなくしてもいいか検討すべきです。
保険も古くて実情に合わないものや重複しているものは整理しましょう。
<人件費>
人件費も毎月一定額発生する固定費です。
経費の中でもかなりのウエイトを占めています。
経費削減というと、すぐに給料カットや人減らしなどのリストラをしようとする人がいますが、安易にすべきものではありません。
これは最後の最後、これをしないと会社がつぶれるという最終段階でないとすべきではありません。
従業員も納得しないでしょう。
会社は他にやるべきことがいくらでもあるはずです。
経営者は従業員の生活の安定の責任も担っているのですから。
経費は減っても従業員のモチベーションが下がってしまうと売り上げアップどころか下がってしまい、お客様も離れる結果につながりかねません。
先ほどの図のDのように、結局収益は下がってしまうのです。
ですから、人件費は削減するのではなく、効率化を求める方向で考えるべきものです。
経理や顧客管理、在庫管理など、自動化できる作業はできるだけコンピュータにやってもらいましょう。
外部委託と言う方法も検討に値します。
パートや人材派遣、契約社員など雇用形態を多様化するなど柔軟に対応するといいでしょう。
<変動費>
売上や業務のボリュームによって毎月増減するのが変動費です。
コピーや印刷の紙代やインク代は、デジタル化を進めることができると削減できます。
無駄な会議を減らしたり、何段階もある許可承認のプロセスを簡略化するだけでも残業が減るなど時間的、経費的、精神的に好影響となるでしょう。
仕入れについても複数社から見積もりを取ったり、決まった仕入先でも定期的にも直したり、まとめ買いや長期契約で値引きを引き出したりできれば価格、つまり経費は下げることができます。
<在庫>
財務諸表のうち、貸借対照表の商品欄の額が、売上に比べて大きすぎませんか。
アイテムごとに適正在庫を調べてみましょう。
多すぎて明らかに不良在庫になっているものは早急に処分しましょう。
抱えていても資金繰りを圧迫するだけです。
少々無理をして安くしてでもなくしていくべきです。
仕入れも売れ行きをチェックしながら見合った量だけにしなければなりません。
多めに安く買っても売れなければ不良在庫になるだけなのですから。
売れ残って捨てるようなことになれば完全に損失となって収益を圧迫してしまいます。
このあたりは仕入れ担当の腕の見せ所ですね。
<補助金活用>
公的機関からの補助金が活用できるものがないかのチェックも必要です。
支援を受けることができればコストを大幅に下げることができます。
<まとめ>

人件費のところでも述べましたが、経費削減は、単に経費を下げればいいというものではありません。
下手に経費を削った結果、逆に効率が悪くなって時間が多くかかってしまったりすると、間接的に人件費を増やすことになってしまいます。
これは数字を見ただけではわかりません。
またお客様に負担や迷惑をかけてしまうことになると、将来の売上までなくなってしまいかねません。
有能な人材がリストラでやめていくのは会社にとって大きな損失になるのです。
経営陣は目先の利益だけでなく将来的な安定利益確保も重要な責務なのです。
以前の記事もご覧ください。
また、こうした取り組みは会社の従業員全員が参加して、継続的な活動として定着させ、組織全体でコスト意識を共有することが重要になります。
そして削減した分は、インセンティブや新しいチャレンジなど、更なる価値の創造につながる分野に投資することで成長の好循環が生まれるのです。
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