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🏰10. 止まっていた配達所を回す少女|テキパキ

街角の配達所は、朝から大混乱だった。
荷物の山、散らかった伝票、入口まで伸びた行列。

店主は頭を抱えながら叫ぶ。
「うわぁー! 午前便間に合わん! 誰か手を貸してくれ〜!」

その時、
裏口の扉が勢いよく開いた。

「手伝いまーす!!」

元気な声と共に入ってきたのは、赤茶の髪のテキパキ。

「まず現状把握しますねっ!」

テキパキは一瞬だけ店内を見渡した。
荷物、伝票、行列。

「……あ、大丈夫です。回せます」

言うが早いか、テキパキは散らかった伝票の束を片手に動き出した。

急ぎ荷物には赤いリボン。
今日出ればいいものには青いスタンプ。
店受け取りには黄色の札。

瞬時に色分けを決め、その場で仕組みにしていく。

「青スタンプは左の棚、
赤リボンは入口側でいきます!」

店主が慌てて声を上げる。
「そ、それ今朝の急ぎ便だ!」

テキパキは振り返らない。
「はい。仕分け済みです!もう持ち出せますよ」

「……え?」
振り向いた時には、急ぎ便の箱はすでに入口近くに移動していた。

店主が呆然とする横で、配達所はすでに
“意味のある配置”に変わり始めていた。

店内がざわつく。

「なんだこの子……動きがすごい」
「仕事が……完璧だ……!」

「しかも……元気で愛想がいいな」

一時間後。

「……終わった……のか?」

店主は呆然として言う。

「……き、君は天使か何かか?」

テキパキは笑う。
「ただのメイドです」

そう言って、次の場所へ向かっていった。

その日から街では密かに噂が立つようになった。

──“配達所を立て直した子がいるらしい”。


#街で噂の双子


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