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暮らしの森|早く見せたい

この回は、モコがアツコにナップサックを作ってもらった帰り道のお話です。
🔙前回のお話はコチラ

新しいナップサックを背負ったモコは、
森の小道を弾むように歩いていた。

「かっこいいモコ!」

「ハヤト、びっくりするモコ!」

早く見せたくて、森を駆け抜ける足取りも軽くなる。

アツコの家からしばらく歩くと、
背の高い木々が少しずつ開けてくる。
ハヤトの家はもうすぐだ。

「ハヤトー!」

玄関の前で大きな声を出すと、扉が開いた。

「あら、こんにちは」

出てきたのはハヤトのお母さんだった。

「ハヤトいるモコ?」

お母さんは家の中をちらりと見ると、
少し困ったような顔で小さく笑った。

「あの子ね、今日は遊べないの」

「なんでモコ?」

「この前、森で危ないことをしてね」

モコは首をかしげた。

「勝手に知らない場所へ入って、おまけに変な物まで持って帰ってきちゃって」

お母さんはため息をつく。

「今、お父さんと約束してるの。
しばらく森の奥は禁止。
だから今日は遊べないのよ」

もこはその場で固まってしまった。

せっかく見せたかったのに。
褒めてほしかったのに。

モコはナップサックの肩ひもをぎゅっと握る。
それから小さくうなずいた。

「わかったモコ」

「また遊びに来てね」

軽く手を振ってハヤトの家を後にする。
帰り道は、来た時よりずっと静かに感じた。

「……」

とぼとぼと歩いていると、
足元にどんぐりが落ちていた。
モコはしゃがみ込み、そっと拾い上げる。

「あとでハヤトにあげるモコ」

ナップサックにどんぐりを入れると、
カサッと小さな音がした。

それからまた背中に背負うと、
モコは少しだけ笑った。

「手で持たなくていいモコ」

「また今度、見せるモコ」

そうつぶやくと、新しいナップサックを揺らしながら、ゆっくり森へ帰っていった。



暮らしの森には、いろんな住人たちの
物語が詰まっています。
(好きな順路で自由に散策してみてください)

順番に歩きたい方はこちら⬇︎

森のショートカットコース⬇︎


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