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01.境界と始まりの朝

朝が静かにほどけていく。
私はいつものように窓際の椅子に腰掛け、
一冊の本を手に取る。

ゆっくりとページを開くと、視界がやわらかく揺れ、霧の向こうに細い石畳の道が現れる。

左右に並ぶ木々が、まるでトンネルのように道を包み、その奥へと続いていく。

ここは──
この世界と『暮らしの森』をつなぐ、
境界のような場所。

本を開いた時に現れる、森への入口だ。


光のトンネルを進むと、向こう側の木の根元に『モコ』がいた。

寝ぼけ顔でしゃがみ込み、朝露に濡れた葉っぱを、ぼんやりとひっくり返している。

小さな風が吹き抜け、葉がカサカサと鳴る。

モコは顔を上げて、少しだけ目を細めた。

変わらない朝の光。
変わらない風。



私はそっとページを閉じた。
紙の手触りとともに、森の光景が遠ざかっていく。

黒猫のキキが「ニャア」と寄り添った。

森は息づき、今日がまた始まる。

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