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暮らしの森|モコのたからもの

ハヤトと一緒に冒険に出かけてから、モコはすっかり宝物集めが気に入ったようです。
🔙前回のお話はコチラ

森の空気は、まだ少しひんやりしていた。
葉の上で朝露が光を反射しながら揺れている。

モコは朝から一人、
森の中でしゃがみ込んでいた。

木の実に松ぼっくり、それから光る欠片。
両手に持って、嬉しそうに眺めている。

「きれいだモコ」

集めたものを手のひらに大事そうに抱えると、
ひとつひとつ袋に入れていく。

陽の光が高くなった頃、
袋はいっぱいになっていた。

袋の口からは、いろんな物が顔を出している。
形のいい葉っぱ、きれいな鳥の羽。

「いっぱい集めたモコ」

モコは大きな袋を抱えて歩き出す。

よいしょ。
よいしょ。

少し歩いてはひと休み。
また少し歩いては立ち止まる。

その様子を、道の端からマダム・ザマスが見ていた。

「モコ」

「あ! ザマスー!」

「その袋は?」

モコは袋の口を持ち上げて見せる。

「宝物だモコ」

マダムは袋を少しのぞき込み、静かに言った。

「たくさん集めたざますね」

モコは胸を張りながら答える。

「ぜんぶ一人で見つけたモコ」

「いいざます。
でもそれ、全部持って歩くざますか?」

モコはきょとんとする。

「持てる分だけにするざます。欲張った袋は、思ったより長く持たないものざます」

モコは袋を見て少しの間考える。

それから袋をぎゅっと抱えた。

「ぜんぶ大事モコ!」

モコはぷいっと口をとがらせる。

「ぜんぶ、ボクのだモコ」

「ぜんぶ、大事モコ」

そうつぶやきながら、そのまま歩き始めた。

マダムの姿が、木々の向こうに消えた頃。

「あっ、ここにも落ちてるモコ!」

モコはその場でしゃがみ込み、また夢中になって拾い始めた。

袋はどんどん膨らんで、気付けばもうモコの腕では抱えきれないほどになっていた。

「……おもいモコ」

モコは少し考える。
それから袋を地面に置いた。

ズルズル。
ズルズル。

「この方が楽だモコ」

ズルズルと引きずるたびに、
後ろで何かが転がる音がした。

家に着く頃には、森はすっかり夕方の顔になっていた。

「ふう。疲れたモコ」

額の汗を拭い、モコはようやく袋を開けた。

……ほとんど空っぽだった。

袋をひっくり返すと、
ころんと、ひとつ木の実が落ちる。

袋をつまんでみると、底には大きな穴。

モコは袋の底の穴を、しばらく黙って見つめていた。

「……宝物、なくなったモコ」





#モコ森


破れた袋のその後は……?
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