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syuka_sakura
残り香
時が止まる瞬間に、
自分が立ち会うことはできない。
だから人は、
天を見ながら弱音を吐く。
強がる気力もない。
動く顔を見ることができない。
声を聞き取ることができない。
誰かの問いに、
返事を残せない。
時が進む側の住人も、
同じ寂しさを抱える。
かたちあるものは、
静かに輪郭をぼかす。
問いは通り抜け、
息となって溶ける。
寂しさを抱えたまま
時のない世界へ。
時が進む生活へ。
それぞれが、
別れていく。
時が止まる瞬間に、誰かがそこにいる
その人の残り香と手の温もりが
いまも、教えている。
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