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幼稚園で一番最後にお箸が持てるようになった娘

「えっ!?そんなに急にできるようになるの?」
そんな驚きの瞬間、子育てをしているとときどき訪れます。

娘が通う幼稚園では、「年中さんになったらお箸を持ってきて、だんだん慣れていきましょうね」と案内されました。それでも、年少の終わりには8割近くのお友だちが補助具を使ったお箸や、普通のお箸でお弁当を食べていて、年中の始まりには、娘以外の全員がお箸を使っていました。

年中さんになって、いきなり使えなくてもいいんだよね?
私たちは焦ることなく、お箸を持つための準備と、あるタイミングを待っていました。

娘にはちょっとした不安があったようです。
私はお箸できない。と。
負けず嫌いだからこそ?なのか、できないと思うとあまりやりたがらない娘。そんな娘を見ながら、「大丈夫!信じて!」と励まし続けていきました。

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■ 無理に教えず、“段階”に合わせた準備を

私たちは、補助器具を使ったり、お箸を無理に持たせたりする練習はしていません。その代わりに、小さなステップを踏んできました。

具体的には、手掴み食べから、1歳2ヶ月ごろからスプーンへ。そして、成長発達に伴うスプーンの握り方を段階的に変えていく方法を取りました。

1.上握り(スプーンを上から握る)
2.下握り(スプーンを下から握る)
3.親指と人差し指が前に出た上握り
4.鉛筆持ち握り

これらは、特に強く教え込んだわけではなく、娘が自然と勝手に持ち替えていく形で変化していきました。
このステップの意味は、「握り方によって指の動きや、必要な前腕の回転運動が変わる」からです。つまり、それぞれの段階で、身体が発達しないとできない動きがあるため、早く持たせようとしても、物理的にうまくいかない時期があるんですよね。

ちなみに、鉛筆の持ち方だけは少し意識的に練習しました。お箸の上の一本の動かし方と、鉛筆の持ち方はとてもよく似ているからです。
それと指先をよく使う遊びはよくさせていました。

■ 突然訪れた“その瞬間”──ゴールデンタイム

そして、つい最近、5月に入ってその「時」がやってきました。
娘が「お箸、使ってみたい!」と自ら言い出しました。私たちはこの瞬間を「ゴールデンタイム」と呼んでいます。

「待ってました!」という気持ちでお箸を渡しました。

ところが、最初はうまく使えませんでした。
※ゴールデンタイム=すぐできるではないんです。やる気になった(興味が出た)タイミング=ゴールデンタイムと思ってます。
よく観察してみると、娘は前腕を外に回す動作(外回転)をうまくできていなかったのです。
お箸で掴んではいるものの、うまく口に運べていなかったんです。
前腕の外回転がお箸になってうまく感覚が掴めていなかったみたい。
そこで、肘をそっと押さえながら、前腕だけを外側に回転させる(お箸を持ったまま手のひら側を上に向ける)練習を何度か行いました。

■ わずか2日で“急にできるように”

するとなんと、そこから2日ほどでお箸が使えるようになったんです。

もちろん、できるようになるまでの日数には個人差があると思います。でも、多くの子どもにとって「できる瞬間は、ある日突然やってくる」ものです。

その瞬間のために、必要な発達や身体の動きを日常の中で少しずつ積み重ねておく。
それが、私たちが考える“準備”の意味でした。

■ 練習より、日常の中の「土台づくり」

今では、人差し指と中指でお箸をしっかり動かし、美しい持ち方でお弁当を食べています。

特別な練習を何ヶ月もしたわけではありません。
ただスプーンをしっかり持たせ、遊びや日常動作の中で身体の機能を自然に育てることを意識していただけでした。

だからこそ、お箸だけに限らず、あらゆる動作について「できない」ことを焦るよりも、「今はどこが育っている途中なのかな?」という視点を大切にしたいと感じています。

■ お箸だけじゃない、すべてに通じる“成長の見方”

プログラミング教育でも同じでした。「いきなり完成形を求めない」「段階を積む」ことで、結果的に遠回りのように見えて近道になることがあります。

お箸も、お勉強も、スポーツも、**「いつになったら」ではなく、「今、どの段階にいるか?」**に目を向けることで、親も子もずっと楽になるはずです。

■ うまくいかないのは“理由”がある

お箸に関しても、興味を示すタイミングは何度かありますが、発達が追いついていないと、誤った持ち方のまま定着してしまうこともあります。

焦って教えるのではなく、発達が整った時に一気に移行する方が、実は効率も良く、自然に習得できるのだと感じています。

うまくいかないときは、「なんでできないの?」ではなく、「今はどこがまだ発達していないのかな?」と観察してあげられるようにしていこうと思っています。

■ 解説:前腕の外回転(回外)という“見えない成長”

赤ちゃんは生まれたときから、しばらくの間は前腕をほとんど回転させず、肘や肩の動きだけでものを扱っています。

スプーンを持つ初期段階では、肘・肩の上下運動で食べようとします。
徐々に、親指・人差し指が前に出て上握り(いわゆる“バキューン持ち”)へ移行。
そこから下握り、そして鉛筆持ちへとつながっていきます。
鉛筆持ちの段階になると、前腕を外側に回す動き始まりますが、この動きはお箸を扱う上で非常に大きなポイントになります。

また、スプーンを使う前に「クレヨンで殴り書き」などの遊びを取り入れておくと、グーでものをしっかり握って手を動かすという動きの練習にもなっていて、スプーンへの移行がとてもスムーズになるかなーと思います。

■ 最後に

子育ては、「結果」よりも「過程」に目を向ける視点があると、ずっとラクになのかなと思います。
今この瞬間も、きっと何かが育っている。そんなふうに信じて、今日も観察しながら見守っていけたらなと思います。

■次回投稿のお知らせ

「もう〇歳なのに、まだ〇〇できない…」
そんな風に、“年齢”で子どもの成長を判断していませんか?

でも、本当に大事なのは「年齢」ではなく「今この子がどの段階にいるのか?」という視点かもしれません。

次回は、子どもの成長を【身体・心・社会性】の3つの柱から読み解く「発達の全体像」についてお届けします。

・鉄棒ができないのは、運動だけの問題じゃない?
・「落ち着きがない」は、まだ“内面の土台”が育っていないだけ?
・ルールが守れないのは、共感力の階段をまだ登っている途中かも?

「まだできない」ではなく、「今、育っている最中」

そんなふうに子どもを見つめられるようになると、育児が少しだけ楽になります。

次回投稿:「成長ってなに?」──赤ちゃんから大人まで、“今”を見つめる3つの発達視点

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