🐾 ワンたちの夜明け ― タイの朝に現れた白黒の影 ―
朝の光が街をなでる。
セブンの看板がまだ青白く光るころ、
ぼくらはいつものように世界を見張っていた。
風のにおい、バイクの音、流れてくる焼き鳥の匂い。
この町はぼくらのものだった。少なくとも、昨日までは…ワンちゃんの世界
電柱の下で黒の長老ワンがあくびをしていた。
塀の向こうでは、茶色の兄貴ワンが尾をゆっくり振っていた。
静かな朝――いつも通りの、平和な朝だったんだ。
でも、そのとき。
“新入り”が現れた。
黒と白の毛並み。
背筋をぴんと立て、我が物顔で歩いてくる。
…….やつは来た。
電柱に、ポストに、植木に。
次々と――ぼくらの匂いの上に、自分の匂いを重ねていった。
「なんだ、あいつ……!」
ぼくの胸の中で、何かが泡立った。
仲間たちも柵の中で吠えた。でも出られない。
ただ、声を上げるしかなかった。
「ここは俺たちの道だぞ!」
「においを返せ!」
だけど、新入りは一歩も引かない。
まるで世界の主みたいな目をして、こっちを見下ろしていた。
その瞬間、ぼくは見た。
あの黒いワン――群れのリーダーが、尻尾を下げて道を譲ったのを。
嘘だろ。
あの子はいつも優しく、誇り高かったのに。
まるで嵐が来る前の空みたいに、町の空気がぴんと張りつめた。
新入りは吠えた。
深く、低く、地面の底から響く声だった。
屋台の猫まで逃げていった。
ぼくも立ちすくんだ。
けど、引けなかった。
ぼくらの通りを、荒らされるわけにはいかない。
「やめろ!」
ぼくが一歩踏み出すと、新入りは立ち止まり、こちらをにらんだ。
その目は、夜を知っている目だった。
街灯のない道を歩き続けた犬の目。
ただの野良じゃない。戦ってきたワンだ。
間合いが、詰まる。
お互いの息が交わる距離。
……僕らは動けなかった。
静寂。
風の中で、においだけがぶつかり合った。
結局、僕は引いた。
でも、やつのにおいが残った。
―戦いは、まだ終わっていない。―
明日また朝が来る。
そしてその朝に、ぼくらはどんな世界を迎えるんだろう。
セブンの入口で寝そべる仲間たちも、
化粧されてるなかまも、
「なんかくれるの?」と見上げる目も。
みんな、この町で生きている。
そしてぼくもまた、
この通りの一匹として、戦う覚悟を決めた。
次の朝、どんなにおいが風に乗るのか――
それが、この世界のすべてだから。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
タイのワンちゃんの世界に波乱が巻き起こされそうとしています。
いつも俺の冷房と言わんばかりに、コンビニの入り口で涼むワン。
十字に道路が交わる道の真ん中で周りを見ているワン。
あいつらはこれからどうするのか….
少しでも面白いと思ったなら、
ハート・フォローよろしくお願いします!
instagramで、日々の活動を発信してます。
毎日投稿のnoteに関することも上げてます!
よければ訪ねてくれると嬉しいです!!
寄稿、執筆依頼など連絡はFacebook からお願いします!
良ければ、ほかの記事も!!
いいなと思ったら応援しよう!
記事を読んでいただきありがとうございます!
人間は飯を食って寝れば偉いと思います、自分へのご褒美においしいスイーツでも食べてください。それでも私の記事を覚えていたら、応援してくれると嬉しいです!絶対に、自分へのご褒美を先にしてください!!