「Perfumeの掟」はいいぞ
2026/9/22-23の『Perfume ZO/Z5 Anniversary "ネビュラロマンス" Episode TOKYO DOME』にて披露された、「Perfumeの掟」についての記事です。
私に限らずその場にいた多くのファンが大感激したわけですが、単純に楽曲や演出がイケてるだけでなく、Perfumeの歴史がふんだんに詰まった最高のパフォーマンスでした。
記事作成時点でライブから10日ほど経ちましたが、この素晴らしさについて誰かに語りたくて、熱い気持ちを一向に抑えることができません。
また、ただ見るだけでも十分見応えがありますが、このパフォーマンスが持つ意味について知ることで、一層楽しめると思います。
なので今回は、特に誰かに向けたわけでもなく、このパフォーマンスに込められていたであろう意味や、個人的に感銘を受けた点について書いていこうと思います。
全体を通して解説調になっていますが、Perfume本人や演出を担当したMIKIKO先生から明確に意図が語られているわけではないので、あくまで一般ファンの個人的解釈として捉えてください。
なお、10数年の時間で書き換えられた記憶をもとに書いている箇所もあるので、情報が間違っていたら指摘してください。
※ライブの感想は別記事に書いているので、よかったら読んでね↓
「Perfumeの掟」って何?
「Perfumeの掟」は、2010年にPerfume結成10周年&メジャーデビュー5周年を記念して開催された、『Perfume LIVE@東京ドーム「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」』にて過去一度だけ披露されたパフォーマンスです。
このライブはPerfume初の東京ドーム公演であると同時に、時期的にも日本武道館ライブを終え、映画『カーズ2』で海外進出を果たしたタイミングであり、まさにPerfumeの躍進を象徴するライブだと言えます。
ライブ名やステージ上のモニュメントに使われている「1〜11」という数字は、結成10周年を迎えて11年目に突入するPerfumeの軌跡を表したものと思われます。
これから日本の一流アーティストとして名を轟かせようとするタイミングで、敢えて過去からの延長線を意識した表現を用いてきたのも、結成当初からずっと3人のスタンスを貫いてきたPerfumeの"粋"な部分だと感じますね。
ちなみに、今でこそPerfumeは最先端テクノロジーを駆使したパフォーマンスが代名詞の一つとなっていますが、そうなったきっかけはこの東京ドーム公演だったりします。
というのも、Perfume史上かつてない広さの東京ドームでの演出を技術面でサポートするため、真鍋大度氏の率いるRhizomatiksがチームPerfumeに加わったのが本公演からなんですね。
わかりやすいところだと3Dスキャン、3:49〜のレーザー銃で風船を割る演出にもRhizomatiksの技術が使われています。
この頃を皮切りに、Perfumeのライブ演出にプロジェクションマッピングやドローンなどの技術が用いられることとなり、徐々にテクノロジーのイメージが定着していきました。
話が戻りますが、このようにPerfume史において非常に重要な意味を持つライブのなかで、一番の見せ場として披露されたのが「Perfumeの掟」です。
そこから15年の時が経った2025年、Perfumeのコールドスリープ前の最後のライブでもう一度見られるなんて、こちとら思ってもみなかったわけですよ。
イントロの重低音が聞こえた瞬間、そこにいた数万人のファンが同時に「あのときのやつだ…!」ってなったときの高揚感が忘れられません。
しかもただ同じパフォーマンスを再現するのではなく、2025年のPerfumeによって新たに解釈され、再構築されたのが今回の「Perfumeの掟」です。
オタクが喜ぶ要素が盛り沢山すぎて取りこぼしがあるかもしれませんが、15年前と現在の対比になっている部分にフォーカスしつつ、語気強めで説明していきます。
まずはこれ見て
本記事の作成時点で、『Perfume ZO/Z5 Anniversary "ネビュラロマンス" Episode TOKYO DOME』は映像化されていないのですが、ライブに参戦できないファンのため、ライブの様子が生配信されていました。
下記の動画はその配信の録画映像と、2010年の東京ドーム公演を並べたものと思われます。
完全に違法アップロードですし、そのリンクを貼ることにも非常に後ろめたい気持ちではありますが、今回ばかりは本当にごめんなさい。
円盤化されたら必ず買いましょうね。
以下、この動画内の時間に沿って説明していきます。
まずは通しで視聴したのち、動画を止めながら読んでいってね。
オープニング&Perfume登場(1:01〜)
「Perfumeの掟」のナレーションとともにモニターに3人が映し出され、本人たちが登場します。
映像の中の3人が15年前と現在を行き来しているのを見て、時の流れを感じながら落涙しましょう。
このとき3人が取っている、大の字から少し緩めたようなポーズ、めっちゃ"Perfumeっぽいな"と思いませんか?
人形やアンドロイドを想起とさせるこのポーズは、3人の身体を3Dスキャンするのに都合がよく、2010年以降、Perfumeの演出に頻繁に登場するようになりました。
そもそもPerfumeの映像演出に3DCGが用いられるようになったのも、2010年のライブで先述のRhizomatiksが加わったことによるものなので、このポーズひとつ取ってもPerfumeの歴史が感じられます。
巨大Perfumeとシンクロダンス(1:30〜)
モニターに映し出されたPerfumeをバックに、3人が踊り出します。
2010年と2025年のPerfumeが融合した映像も、15年前とぴったり同じダンスが踊れる彼女たちならではの表現ですよね。
彼女たちにとっては難しい振り付けではないかもしれませんが、25年間同じメンバー・同じ振付師のもとで踊り続けてきたPerfumeにしか再現できないシンクロだと思います。
個人的に、2010年のときの衣装がめちゃくちゃ好みなんですよね。
パニエがあると踊りにくいからなのか、普段の衣装でスカート部分にここまでボリュームがあるデザインのものって少ないんですけど、東京ドームの距離でも存在感・躍動感が伝わるように意図して作られたのかな?
アンドロイドPerfume起動(2:08〜)
3人の顔が映し出され、名前と生年月日が読み上げられます。
私はこれをアンドロイドの個体名と識別番号みたいだなと感じるのですが、それと同時に、Perfumeも人間なんだということを認識させてくれます。
その後のナレーションと振付もかなりアンドロイドっぽいですよね、スリープモードから目覚めたアンドロイドが起動後の動作確認をしてるみたいで。
すごく好きです。
10人のかしゆか(2:59〜)
個人的には、このパートが一番グッときます。
むしろ、このパートについて語りたくてこの記事を書き始めました。
演出としては、モニターに映る9人の等身大かしゆかと本人がシンクロして爆踊りする内容となっています。
あ〜ちゃんとのっちの声で「10人のかしゆか」とナレーションが入った瞬間の歓声からも、会場のボルテージが一段上がっているのが伝わるのではないでしょうか。
まずは2010年のほうの動画を見てほしいんですけど、15年前のライブでは、映像と本人のダンスが若干ズレてるんですよね。
この原因がかしゆか本人なのかモニターやイヤモニの遅延なのかは明らかになっていませんが、後日のラジオ生放送で、かしゆかが「不甲斐ないライブをした」と泣き出してしまう出来事がありました。
この「10人のかしゆか」の他にも、冒頭の演出でかしゆか1人だけが早く動き出してしまうミスがあり、2010年のライブが彼女にとって苦い思い出となっていることはファンのなかでも有名な話でした。
それが見てくれよ、2025年の俺たちのかしゆかを。
寸分の狂いもなく、堂々とした顔付きで踊るかしゆかの姿に涙と鳥肌が止まりませんわ…。
Perfumeの3人の中でも特に真面目でストイックな性格のかしゆかが、15年の時を経て過去を払拭する瞬間に、5万人が「かましたれ〜!」って雰囲気で1つになるのを確かに感じた。
この後のMCで、かしゆかの口から「悔やんでばかりだった過去の自分に"大丈夫だよ"って言ってあげたい」と聞かされたときは、そこにいる全員が泣き崩れたよ。
狙撃手あ〜ちゃん(3:31〜)
かしゆかのナレーションとともに、馬鹿でかいレーザー銃を持って行進するあ〜ちゃんにスポットが切り替わります。
その後センターステージから、3方向に離れた位置に置かれたマネキンが持つ風船に照準を合わせ、超遠距離から狙撃して風船を割るという演出です。
2025年のライブではどういう技術が使われているのか明かされていませんが、2010年のライブではマネキンの手と風船を繋ぐ紐に熱線が仕込まれていて、遠隔操作で熱を発生させることで風船が割れる仕組みになっています。
当時はかなり難航したようで、Rhizomatiksのインタビューでは、会場の温度や湿度の影響もあり、意図したタイミング通りに風船が割れない問題が結局本番までクリアできなかったと話されています。
そんな中、ライブ本番に100点のタイミングで風船を割ることができたのは奇跡だったらしく、
割れた後のあ〜ちゃんの表情からも不安だったことが伺えます。
そして2025年、何ですかこの余裕は。
チームPerfumeの技術レベルが上がったのはもちろん、数多の修羅場を潜り抜けてきたことで身についた落ち着きや、積み重ねた時間が培った技術への信頼の現れなんですかね。
Perfumeの3人だけじゃない、チームPerfumeのライブというものに対する自信がこのパートには凝縮されています。
あと、風船を割った後に首を傾げる仕草を再現してるのもgood。
歴代振付のっち(4:01〜)
2010年では1から11まで、2025年では12から25までの数字がカウントされ、それに合わせてのっちがポーズを取っています。
先述した通り、この数字はPerfumeの活動年を現しているのですが、このパートではのっちがその年にリリースされた楽曲の振付の一節を順番に踊ってるんですね。
たった1ポーズだけで何の曲を踊っているのかわかるあたり、MIKIKO先生の振付のキャッチーさが窺い知れます。
2010年/2025年どちらも、Perfumeのこれまでとこれからを示すライブである点を踏まえると、このパフォーマンスはそれを体現するとても重要なパートです。
2025年のライブでは、バックモニターに楽曲のカバー画像が映し出されていますが、走馬灯を見るような気持ちになったのを覚えています。
3人再登場&エンディング(4:31〜)
かしゆかとあ〜ちゃんが離れた位置から登場。
2人の表情が今と全然違いますよね。
2010年では不安や必死さが滲み出ているのに対して、2025年はもはや5万人の前に立つことを楽しんでいらっしゃる。
両端からセンターに戻るのも、駆け足だったのが余裕綽々のモデルウォークになりました。
その後センターステージでのっちと合流、ロボットっぽい動きも交えつつバキバキのダンスを披露。
15年前もかっこいいけど、色んな意味で大きくなったPerfumeの、等身大かつダイナミックなダンスに何度見ても痺れますね。
あと、ライティングでシルエットになった3人の体型が15年間でほとんど変わってないのすごくないですか?
ちなみに2010年のほうの6:03あたり、ペンライトを持っている人間さんがいますが、Perfumeのライブでは光りモノNGです。
2025年には誰一人いないので、Perfumeファンも進化しているということですね。
最後は、冒頭で登場したマネキンと同じポーズで〆。
興奮を残しつつ余韻を持たせてくる感じ、改めて中田ヤスタカ神が作る楽曲の圧倒的センスに感謝を禁じ得ない。
Perfumeがここまで来れたのも貴方のお陰です、本当にありがとう。
まとめ
てんこ盛りの約7分で、何が起きたか書いてただけで5,000字近くになってしまいました。
それ程までにこのパフォーマンスから感じ取れる要素が沢山あって、Perfumeを長く見てきたファンにとって、まさにご褒美と言える時間でした。
Perfumeにそこまで興味がなかったそこの貴方も、Perfumeの世界観やライブの凄さにちょっと興味が湧いてきたのではないですか?
そんな彼女たちは2026年からコールドスリープに入ることが発表されていますが、今回のライブで「必ず戻ってくる」と約束してくれました。
いつか3人が戻ってきて、ファンの前でライブをする日が来たとき、私たちと同じ熱量でPerfumeを迎える一員になりませんか。
まずはファンクラブに入会するところから。
