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「伝える」と「伝わる」の違いは、言語化の構造にある

「作業内容はぜんぶ書いた。なのに、また確認が来た。」

そういう経験が、自分にはあります。
状況の説明も、やったこともちゃんと書いた。でも相手は「で、どうしてほしいの?」と返ってくる。
もう一度読み返してみると、たしかに報告の体裁にはなっている。でも、相手が何を判断すればいいのかは、どこにも書いていない。

言葉にはしている。情報も入れている。それでも、なぜか伝わっていない。

そういうとき、足りないのは言葉の量や難易度ではないと思います。順番と構造の問題であることが、ほとんどではないか、と。

言葉にしただけでは、まだ届いていない

「伝える」と「伝わる」は、別のことです。

伝えるのは自分の行為で、伝わるのは相手の側で起きること。書いた段階で、「伝える」は完了しています。でも、相手が受け取れていなければ、届いたとは言えません。

相談文を書いていて、背景説明が長くなりすぎることがあります。経緯を丁寧に伝えようとするあまり、肝心の「何を相談したいのか」が後ろのほうに埋まってしまう。
こうなると読んだ相手は、途中で何の話かが分からなくなります。

このとき問題なのは、相手の読解力ではありません。こちらの届け方です。

「読んでもらえれば分かる」は、書いた側の理屈です。
相手は読みながら、「この話は何につながるのか」を探している。その問いに早く答えてあげることが、届けるということなのだと思います。

伝わる文章には、順番がある

では、どう整えるか。

よく言われるのが「結論から書け」です。これはたしかに有効です。
ただ、場面によっては結論ファーストが正解ではないこともあります。

ここで意識しておくと便利なのが、型の使い分けです。

PREP型(結論→理由→具体例→結論) 
報告や短い共有に向いています。簡潔に作業結果を一言伝えるとき、「結論から入って、なぜかを添えて、事例を一つ挙げて締める」という流れはテンポよく読めます。

SDS型(概要→詳細→まとめ) 
複数の情報を整理して渡したいときに使えます。会議前の共有や、判断材料を並べたいときに、いきなり詳細から入ると相手が全体像をつかめないまま読み進めることになる。概要から入ることで、「今から何の話が来るか」を先に渡せます。

ストーリー型(発端→転機→気づき→未来) 
noteや社内掲示板の文章に向いています。読ませる文章は、読者に「自分もそうだった」と感じさせる入りが必要で、起承転結に近い流れが自然と読後感を作ります。

型は三つありますが、目的は一つ
 「相手が読みながら迷わないようにすること。」
です。

型は、きれいに見せるためではなく、迷わせないために使う

PREP型を使えばうまくいく、というわけではありません。
型は補助線です。話す順番を整えるためのもので、型を当てはめることが目的ではありません。型に当てはめた結果、かえって不自然になることもあります。

一文一義にする、比較で見せる、数字を入れる、相手にとってのメリット(ベネフィット)に変換して書く。こういった技術も同じです。
あくまで読みやすくするための道具であって、テクニックを入れたから伝わる、というものではない。

伝達の技術の前に、中身の具体化です。何を言いたいのかが自分の中でぼんやりしたまま型に当てはめても、きれいに整理されたぼんやりができるだけです。

まず何を伝えたいのか、何を相談したいのかを具体化する。そのうえで、相手が迷わない順番へ整える。型はそのための補助で、覚えることが目的じゃありません。

次何か報告であれば、まず結論から伝えてみる。それだけでも、届き方は変わってくれるのです。

関連記事

今回の記事では、「伝える」と「伝わる」の違いについて書きました。
近いテーマとして、過去にも「説明」「設計」「順番」について書いています。

「書いたのに伝わらない」「説明したのに相手が止まる」ような場面について、少しずつ別の角度から考えています。

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