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説明した、でも伝わっていなかった。

説明したつもりなのに、翌日また同じ質問が来る。資料を作ったのに、どこを見ればいいかわからないと言われる。言葉にしたのに、なぜか届いていない。仕事をしていると、そういう場面が意外と多い。

言葉にはしている。情報も足りている。内容も間違っていない。それなのに伝わっていない。そのズレの正体が、この本を読んでようやく少し言語化できた気がした。

📘 『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』

説明は、話術より設計だった

最初は「話し方のテクニック本かな」と思って手に取った。でも読んでみると、そういう本ではなかった。

この本のテーマをひと言で言うなら、説明を「うまく話す技術」ではなく、「相手に理解してもらうための設計」として捉え直すことだ。説明がうまい人は、流暢に話せる人でも、語彙が多い人でもない。相手が受け取りやすいように、情報を整えている人だ。

一番印象に残ったのは、「説明のゴールは、自分がうまく話すことではなく、相手が理解できる状態をつくること」という視点だ。当たり前に聞こえる。でもこれが、意外と抜けやすい。

自分では説明したつもりでも、相手が理解できていなければ、まだ届いていない。逆に、たくさん話さなくても、相手が必要なことを理解できればそれで十分な場面もある。説明は話術ではなく、設計に近い。そう言い切られると、少し視点が変わった。

「結論から話す」がいつも正解とは限らない、という話も面白かった。前提が共有されていない相手に、いきなり結論だけを渡しても、かえって伝わりにくいことがある。順番に正解はなく、相手や場面によって変わる。それを知っているだけでも、説明の選択肢が少し増えた気がした。

全部伝えることが、親切とは限らない

もう一つ刺さったのが、「全部伝えることが、親切とは限らない」という話だ。

自分はどちらかというと、情報が抜けていると不安なタイプで、つい多めに説明したくなる。背景、経緯、注意点、例外条件……全部入れたくなる。それ自体が悪いわけではないし、仕事では必要な情報をきちんと残すことは大事だ。

ただ、受け取る側は、最初から全部渡されると、どこを見ればいいかわからなくなることがある。説明する側には頭の中でつながりが見えている。でも受け取る側には、そのつながりがまだ見えていない。そこが、伝わらなさの根っこにある気がした。

「全部話さなくていい」というのは、単に情報を削る話じゃない。相手が受け取れる量と順番を考えることだ。削るか残すか、ではなく、どの順番でどこに置くか。それが説明の設計なのだと思う。

この話は口頭の説明だけじゃなく、資料や手順書にもそのまま当てはまる。正しく書いてあることと、読んだ人が迷わず理解できることは、別の話だ。書いた本人にはつながって見える。でも初めて読む人が同じように見えるかというと、また別問題になる。

相手の頭の中を先に見にいく

この本を読んでから、資料を送る前に一回だけ「相手は何を知らないか」を考えるようにした。完璧にはほど遠いが、少しだけ変わった気はしている。

説明がうまい人は、口がうまい人じゃない。
相手の頭の中を先に見にいく人だ。
そういう人にすぐなれるとは思っていないが、少なくともそこを意識するようにはなった。

その一言が、今のところいちばん刺さっている。

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