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読めない文字を、身に着ける。──《無題》を少しだけグッズにしました


以前、アセミック一文字詩(益子文字)のグッズ化実験を、AIでおこないました。

服や小物にしたら、どのように見えるのか。

そんなことを、モックアップをつくりながら試した記事です。

そして今回、まずは《無題》のみを、SUZURIで実際にグッズ化してみました。
Tシャツ、ステッカー、アクリルキーホルダーです。


ちなみに、こちらがもとの《無題》です↓



原画には、文字のまわりに淡い靄のような滲みがあります。
開門時に漏れ出た、線未満のようなもの。
根源や混沌の気配のような何か。

《無題》においては、その靄も含めてひとつの作品なのですが、今回は文字そのものを身に着けたり、持ち歩いたりできる形にするため、まわりの靄を取り除き、背景を透過して、グッズ用に少し整えました。

原画をそのまま小さく印刷するのではなく、そこから文字だけを抜き出した形です。

もとの筆致や掠れは、できるだけ残しました。

けれど、画面上のプレビューだけでは、細い線や筆の掠れが、実際にどのように印刷されるのかまでは分かりません。

そのため、まずは自分用に注文して、実物を確かめることにしました。

文字まわりを透過してグッズ用に整えることと、実際に届いた品を確認すること。

その両方に、少し時間がかかりました。

Tシャツ


Tシャツは、左胸のワンポイント版と、胸中央版をつくりました。






ワンポイント版は、小さな印や護符のように、胸元に文字が宿る形です。

あまり強く主張せず、普段の服にもなじみやすいと思います。




胸中央版は、革ジャンやシャツなど、羽織ものの内側から文字がのぞくような着方を想定しました。

一枚で着ると、ワンポイント版よりも少し作品としての存在感があります。

アイロン、かければ良かった(笑)



革ジャンからののぞき具合も、ちょうどいい。



布の上に置かれることで、紙の上とはまた違った見え方になります。

身体が動けば、文字も皺とともに少し形を変えます。

静止した一枚の作品だった文字が、身に着けた人と一緒に動きはじめるようでもあります。

ステッカーとアクリルキーホルダー


ステッカーは、文字をそのまま小さな印として貼れる形にしました。


タブレットに貼りました。


決して、力士シールのように街中へ貼ってはいけません。
益子文字があちこちに現れはじめたら、呪物認定まっしぐらです(笑)

その前に、普通に怒られますので、
ご自身の持ち物など、貼ってよい場所でお楽しみください。


アクリルキーホルダーは、文字を持ち歩くためのものです。







透明なアクリルの上に置かれると、文字だけが空中に浮かんでいるようにも見えます。

「読めない文字を持ち歩く」という意味では、今回のグッズの中でも、とくに素直な形かもしれません。


これらのグッズ販売は、大きく売り出すというより、展示室の片隅にあるミュージアムショップのような感覚です。

作品を見たあと、気になった人だけが、静かに立ち寄る場所。

本当に欲しいと思ってくださる方に、そっと届けば嬉しいです。


ショップはこちらです↓


ほかの文字も、ときどき増えるかもしれません。



今回グッズにした《無題》の原画は、現在、初代王天君さんに所蔵していただいています。


原画は、一人の方のもとへ。

そこから抜け出した文字のかけらは、Tシャツや小さな持ち物となって、また別の場所へ。

原画とは少し違う形で、《無題》が誰かの日常の片隅に置かれることがあれば、それもまた、作品の続きなのかもしれません。



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