40年越しの母の夢―長男が叶えた瞬間
“Don’t cry!”
隣に座っている娘が、私の手をぎゅっと握ります。
カリフォルニアの陽気な青空の下で行われる、
長男の大学の卒業式。
続々と入場してくる卒業生たちの中に
自分の息子の姿を見つけた瞬間、
私は涙を止めることができませんでした。
数十年前のこと。
大学最後の一年をアメリカ東海岸で過ごすための
奨学金を、ついに私は勝ち取りました。
言葉では言い表せないほど、嬉しかった出来事。
でも・・・
本当は、西海岸に行きたかったんです。
カリフォルニアで学ぶことを、ずっと夢見ていたから。
その夢を、長男が叶えてくれました。
アメリカの愉快さと寂しさ
アメリカの卒業式は、
家族みんなで盛大にお祝いする一大イベントです。
車や飛行機に乗って、全米から家族が集まり、
卒業生の名前がステージで呼ばれた直後に
家族や友人がおもいきり歓声を上げるんです。
この文化が、私は大好きです。
でも実は、寂しさも生みます。
私が20代で大学を卒業したとき、
家族は誰も来てくれませんでした。
40代で大学院を卒業したときも、
家族は誰も来てくれませんでした。
だからこそ、あの瞬間――
人前で話すこともできず、
忘れられてしまうほどおとなしかった「この私」が、
誰にも負けないくらいの大きな声で、
長男のために叫びました。
夢織人になりたい
時に夢は、
長年夢を見続けた本人以外が叶えることがあります。
今からちょうど30年前
私は、大好きな祖父の長年の夢を叶えました。
ここで、勝手ながら造語をいくつかご紹介します(笑)
夢継ぎ(ゆめつぎ)
意味:大切な誰かの夢を引き継いで実現すること。
例:「私は大好きな祖父の夢継ぎをしました」
夢代人(ゆめしろびと)
意味:夢を代わりに生きる人。
例:「私は祖父の夢代人として、アメリカの地を踏みました」
でも、できることなら・・・
夢を最初に見た人と一緒に、
語り合いながら、重ねながら、
一緒に叶えていくような関係にも名前をつけたくなりました。
夢織人(ゆめおりびと)
意味:自分ひとりの夢ではなく、大切な誰かと一緒に夢を語り、
広げ、心を重ねながら、共に織り上げていく人。
愛や希望をこめて、夢を紡ぎ、共に叶えていく人。
あなたの夢は何ですか?
誰かの夢代人(ゆめしろびと)になったことはありますか?
私はこれから――
夢織人(ゆめおりびと)になりたいのです。

