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meguru_tabijikan
26年前の出産を、今さら振り返る
プロローグ
もうすぐ娘が出産する。
それを見ていて思った。
そういえば私も、
一応産んでいた。
26年前に。
出産というものは、
終わってしまうと忘れる。
いや、
正確には忘れたい。
ところが娘の出産が近づくと、
記憶が勝手に掘り起こされる。
「ああ、そうだった。」
「そんなこともあった。」
「いや、あれはひどかった。」
次から次へと出てくる。
しかも、
思い出す話がどれも平和ではない。
「出産したら終わり」
なんて考えが甘かったことも。
26年たった今だから笑える。
当時は笑えなかった。
というわけで、
26年前の出産を、
記憶の許す限り振り返ってみようと思う。
「頭が大きいね」と言われ続けた妊婦健診
娘を妊娠していた頃。
健診へ行くたびに言われた。
「頭が大きいね」
そして、
「身体も大きいね」
最後は決まって、
「旦那さん、大柄ですか?」
うちの夫は、
普通である。
普通中の普通。
「普通です」
と答えると、
先生は、
「そうですか」
と言うだけ。
でも次の健診でも、
また同じことを聞かれる。
当時は、
まだネットで何でも調べられる時代ではなかった。
だから私は、
妊娠や出産の本を何冊も読んだ。
すると、
「頭が大きい」
という言葉から、
いろいろな可能性が書かれていて、
読めば読むほど不安になった。
先生は何も説明しない。
でも毎回、
「頭が大きいね」
と言う。
「大丈夫なのかな」
その答えがわからないまま、
健診の日だけが過ぎていった。
あの頃はまだ知らなかった。
先生が何度も「大きいね」と言っていた意味を、
私は出産の日に身をもって知ることになる。
次回へ続く…
