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毒林檎には手をつけない。—— 白馬の王子が既読スルーだった日、私は魔女になった。

——待つ女はもうやめた。王子様、わたし、先に行きます。—— 姫より

プロローグ

子どもの頃、誰もが一度は夢見た「白馬の王子様が迎えに来る」ハッピーエンド。
ふわっと広がるドレスに、魔法のキス。まるで映画のような恋。

でも、現実の恋は——
返信が来ない。既読スルー。
「今ちょっと忙しい」で、王子はいつも遅刻。
魔法なんてどこにもなくて、癒してくれるのは魔法瓶のあったかいお茶だけ。

そんな恋に、ちょっと疲れてしまったあなたへ。

待つだけの恋はもう卒業!
王子が来なくても、あなたの物語は、あなたが動かしていきませんか。

これは、笑いあり、毒もありのリアル恋愛指南エッセイ。
恋に迷ったときも、自分を見失いそうなときも、
ちょっと笑って、ちょっと泣いて、そして「私って最高かも」って思えるように。

毒林檎は、とっとと自分で吐き出して、
あなたらしい幸せを、ここから、一緒に始めましょう!

第1章:白馬の王子がLINEの既読すらくれない件について

〜待ちぼうけ恋愛を終わらせるレッスン〜

さて、子どもの頃の私たち。
「いつか王子様が迎えに来てくれる」って信じて、
お城の窓辺でじっと待っていた。

でも、現代の大人女子の恋はちょっと違う。
待っても待っても、LINEは既読スルー。
電話は鳴っても折り返しなし。

「あれ? 王子様って、実は魔法使いじゃなくて、
スマホに夢中なだけなんじゃ…?」と疑いの目。

そう、恋の“待ちぼうけ”って、
まるでコンビニのレジで、前の人が延々と小銭を数えてて
全然進まないあのイライラ。

しかもその間にお腹は空くし、
「もう帰りたい…」って気持ちでいっぱいになる。

でも、「待ち続けた末に幸せになった」なんて話、聞いたことある?
…ないよね。

だからこそ、ここで言いたい。
もう、待つのはやめよう。
自分の足で歩こう。

既読スルーの相手に、やきもきする時間を減らそう。
自分の人生は、自分で動かすもの。

王子様を待つ時間は、
自分を大切にする時間に変えていこう。

そしてもし、
「でも、待つのって悪いこと?」って思ったなら。

うん、それは悪くない。
ただ、「待つこと=幸せの保証」じゃないってだけ。

「待つだけの恋」なんて、もう化石。
新しい恋のルールは、
「自分から動くこと」。

…と偉そうに言ってますが、
私も何度も“待ちぼうけ”をくらいました。

「既読つけてよー!」ってLINE画面をにらんだり、
スマホを壊したくなる衝動、痛いほどわかります。

だけど、気づいたら心が疲れ果ててる。
そんな自分に、まずは「ありがとう」って言ってあげよう。

もう十分、待ったよね。
次は、自分のための物語を始めよう。

さあ、あなたの人生の主役はあなた。

白馬の王子は、LINEの既読すらつけてくれないこともあるけれど、
あなたがあなたの人生を大切にすることこそが、
本当の魔法なのです。

第2章:眠り姫が目覚めたら彼はもう別の姫のところにいた

〜夢見る恋から目覚めるレッスン〜

昔、眠り姫は100年眠ったら、
王子のキスで目覚めたらしい。

…でもこっちは「3日既読スルーされても、
彼を信じ続けた女」だから。

もはや伝説級の愛じゃない?
いや、ただの都合のいい人だっただけかもだけど。

だって、彼。最初は優しかったんだよ?
「疲れてるでしょ?今日はもう寝なね」とか、
「俺、あんまり人と連絡取らないタイプなんだ」とか。

…それ、連絡しない言い訳として、
100万人が使ってるやつー!

でもそのときの私は思ったの。
「そうか、彼は私にだけ心を開いてるんだ」って。

すごく特別扱いされてる気がしてた。
ほんと、自分史上最大の勘違い。

気づいたのは、ふとした瞬間。

駅の改札で、彼に似た後ろ姿を見かけて
無意識に早足で近づいたら、違う人だった。

しかもその人、彼より10倍ちゃんとしてそうな服を着てた。

そのとき、脳内にこう流れたの。
「…私、いつまで夢見てんの?」

そう、眠り姫は夢の中の物語。
私も、似たようなもんだった。

「彼から連絡来たらうれしい」とか、
「たまに優しいと嬉しくなる」とか、
感情が彼任せになってた。

でもね、その“たまに”が肝だったんですよ。

「たまに優しい人」って、こっちの期待値を
絶妙にコントロールしてくる。

なのにそれに気づかず、
「これが本当の彼なんだ」って勝手に信じてた。

そして目覚めたときには…もう遅い。
あの人、すでに別の誰かに“たまに”優しくしてる頃でした。

やっと気づいたんです。
私、自分の幸せを他人に「預けっぱなし」にしてたなって。

しかも、取りに行こうともしないで、
「気づいてくれないかな~」って寝そべってただけ。

でも、それじゃダメだった。
だって、こっちの人生だもの。

せめて、起きよう。目を開けよう。リップ塗ろう。

眠ってた姫は、卒業。
これからは目を覚まして、ちゃんと自分の気持ちに責任を持つ。

あの人がどこで誰と何をしていようと、
私の今日の楽しさには関係ない。

むしろ、私の心地よさに関係ない人とは、
そっとお別れする勇気を持ちたい。

そう思えるようになったとき、
「愛されてたはず」って思ってたあの記憶も、
やっと笑える日が来るかもしれない。

第3章:ガラスの靴は痛かった

〜「ぴったり」の呪いから抜け出すレッスン〜

昔話のシンデレラって、最後はガラスの靴が“ぴったり”はまってめでたしめでたし…って感じだけど、
現代の私たちのガラスの靴はちょっと違う。

「会いたい時は彼に合わせる」
「彼の好みに服装もメイクも性格も寄せる」
「彼の時間にピタリと合わせる」
……これ、自己犠牲型カスタムヒールじゃない?

もうね、これがキツいのよ。物理的にも、精神的にも。

たとえば、彼が「俺、束縛されたくないタイプなんだよね」って言ったら、
「そっか、私もそういうの苦手〜」って謎の合わせ技を披露。

いやいや、実際はLINEの返信10分以内に来ないと落ち着かないくせに!
どこが“苦手”なの、それ?嘘つき選手権優勝だよ。

「俺、落ち着いてて料理できる子が好き」って言われれば、
YouTube見ながら不器用にだし巻き卵作って、焦がして、
「ちょっと香ばしいのが好きかなって思って♡」って笑ってごまかす。

いや、Uber頼みたい側でしょ、自分。

こんなふうに「彼の理想にぴったり合わせたい」気持ちが強くなると、
だんだん自分の“足”がどこにあるのか分からなくなる。
サイズの合わないガラスの靴を無理して履き続けてる状態だよね。

で、やっぱり限界が来る。
足は痛いし、心もボロボロ。

それでも「ここまで頑張ったんだから…」って、
まるで返品不可の靴を買ってしまったみたいに、引き返せなくなる。

私も昔はそうだった。
「彼にぴったり合いたい」って、自分の意見も生活も、ちょっとずつ曲げて、
気づいたら柔軟剤のCMみたいな人になってた。

いつもいい香りでしわもなくて、柔らかさ命!みたいなね。

でもふと気づいたんだ。
ガラスの靴って実際は滑るし痛いし割れそうで、日常生活には全然向いてないって。
「ぴったり」って、意外と危ない。

だから脱いだ。そっとね。
で、代わりに履いたのはスニーカー。

たとえ彼が「ヒール履いてる子が好き」って言っても、
「そうなんだ〜(でも私はスニーカー)」でいられる強さを持った。

すると、不思議と心が軽くなった。
無理に合わせなくても、自分が心地よく歩ける靴を履いてれば、
自然と一緒に歩く人のペースも合ってくるんだなって気づいた。

あなたの足に合う靴は、あなただけが知ってる。
痛い思いをして履いたガラスの靴は、そっと靴箱にしまっていい。
そして、新しい道を、あなたの好きなリズムで歩いていけばいいんです。

第4章:塔の上でWi-Fi切れたので、下界に降ります

〜ヒロイン癖から抜け出すセルフレスキュー〜

塔の上で美しく長〜い髪をたらして、「誰か迎えに来てくれますように…」って待ってた。

現代の私たちも、案外やってる。
塔にこもって、スマホ片手に
「来ないかな〜LINE」とか
「何か動きがあったらインスタのストーリーで気づいてくれないかな〜」って。

もはや髪じゃなくてWi-Fiで繋がろうとしてる。

でもさ、その塔、わざわざ自分で建ててない?

「私から連絡するなんて絶対イヤ」
「告白は男からでしょ」
「ちゃんと好きって言ってくれるまで動けない」

──って、勝手に高〜いハードル積み上げて、塔完成。
自作の孤高要塞、完成度高すぎ。

そのうち、塔の中で考え出す。
「え、もしかして私のこと、忘れてる?」
「いや、試してるのかも。私の忍耐力を…」
「これは運命を試されてるってことだよね!?」

……ちがう。
それ、ただ連絡してないだけの人。

そしてこちらは勝手に“ヒロイン試練モード”突入してるだけ。

「ヒロイン癖」って、結構根強い。

受け身でいたら、誰かが迎えに来てくれる。
ピンチのときは王子が助けてくれる。
黙ってても、誰かが気づいてくれる。

――うん、それ、少女漫画の中の話ね!

現実は、塔の中にいるあなたを誰も見てない。
ていうか、その塔、Googleマップにも載ってないから!

じゃあ、どうする?

塔、降りよう。
髪はたらすんじゃなくて、結んで。
パンツ履いて、靴履いて、地上に降りてこう。

自分から「会いたい」って連絡してもいいし、
自分から「この人いいな」って声かけてもいい。

待ってるだけの物語、そろそろ卒業しよう。

そもそも、自分の人生なのに他人に進行役まかせすぎじゃない?

「ちゃんと自分から動いたら、ちゃんと風が吹いた」

そんな瞬間、意外と人生にたくさんある。

あの塔にいた日々も、無駄じゃなかった。
でもこれからは、風の中で歩くあなたでいってみませんか?

第5章:声を差し出して手に入れた恋は、だいたい息詰まる(行き詰まる)

〜“言えない女”のサバイバル術〜

恋する王子のために、美しい声を手放して、人間になった人魚姫。

…え、ちょっと待って。
声、手放しちゃダメーーーーー!!!

でも、やっちゃうんですよね。
私たちも気づけば、恋のたびに声、差し出してる。

「ほんとは寂しかったけど、言ったら重いよね」
「なんで返信遅いの?って聞いたら、めんどくさいって思われそう」
「嫌だけど、これ言ったら嫌われるかも…」

って、気づけば喉にいろんな言葉が詰まってる。
もはや、恋愛じゃなくて呑み込み大会。

相手のペースに合わせすぎて、自分の感情どこ行った?状態。
気がついたら、こんなセリフが頭の中をぐるぐる。

「私が我慢すればうまくいくよね」
「彼の忙しさに比べたら、私の寂しさなんて小さいよね」
「彼が悪いわけじゃない、私がわがままなんだよね」

──はい、出ました、無言の自己犠牲ヒロイン!

だけどね、それでうまくいった恋って、あった?
こっちが黙れば黙るほど、相手は快適になっていく。

そりゃそうよね。
「黙っててもいい彼女」って、楽すぎるもん。

でも、その快適さの裏で、自分はどんどん苦しくなってく。

ついに、心の声が喉の奥で「ガハッ!」ってつまる日がくる。

で、たまに「ガバーッ」と吐き出しちゃて逃げられる。
…もうこれ、人魚姫じやなくて、どっちかっていうと「ウ」ですよ。魚を大量に飲み込んで、ちょっとした拍子にはきだす鳥「ウ」。

だから、恋のために沈黙しなくていい。
好きだからこそ言っていい。

じゃあ、どうしたらいい?

まずは一言だけ、勇気を出してみる。

「実はちょっと寂しかった」
「今この話、してもいい?」
「ほんとはこれ、いやだった」

小さい声でもいい。震えててもいい。
そのひと言が、自分を自分に戻すきっかけになる。

人魚姫のように、美しい声を失って黙ってしまう恋より、
ちょっとダサくても、声をふるわせても、ちゃんと伝えられる恋を。

だって本当の恋って、
聞いてくれる人がいて、
話せる自分がいて、
そこからちゃんと始まるもの。

言葉を飲み込んで、人魚姫みたいに海の泡になって消えるなんて、ごめんよね。

第6章:育てようとした野獣に、体力ごと吸われた話

〜恋の栄養、全部あげちゃってませんか?〜

あの有名な「美女と野獣」。
ちょっとコワモテな野獣に、優しい美女が愛を注いで、
ついには“真実の愛”で彼が王子に変身!──なんて、ロマンチックな物語。

でもね、現実の恋って、そこまで簡単にはいかない。
むしろ、こちらが愛情という名の栄養をせっせとあげすぎて、
いつのまにか自分が「ただの干からびた野菜」になってること、ありませんか?

たとえば──
彼の不機嫌に気づいて、理由もわからず先に謝っちゃう。
「疲れてるなら、何か食べるもの届けようか?」って、仕事帰りにコンビニ寄って。
イライラされても「そうだよね、忙しいもんね」って自分をなだめる。

……気づけば、野獣はそのままなのに、
こちらだけが、しおれていく一方。

最初はね、思ってたんです。
「この人、繊細で、人と関わるのが苦手なんだろうな」
「私がそばにいれば、きっと少しずつ変わってくれるかもしれない」
「変わる」と信じて、“育てがい”に期待してしまう。

だって、恋する乙女には夢を見る力があるから。

でも気がついたら、
・自分の夢はどこへ?
・自分のペースは?
・自分の「楽しい」は?
……なんて、全部置き去り。

恋するパワーを100%相手の成長に注ぎ込んで、
気がついたら、自分がどこにもいなくなってる。

もちろん、人は変わることがある。
でもそれは、「自分で変わろう」と思った人だけができること。

「私が変えてみせる!」は、愛というよりもはや奉仕活動。もしくは、いらないおせっかい。

よく考えたら、「美女と野獣」だってスピード感すごすぎる。
みたところ、二人が老けた様子もないから、あれはたった数ヶ月くらい?で、あの野獣が王子になるなんて、どれだけの成長曲線?

こっちは何年もかけて献身してるのに、王子に変わる気配すらない。
それどころか、乾物みたいに身も心も乾いてきてるのに、
「今日もありがとうね」ってニコッと微笑まれて…終わり。

それって、なんだか報われてないよね。

だから、こんなふうに自分に問いかけてみてほしい。

「この恋、私は元気でいられてるかな?」
「ちゃんと、大切にされてるって思えてる?」
「その“野獣”、ほんとに育てがいあった?」

……もし心の中で「うーん…」が浮かんだら、
それが答えかもしれません。

愛は、我慢して注ぎ続けるものじゃない。
“私ばっかり”になった時点で、それはバランスを失った恋。

“育てる恋”より、“一緒に育っていける恋”を。

あなたの優しさは、誰かを変えるためじゃなくて、
あなた自身がもっと幸せになるためにある。

そのことに気づいたら、
野菜として干からびる前に、
やさしく栄養を自分に返してあげましょう。

第7章:お姫様じゃなくて、魔女になる勇気

〜「もう、待つのやめた」の先にある生き方〜

ねえ、気づいてました?
お姫様って、けっこうヒマそうじゃない?

塔の上に閉じ込められてたり、
ガラスの棺でスヤスヤ眠ってたり、
毒リンゴ食べて横たわってたり。

しかも、目が覚めるのは決まって“王子のキス”待ち。
……いやいや、待ち時間長すぎ!

私たち、そんなに寝てるヒマないのよ。
仕事はあるし、洗濯物もたまってるし、
美容院の予約もキャンセルしたくないし、
ついでに推しのライブ配信も見逃せない!

なのに恋となると、急に“待ち姫モード”発動。
LINEの返信を待ち続け、
「今日も未読かぁ…」とため息つき、
「私から連絡するの、なんか負けた気がする」って意地を張る。

もはや自分で自分を塔に閉じ込めてる。
自作の要塞、完成度高すぎ問題。

しかもその塔の中で、こう考え始めるの。
「え、もしかして私のこと忘れてる?」
「いや、これは私の忍耐力が試されてるんだ」
「きっと運命のタイミングが来たら…!」

……それ、ただの既読スルーです。

気づけば、恋が“受け身”になってる。
「連絡くれないかな」
「誘ってくれたら行くのに」
──ヒロイン体質、まだ抜けてなかったりする。

でもね、ヒロインって“動かない存在”なんです。
物語の中心にいるけど、自分で展開は変えられない。
選ばれるのを待ってるだけ。

でも今の私たち、もう待つのに疲れてる。
「いつまで待てばいいの?」って、
自分の中の声が、じわじわとあふれてきてる。

そもそも、王子様が来なかったらどうするの?
あっという間に、おばあちゃんになっちゃうかも知れないじゃんー!

だから思うのです。
もう、お姫様じゃなくていいんじゃない?

むしろ今、なりたいのは「魔女」かもしれない。

子どもの頃はちょっと怖かった“魔女”。
まぁ、毒林檎食べさせたり、針を刺したりっていうのはアレだけど、

でもよく考えてみると──

・森の中で一人暮らししてて
・薬草の知識あって
・動物とも仲良しで
・誰の許可もなく自分の道を歩いてる

……めちゃくちゃ、今っぽくない?

ナチュラルで、独立してて、ちょっとスピリチュアル。
なんか、白湯片手にカフェで自己肯定感を高めてそうだし、
しかも、肌つやも良さそう。

自分の魔法(=信念)を持ってて、
媚びずに生きてる女性。

現代だったら、むしろ憧れのライフスタイルかも。

そう、もう“選ばれるヒロイン”じゃなくていい。
“自分で選んでいく魔女”でいたっていい。

誰かの行動や気まぐれに振り回されて、
自分の価値を決められるような恋は、もう卒業。

今日の気分はどう?
この先どうなりたい?
何を手放して、何を選びたい?

それを、自分に聞いてみよう。

誰かに“運命”を運ばれるのを待つんじゃなくて、
自分で舵を取って、進みたい方へ進む。

きっとその先には、
あなたの心にぴったり合った「本当の物語」が始まってる。

そして魔女になったあなたは、
「選ばれなかったあの日」すら笑って話せる日が来る。

もう、待たなくていい。
塔から降りて、ほうきじゃなくスニーカー履いて、
風の中を、自分のペースで歩いていこうじゃないですか!

第8章:ほんとはずっと、ヒロインじゃなくて、作者だった

〜恋の脚本、誰が書いた?〜

ふと思うのです。
なんで私は、こんなに“彼の一言”に振り回されてたんだろう。

「今日はちょっと忙しくて」
「今は恋愛モードじゃなくて」
「連絡が遅くてごめん」

それだけで、心の天気は晴れたり曇ったり大荒れになったり。
こっちは、ほぼ台風中継の気分。毎日“彼しだい”で荒れてる。

「今日会えるって言われたら、何時でも行く!」
「返信来たらすぐ返さなきゃ!」
「機嫌悪そう?私がなにかした?」

……待って。これ、誰の人生の話だっけ?
ヒロインどころか、モブキャラみたいになってない?

気づいたんです。
この恋、脚本書いてたの、彼だった。

私の感情、私の予定、私の大切な日々。
全部、彼のセリフや態度ひとつで決まってた。

まるで、主演だけどセリフのない舞台に立たされてるような、
そんな違和感。

でも、本来はちがうよね。
恋の脚本って、本当は私が書いていいんだ。

「どうして返信くれないの?」じゃなくて、
「私は、大切にされるやりとりをしたい」

「どうして会ってくれないの?」じゃなくて、
「私は、一緒に過ごしたいと思える人といたい」

「私って、重いのかな…?」じゃなくて、
「私は、自分の気持ちをちゃんと伝えられる人でいたい」

主語を“彼”から“私”に戻すだけで、
恋の景色がガラッと変わってくる。

「好きだから合わせなきゃ」じゃなくて、
「好きでも、自分は大事にしていたい」

これが、自分を“ヒロイン”ではなく、
“作者”として立たせてくれる第一歩。

そしてね、恋って「幸せにしてもらうもの」じゃなくて、
「自分をもっと好きになれる時間」なんだと思う。

誰かと過ごすことで、
もっと自由に笑えて、
もっと安心できて、
もっと素直になれる。

それが、本当にいい恋。

もし今の恋が、
自分を小さくさせていたり、
声を詰まらせたり、
自分らしさを曇らせているなら――

いまこそ、脚本を自分で書き直すとき。

恋は、人生のすべてじゃない。
あくまで“スパイス”。

主菜は、自分自身で作るもの。

好きなことに夢中になる時間、
誰かの優しさを受け取る瞬間、
ひとりの夜に好きな香りの紅茶を飲む幸福。

それらをちゃんと味わえるようになったとき、
恋はもっとナチュラルに、もっと軽やかに
“あなたらしく”やってくる。

だから、これからの恋はこう始めよう。

「私は、私らしくいられる恋を選ぶ」
「私は、待つだけの人じゃなくて、自分で進む人」
「私は、自分を楽しんでる時間が一番好き」

エンディングはいつだって書き換えられる。

“白馬の王子様が来るはず”って思ってた頃とはちがって、
今の私は、“どんな景色を一緒に見たいか”を選べる。

物語は、まだまだ続く。

だって、あなたはヒロインじゃなくて、
最初からずっと“この物語の作者”だったんだから。

あとがき

〜白馬の王子様じゃなくても、いいと思える日が来る〜

「なんで、こんなに恋に悩んじゃうんだろう」
「こんなにがんばってるのに、なんで報われないの?」
「私って、恋愛向いてないのかな…」

そんなふうに、ため息まじりでカフェラテをすすった日。
夜中に友達とのLINEを何度も読み返して、「もうムリ…」って枕に顔をうずめた夜。
あったよね、何度も。

もしかしたら、今もその途中かもしれない。

でもね、伝えたいことがあります。
恋がうまくいかないことと、あなたに魅力がないことは、まったくの別問題。
誰かに選ばれない日があっても、それは「価値がない証拠」なんかじゃない。

恋にまつわるあれこれは、ときに笑えて、ときに泣けて、
まるでジェットコースターみたいに心を振り回すけれど、
それでも私たちは、また恋をする。
また誰かを「いいな」と思ってしまう。

それって、やっぱり人生を楽しみたいって思っている証拠だと思うのです。

恋は、ドラマチックなだけじゃない。
日常の中にある小さなときめき、ふと笑い合えた瞬間、
「会いたいな」と思える誰かがいるしあわせ。
それを、“自分を大切にすること”と引き換えにしないでいたい。

毒リンゴも、ガラスの靴も、塔の上も、ぜんぶ経験した。
笑えなかった夜も、泣きすぎて朝になった日もあった。

でも――その全部が、今の私をつくってる。

だから、これからの恋は、
もっと自由に。もっと自然体で。もっと私らしく。

これは、誰かのための物語じゃない。
私自身が、書き換えていける“私の物語”。

あなたの物語も、今日から新しく始めていい。
いつからでも、何度でも。

さあ、あなたの人生にまた魔法をかけるのは、あなた自身。

白馬の王子様は、たぶん電車遅延でまだ来ない。
でも、それでいいの。もう、待ってないから。
それに、こっちはもう、次のシーンを書き始めてる。

だから、さあ、新しいページ、めくっていきましょう。

この話が、
「なんかもう、疲れた…」って気持ちになったときに、笑える“お守り”みたいなものになれたら、うれしいです。 
あなたの恋も、ちょっと笑って、ちょっと脱力して、自分の物語を歩いていけますように!


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