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【閣法#16】トラックの「中継輸送」を制度化へ 物流効率化法改正案で何が変わるのか

🚚 物流 / 🛣️ 中継輸送 / 🧾 計画認定 / 🏛️ 閣法16号

この法案は、成立すると、物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)に、長距離トラック輸送を途中の拠点で分担する「中継輸送」を新しく位置づける内容です。複数の事業者が共同で計画を作り、国土交通大臣の認定を受けると、トラック・ターミナル・倉庫に関する手続をまとめて進めやすくなります。ドライバー不足と長時間労働を背景に、制度の変更点を整理します。 (mlit.go.jp)


🔑 何が変わるのか

  • 「貨物自動車中継輸送事業」専用の章を新設します。法律上、2以上のトラック事業者が、専用の中継輸送施設で運転者の交代や貨物の受け渡しを行う仕組みを定義します。

  • 事業者は共同で「貨物自動車中継輸送実施計画」を作り、国土交通大臣の認定を受けられるようにします。計画には、目標、実施区域、施設の立地・規模・設備、実施時期、見込まれる効果、資金調達方法などを記載します。

  • 認定を受けた計画に書かれた内容については、貨物自動車運送事業法、自動車ターミナル法、倉庫業法の認可・許可・登録・届出を受けたものとみなす特例を設けます。

  • 鉄道・運輸機構は、中継輸送の認定計画に必要な資金について、出資や貸付けを行えるようにします。あわせて、施設整備に必要な都市計画法などの許可・処分でも、円滑な実施に配慮する規定を置きます。

  • 国と自治体には情報提供や助言、トラック事業者には連携・協働、荷主(荷物を出す企業)や倉庫業者等には業務に支障のない範囲での協力という努力義務を新たに置きます。

🏛️ 背景

物流効率化法は、輸送・保管・荷さばき・流通加工を一体的に進める事業や、共同輸配送、モーダルシフト(トラックから鉄道や船への切替え)などの効率化事業の認定・支援を定める法律です。今回の閣法16号は、その既存法に中継輸送の専用制度を追加する改正案です。 (mlit.go.jp)

背景にあるのは、トラックドライバーの長時間労働と担い手不足です。国土交通白書によると、2023年の平均労働時間は大型トラックで2,544時間、中小型トラックで2,508時間で、全産業平均の2,136時間を約2割上回りました。2024年4月からは、ドライバーにも時間外労働の上限規制が適用されています。

政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」は、対策を講じなければ輸送力が2024年度に14%、トラックドライバー14万人相当不足し、2030年度には34%、同34万人相当不足する可能性があると示しました。国土交通白書は、2024年度の14%不足は官民の取組で概ね解消できたとする一方、2030年度にはなお34%不足が見込まれるとしています。 (cas.go.jp)

国土交通省は、従来の「1人のドライバーが長距離を運ぶ」形では宿泊を伴い負担が大きい一方、中継輸送は1人当たりの走行距離を短くし、日帰り運行やトラックの運行効率の改善につながると説明しています。ただ、こうした運行を支える中継輸送施設が不足しているため、制度面の後押しが必要だとしています。

📊 現行制度と改正後の違い

  • 法律の立て付け:現行法は物流効率化事業全般の認定・支援を定めています。改正案は、そこに中継輸送専用の章を追加します。

  • 対象施設:現行法に中継輸送施設の法定義はありません。改正案では、高速道路などの結節点の近くにあり、荷物の一時保管、運転者の疲労回復施設、荷さばきや車両出入り管理の設備、情報処理システムなどを備える施設として定義します。

  • 手続:現行法に中継輸送向けの専用認定制度はありません。改正案では、2以上の事業者が共同で計画を提出し、認定されれば関係法令の認可・許可・登録・届出を受けたものとみなします。

  • 支援と監督:改正案では、鉄道・運輸機構による出資・貸付け、実施状況の報告徴収、要件不適合や未実施の場合の認定取消しを定めます。

👥 影響を受ける人・対象者

  • トラック事業者:長距離行程を複数社で分担する計画を共同で作り、認定を受ける主体として想定されています。

  • 中継輸送施設を整備・管理する事業者:認定申請者以外の者が行う施設整備も計画に含めることができ、認定計画に必要な資金について出資・貸付けを受ける枠組みが設けられます。

  • 荷主・倉庫業者:中継輸送の円滑な実施に、業務に支障のない範囲で協力する努力義務がかかります。

  • 一般の生活者:法案の中心は、物流の運び方や拠点整備の制度です。条文で新たに役割が書かれているのは、物流事業者、荷主、倉庫業者、国・自治体などです。

📅 施行日と国会での経過

  • 施行日は公布の日から6か月以内で、具体的な日付は政令で定めるとしています。

  • 施行前でも、国土交通大臣は中継輸送に関する基本方針をあらかじめ定めて公表できます。

  • 政府は、施行後5年を目途に見直しを行うとしています。

  • 国会では、法案は2026年3月6日に提出され、4月10日に衆議院国土交通委員会で可決、4月14日に衆議院本会議で可決され、同日参議院に送付されました。

🔗 参考リンク


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