上高地方面に天使の梯子を見て-長野旅行記(11)-
8月に出張で松本に行った。
不意に見た光芒に感激する
その際に、唐突に「天使の梯子(レンブラント光線や光芒、薄明光線とも)」を見た。
以下が写真である。写真では伝わらないかもしれないが、これを唐突に見かけると、神々しさを感じる。犀川の流れで涙したことがあるが、天使の梯子には絶句してしまった。



光の出どころは上高地
この光の方角は穂高連峰の「上高地」だった。一昨年に来日した英国人一家が上高地を訪ね、「amazing!」と語っていたのを飲みながら聞いたが、当時は「紅葉の日本に驚いただけだろう」とさほど興味を持たなかった。
ただ、このような現象を目にしたら興味を持たずには居られない。上高地は"神"高地という人もいるが、上代特殊仮名遣いではkamiとkamÏは別な音として区別されるので、上にいるから神というのは否定されたいて、その由来は嘘っぱちだ。
とはいえ、僕自身が神々しさを感じた事実は間違いない。
以前、安曇野の穂高にある穂高神社⛩️に行ったが、その奥宮も上高地にあるのだ。
社員旅行の行き先を上高地にしようとしたらブラタモリ効果に直面
今週月曜に社員旅行の行き先を決めた。日程だけ抑えて、行き先や旅程は直前に決める計画的無計画、いや、無計画的計画をするどベンチャーなので、上高地は予約が取れなかった。
メンバーいわく、ブラタモリで10月頭に上高地が取り上げられていたそうだ。ブラタモリは見たことがないが。テレビは、人気化するよね、、、だから若手の提案で上高地のそばの乗鞍高原の宿を取ったのだ。
上高地は、雪深く、11月中旬になると閉山する。そして、自家用車が入山制限されていて、タクシーかバスに乗り換える必要があるなど、なかなかに難易度の高い場所だ。
百名店のそばを食べる
ということで、早朝に特急あずさに乗り、松本につく。雲一つない快晴。
そばの百名店「三城」にて昼食をとった。
おかみさんの存在感が強い良店だった。日本酒→そば→お漬物→そば湯→デザートで税込2000円は驚き。


道の駅に唐突にある稲核風穴
松本周辺で用を済ませた後に、カーシェアで乗鞍高原に向かう。梓川に沿って、赤く染まろうとする紅葉を横目に運転をする。
時間が遅くなったが、道中で道の駅に立ち寄った際に稲核風穴(いねこきふうけつ)があったので観光する。ここはブラタモリでも紹介されていたそうだ。かつては養蚕に使われ、現在は酒の熟成に使われている。

養蚕といえば、富岡製糸場も荒船風穴を含めて世界遺産を構成していた。風穴の温度は温度が大切な産業と関わりが深いものなのだろう。
稲核には、稲核菜というこの地域の固有種がある。稲核菜は、伊那市の羽広菜と並び、信州の三大漬物野菜なのだとか。知らなかったため買わなかったが、次回必ずや。
集落の沈む奈川渡ダム
次に、奈川渡(ながわど)ダムにも立ち寄る。読みにくい名前だが、奈川という川の渡しということなのだろうか。かつて幾つかの集落がこのダムに沈んだ歴史があるそうで、いわくはあるが非常に美しい。


ちなみに、以前黒部ダムを訪れた際に「ダムカード」を入手したが、奈川渡ダムにもダムカードがあり、道の駅風穴の里で写真を見せるともらえる。
奈川渡ダムはアーチ型のダムでは国内3番目の高さを誇るらしい。
自家用車が入れない場所-上高地-
さて、ここを抜けると上高地になる。
前述の通り、上高地は自家用車が通行止めになっている。
沢渡(さわんど)というあたりに車で差し掛かると、車を降りて乗り換えを促す看板がでてくる。このため、初日はここで引き返し、目的地の乗鞍高原に向かった。
ただ、翌日岐阜方面に向かう際に分かったこととして、沢渡で折り返す必要はなく、もう少し先まで行ける。「中の湯」より先に直進できないだけで、岐阜方面にいくには沢渡よりも先で左折することになるのだ。
ちなみに中の湯は温泉で、つづら折りの道の途中にあるそうだが、今回は温泉が目的ではないため立ち寄らなかった。17時退館だが、このあたりでは比較的遅くまでやっている方だ。
そもそも、このあたりが高地なのは、日本のプレートが衝突したことで隆起したことによるもの。火山や温泉、鍾乳洞があるのもそれに由来する。この話は近日書きたい。
野生のキツネを見る
乗鞍高原の宿に行く道中には、猿やキツネがいた。もちろん、今流行のクマも出るらしいが、幸運にも出会わなかった。


夜空の星を見る
ホテルでは、夜に星の鑑賞会がある。20時の気温は0℃くらいだった。寒い。ただ、冬はマイナス20℃になるらしいのでそれよりは良い。

今日はたまたまレモン彗星などが見られる日だった。ただ、さすがに肉眼では見られないとのこと。ガイドさんの案内で、空に星座を認識できた。空気のきれいな地方で夜空を眺めることはあっても、ガイドさんに説明してもらうことはないのではじめて夜空に星座を認識したかもしれない。プラネタリウムとはまた違う質感がある。
白骨温泉はなぜ白骨か?
沢渡と乗鞍高原の間には「白骨温泉(しらほね)」がある。2004年に温泉偽装問題の発祥の地となり、日本中の温泉がそうした行為を見直し、転換点となった場所だ(今はそうしたことはない)。
白骨とはおどろおどろしく見える名前だが、長野の旅では目にすることが多いと感じる。つまり、他の地名より認知されている。ネーミングとしては良いものだ。名前の由来は、元々は石灰岩が凝固し、白い船に見えることから白船だったそうだ。それが、大正の小説「大菩薩峠」で白骨として紹介された際に、定着に向かったらしい。

僕たちは2日目の夕方に日帰り入浴で行ったのだけれど、1630を過ぎると煤香庵一択となる。ここなら1830までやっていた。

卵の腐った臭いの温泉に関するメモ
泉質は硫黄泉で入浴後はしばらく身体が臭い。硫黄泉は、単に卵の腐った臭いがすると理解していたが、硫黄泉にも、ph値があり、酸性よりかアルカリ性よりかで効能が違う。
表皮と硫黄が化合して硫化するとかではなく、硫化水素ガスの分子が小さいため、角質、表皮、血管まで浸透していく。その際に血管のカルシウムを減らしたり、一酸化窒素の生成を助けたりして、その結果、リラックス効果があるらしい。なるほど(理科を勉強したので、前より少し理解できるぞ。)
認知度の低いあゝ野麦峠
余談だが、道中には「野麦峠」があった。かの「あゝ野麦峠」の野麦峠かなと思ったらそうだった。自ら読むテーマの本ではないので教科書に載っていたかなと思ったら、教科書にも載っていたようだ。
野麦峠を越えて、「養蚕」をするために岡谷へ向かっていたとか。
あゝ野麦峠は、大正から明治にかけての労働環境についた書かれたものだが、もはや今の若者に理解できる気がしない。もはや文化的につながっていない気がする。実際に、メンバーは誰一人「あゝ野麦峠」を知らなかった。口承で伝わらなくなった時代は現実感を失い歴史となる。もはやノンフィクションではなく歴史小説なのだ。
今後は、ブラック企業戦記みたいなものを載せる方が、ノンフィクションとしては良いと思う。
(今回は戸隠について書く予定だったが、順番が前後したので戸隠については後日書きたい。)
この旅の続きはこちら
前回はこちら
