♭08-2 続 そんな事はどうでもいい
「もういい! 弁護士に相談に行くッ!!」
そう言って、
その工務店さんは立ち上がりました。
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前回の記事を読んでないようでしたら、
先に こちら をお読みください。
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この時点で私には既に技術的な
確信がありましたので、
静かに言いました。
「それは構いません。
ただ、裁判になった場合の
原告は誰になるのでしょうか。
あなたですか。
それともお隣の発注者さんですか。
そこによって弁護士費用の負担も
変わってきます。
今の状況下で物別れになった場合には、
争点整理から始まるので、
弁護士費用は、《ま~ま~の価格》に
なると思われます。
短気を起こす前に、まずは発注者さんと、
そのあたりを
整理されてからの方が良いと思いますよ。
それとも、
先走って、裁判関連費用はすべて
ご自身で負担されるおつもりですか?
今の状況であれば、
こちら側から法的手続きを検討することも
できますが、
その方がよろしいですか?」
工務店さんは立ったまま動きませんでした。
「まぁ、お座りください」
そう促すと、無言のまま席に戻りました。
私は親戚の目を見ながら、
小さく頷きつつ話しを続けました。
「こちらは調停でも裁判でも構いません。
何なら私を被告にしていただいても結構です。
ただ、このまま物別れでは、
お互いに時間も労力も使うことになります。
法廷に持ち込む前に、
現時点での争点を整理しておきませんか?
その方が時間的なロスがなくなります。
つまり、弁護士費用も削減できますよ」
しばらく沈黙が流れました。
そして私は、
「先ほどのお話について、
改めて、
私から少し反論させていただきます。
今度はあなたが
ちゃんと最後まで聞いていただき、
必要なら後でご意見を伺います。
そして、
私も調停もしくは裁判に備えて、
さらに詳しい所見をまとめるようにします。
よろしいですよね」
そう前置きして説明を始めました。
まず、
・コンクリートとモルタルは別物であること
・本来コンクリートを施工すべき箇所に
モルタルが使われていたこと
・しかも鉄筋が入っていなかったこと
つまり、
見積り内容とは異なる施工が
行われていたことを見積書と
照らし合わせながら説明・確認しました。
さらに、
・モルタルには
構造体として期待できるほどの
強度がないこと
・モルタルは接着剤ではないこと
・目地コーキング材も接着剤ではないこと
についても説明しました。
そして最後に尋ねました。
「今お話しした範囲の内容について、
争点は存在していますか?」
工務店さんは何も答えませんでした。
私は言いました。
「では本日はここまでにしましょう。
お互いに持ち帰って検討し、
法廷で争うのかどうかについて判断することにしましょう」
その日の話し合いは、それで終わりました。
・・・
翌日のことです。
親戚から連絡がありました。
その工務店さんは、
お隣の発注者さんと一緒に
謝罪に来られたそうです。
「見積り内容どおりに工事をやり直します」
とのことでした。
正直なところ、私は驚きませんでした。
技術的な争点がなくなれば、
残るのは事実だけだからです。
・・・
実はこの工務店さん、
私の親戚宅の外構工事を請け負った後、
続けてお隣の工事も請け負っていました。
そして施工上の都合から、
施工したばかりの親戚の
玄関アプローチの上を重機やダンプで
通行していたようです。
具体的には、
お隣さんの入口が狭かったので、
現場への進入経路として、
施工したばかりの、
(普段はその家に居住していない)
私の親戚家の敷地を無許可で利用していたのです。
ところがそのアプローチは、
見積り上は鉄筋の入った《コンクリート》土間
であるはずなのに、
実際には無筋の、しかも《モルタル》で
施工されていました。
残念ながら、
元請けとしての管理が十分に行われていた、
とは思えませんでした。
結果として、
見積り内容とは異なる施工が行われていたのです。
つまり、元請けとしての工事管理はせずに、
勝手に見積り内容を変更していたのです。
さらに、お隣の工事を安くあげるために、
(普段居住していないことを良いことに)
無許可で他人の敷地を通っていたのです。
お隣さんがそれに同意していたのかどうか
までは追求しませんでした。
さらに、
元請けさんが下請さんに工事内容の変更を
指示していたのかどうかまでも追求していません。
※協議の際に少しだけつついていましたが
この工務店さんに対する私の感想は、
あえて書きません。
皆さんはどう思われるでしょうか。
・・・
実は、私自身も似た経験があります。
ある日、お隣の外壁塗装工事のために、
境界フェンスを越えて私の敷地に足場が組まれ始めていました。
もちろん事前の相談も依頼もありません。
しかも施工したのは
大手ハウスメーカーでした。
さて、
あなたならどうしますか。
建築トラブルは、
傾いた塀や壊れたフェンスそのものが
問題なのではありません。
本当に問題なのは、
「契約した内容が守られているか」
「利害関係者に
キチンと説明ができているかどうか」
ということです。
そして、その確認を怠れば、
被害を受けるのは施主かもしれませんし、
施工者自身かもしれません。
だから私は、
工務店さんが口にしてしまった、
「そんな事はどうでもいい」に
違和感を憶えたのです。
「そんな事」にこそ問題点が潜んでいる
可能性を感じたからです。
感情論や言い訳ではなく、
まず確認すべきは事実です。
そして、
誰かが「そんな事はどうでもいい」と
言ったときほど、
本当はそこに重要な問題が
隠れているのかもしれません。
もし同じような場面で迷ったら、
一人で抱え込まず専門家に相談してください。
もちろん、
この質問箱にご質問いただいても構いません。
「二世帯住宅の続きはどうなったの?」
「土地探しの続きは?」
でもかまいませんよ。
書く分野が多すぎて追いつかずにいますので、
希望があればご遠慮なく《質問箱》へどうぞ。
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