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フランソワ・オゾン『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』パパ、まだ神を信じている?

神父ベルナール・プレナは1980年代から1990年代にかけて、スカウト運動に関与した少年たちに性的暴行を加えていた。被害者の一人アレクサンドルが事件から30年近く経ってから神父と対面すると、彼は事件も自身の小児性愛的志向も認めながら未だにスカウト運動の指導者として子供の近くで活動していた。そして、リヨン大司教はそのことをバチカンに報告しなかった。アレクサンドルは訴えを起こし、フランソワ、エマニュエルといった被害者たちと共に立ち上がる。ここから想起されるのは勿論『スポットライト 世紀のスクープ』であるが、どちらかと言えばハリウッド的なエンタメに振り切れた、仰天ニュースの再現ドラマっぽい同作に比べると、落ち着きすぎた本作品の"もっさり感"はどうしても感じてしまう。それは、家族を持った被害者が立ち上がることに悩んだり、過去に性犯罪を告発しなかった両親や家族に反発したり、彼らの子供の視点が入ったり、回想が挿入されたりなど多角的に被害(者)に寄り添い、そのおかげで上映時間が無限に引き伸ばされていくという良い意味も含むが、深い社会批判性に対して、メールの文面を読むだけで20分消費するなど映画的には鈍重で全く上手くないという、いかにもベルリン的な作品と言わざるを得ないのも事実である。

もう一つ異なる点は、ヴィランを倒してハッピーエンドを迎えるハリウッド映画と比べ、本作品は教会の隠蔽体質にメスを入れようとする。一連の出来事を前に蜥蜴の尻尾切りで逃げおおせた教会は何も変わっていないだろう。ある過去において犯罪被害者が勝利したというオセンチ歴史ものには決してしない、これからも永遠に続くかもしれない闘いの幕開けとして、本作品は存在しているのだ。

"パパ、まだ神を信じている?"という質問に含み笑いで返すアレクサンドル、で終わればもう少し"一寸先は闇"という未来を暗示できたかもしれない。いや、やはり感傷的すぎるかもしれない。

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・作品データ

原題:Grâce à Dieu / By the Grace of God
上映時間:137分
監督:François Ozon
公開:2019年2月20日(フランス)

・評価:60点

・ベルリン国際映画祭2019 コンペ選出作品

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