ちょっと休憩【子宮がん検診に付いてくるオプション】オバハンの独り言―28
先日、子宮がん健診に行った
この歳になっても
診察台に上がるのはどうも苦手で
たぶん20代の頃の
"あの言葉"がトラウマになっている
初めて子宮がん検診を受けた20代
私はかなり緊張していた
診察台に上がり
もちろん下着はつけていない
内股で小さくなりながら待っていた
カーテンの向こうに医師が現れた
ただでさえ緊張しているのに
余計に体がこわばる
そしてさらに内股になる私
そんな私に医師が一言
「もっと足開けて!」
分かっているけれど
足に力が入ってしまう
すると医師は少しイライラした声で言った
「処女でもあるまいし…
子供も産んでんねやろ!」
あまりにもデリカシーのないその言葉に
私は凍りついた
診察がどう終わったのかも覚えていない
帰りの車の中で
悔しくて泣いた
もちろん
その婦人科へは二度と行っていない
行くわけがない!!
そんな苦い思い出があるせいか
今でも婦人科は少し緊張する
⸻
今通っている婦人科の院長先生は
本当に優しい
診察中も緊張をほぐそうと
世間話をしてくれる
「らくーにしてな」
と優しく声もかけてくれる
この先生のおかげで
検診も苦にならなくなった
数年前
先生があまりにもやつれていたので
「大丈夫ですか?」
と聞いてみた
すると先生は
「嫁からDVを受けてて…」
と話し始めた
そこから診察そっちのけで
先生の話を30分聞くことになり
挙げ句の果てに婦長さんに
「長いですよ!」
と叱られる私達
そんなこんなで
私は毎年この婦人科で健診を受けている
そして昨日も診察が終わった後
先生の最近の様子を聞いてみた
どうもあまり人生がうまくいっていないらしい
項垂れる先生
また話し込んでしまった私達
婦長さんが
またこちらをジロリと見ながら
ちょっと呆れ顔
私は慌てて
「あんまり無理せんといてな、先生」
先生の肩をぽんぽん叩いて
病院を後にした

思えば
年に一度先生の近況を聞くことが
私のがん検診セットになっている
先生もなかなか波乱万丈やな…
来年もきっと
診察結果より先に
「先生、その後どうですか?」
と聞いてしまうんやろなぁ…
引っ越しをして少し遠くなったのに
私はいまだに病院を変えられない
先生の腕を信頼しているからなのか
先生の人生が心配だからなのか
その辺はもう
自分でもよく分からない

次回
#66 【愛おしき最下位の息子】息子の話⑤
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【オバハンの独り言】
【二億円】を使った母の話
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