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脱資本主義的コミュニティに日本の未来がありそうな話


前回、こんな記事を書きました。



人間の欲望に根差したイデオロギーである資本主義は、浮沈を繰り返しつつこれからも社会の主流となり続けることでしょう。

しかし、格差を広げ、地球環境に負荷をかけ、人々を際限のない競争に駆り出す資本主義にはもうお腹いっぱいなんですけど、、、と感じている人も多いようで、資本主義に代わるスタイルの模索が近年では活発化しているようにも見受けられます。




脱成長と共同体感覚


その代表作ともいえる『人新生の「資本論」』の中で、このままでは人類が生き延びるための地球環境を維持できないことを示しつつ、資本主義による人類の歴史を終わらせないためのカギは「脱成長のコミュニズム」とされています。



脱成長のコミュニズムでは例として、

  • 経済成長とCO2排出削減の両立はもはや不可能であり、経済成長を追求するのでははく、環境的な上限の範囲内で経済システムを構築

  • マーケティングや広告といったGDPをかさ上げするためだけの無意味な労働(いわゆるブルシット・ジョブ)をなくし、水・電力・医療・教育といった人々の生活に必要なものを「コモン(共)」として、コミュニティの中で民主的に管理

  • 資本主義と関係の強い「独占(個人的所有)」とそれにより生じる支配・従属関係から、対等な関係として相互扶助が行われていくコミュニティへ転換し、持続可能な循環型経済を目指す

とあり、多くの点で共感できます。

そこには、個人の欲望を追求する考え方から、みんなにとっての最適解を模索する考え方へのシフトが根底にあるのでしょう。

今日の先進国のような、ある程度豊かになった国では、経済成長と人々の幸福度に強い結びつきがあるわけではないことから、こういった価値観の転換は自然な流れであるようにも思います。


これは、アドラー心理学における「共同体感覚」とも符合します。



本書では、すべての悩みは対人関係であり、人々の競争がベースにある限り、対人関係の悩みは尽きず、不幸から逃れることはできない、とされています。

そして、この悩みから解放されるための鍵概念、つまり対人関係のゴールは共同体感覚であり、人は他者の幸せを願うことで自立し、共同体感覚にたどり着く、とあります。

共同体感覚とは、他者を仲間だとみなし、「そこに自分の居場所がある」と感じられること。

確かに、自己の利益ばかり主張する人は孤立していくものです。
たとえ大金持ちでも、孤独な人生であれば幸せとはいえないでしょう。

これも、「わたしの」→「わたしたちの」への発想の転換であり、脱成長のコミュニズムを推し進めるにあたっても、この概念が土台となると思います。

これをいきなり地球規模で行うのは難しいかもしれません。

しかし、小さな単位で行っている地域や社会は確かにあり、現在は、資本主義によって失われてしまったコミュニティを再生する方向へ少しずつ流れている、、、といったところでしょうか。


北海道のとある町の話


さて、脱成長のコミュニズム、共同体感覚と聴いて思い浮かんだ町があります。
北海道にある東川町というところです。

東川町は、旭川市に隣接し、大雪山の麓に広がる人口約8000人の町。
農業や木工家具、写真、水道のない町として有名です。(飲み水は100%地下水、おいしいです)



なんといっても、町づくりが面白い。

北海道全体では急速に人口が減少している中、東川町は30年近く人口が増え続けており、放っておいたら移住者がばんばん入ってくるほどの魅力ある町です。

しかし、現在は人口を増やすための政策はあえてせず、人口を維持していくことを目標としています。

これは規模を追求せず、適度な経済や人口を持続させていく、脱成長のコミュニズムにも通じる姿勢のように感じます。



私自身も大雪山での登山やバックカントリーのために東川町をよく訪れますし、滞在もしています。

感じることは、町全体が自然と調和しており、素朴で静かなことです。
住宅やお店は町の雰囲気に馴染むようにつくられながらも個性的です。
自然を満喫できる、隠れ家的な宿もあります。




FOX CONTAINER HOTEL 自然に帰りたい人たちのための、人間社会の最前線基地


これからも世界中で、東川町のようなコミュニティが少しずつできていくことでしょう。

経済成長を第一としないがゆえに、コミュニティの規模は大きくならないし、多額の金銭をつぎ込んだ広告活動もしないのでしょうけれども、魅力的で上手くいっているコミュニティは自然と話題になっていくものです。

それは、この資本主義が世界の隅々まで浸透した世界にとっての「路地裏」のように、不可欠な存在ではないでしょうか。


そしてこのブログも、ひとつのコミュニティの場として、世知辛い資本主義社会を行き来する人にとっての「あずまや」でありたいと思うのです。



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きつねのあずまや 旅の途中でお世話になった現地の方に、「〇〇さんからのオゴリです」とビールをごちそうします。