第4章:Antigravityを「最高の部下」にするマネジメント術 〜「Allow(許可)地獄」と「空回り」を賢く乗りこなす〜
前回の記事の続きからになります。
https://note.com/kitchan_it/n/n86084f5ad1db
私が実際に「AI英会話アプリ」を開発した体験談ですので、使い方が間違ってたりアドバイスがありましたらコメントください。
最強のAI専門家チーム(SKILL.md)を召喚し、本家Geminiが作った完璧な企画書を渡す。これで私は「監督」として椅子にふんぞり返って、コーヒーでも飲みながらアプリが完成するのを待つだけ……。
——と、最初は思っていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。いざ開発をスタートさせると、とんでもない「壁」が待っていたのです。それが「Allow(許可)地獄」です。
優秀すぎるがゆえの「過保護な部下」
AntigravityなどのAIエージェントは、パソコンの中のファイルを書き換えたり、コマンドを実行したりする「強力な権限」を持っています。そのため、セキュリティ上の配慮から、初期設定では非常に慎重な動きをします。
「新しいフォルダを作ってもいいですか?(Allow/Deny)」
「このファイルにコードを書き込んでもいいですか?(Allow/Deny)」
「ブラウザを開いてテストしてもいいですか?(Allow/Deny)」
なんと、彼らは何かアクションを起こすたびに、いちいち私に「Allow」や「Accept」の承認を求めてくるのです。 最初は「おっ、ちゃんと確認してくれて偉いな」と思ってポチポチと許可ボタンを押していましたが、開発が進むにつれてその回数は数十回、数百回と膨れ上がります。私が画面の前から少しでも離れると、部下たちは「許可待ち」でピタッと作業を止めてしまうのです。これでは全然自動化されていません!
マネジメント術①:Allowの承認を「なるべく少なく」設定する
そこで私が設定として最初に取り組んだのが、「Settings - Antigravity」でした。まぁ初期設定はおすすめ選んでたので、後から設定ですね笑
ちなみに、実験も兼ねてこの設定は結構緩め、効率重視のため、仕事で使うPCで利用する際は、セキュリティ重視で設定した方がいいです。この設定は自己責任で。

Antigravityの設定で、「この範囲の作業なら、いちいち私の許可を取らなくていいよ」と、Allowの承認をなるべく少なくするようにルールを決めたのです。
・Review Policy:Always Proceeds
・Terminal Command Auto Execution:Always Proceeds
※ターミナルも.agent/rulesでテキストファイルにルールプロンプトを入れておいた方がいいみたいです。AI専用PCあれば大丈夫かな。
すべてをチェックにするのは怖いですが、信頼できる作業については「自動実行」をAllow(許可)にチェックをしています。この設定をした瞬間、Antigravityの真のパワー(自律性)が解放されました。人間がつきっきりでハンコを押し続けなくても、猛スピードで「Shabetto」の形が出来上がっていく様子は圧巻でした。
注意:Agent Non-Workspace File Accessは、ワークスペース外のフォルダを開くので、オフのままがいいと思います。このフォルダ内でなら自由に遊んでいいよ!って環境を作ってあげるの大事かなと思いました。GitHubに連携させてバックアップは大事です。
マネジメント術②:部下の「空回り」を止める技術
自動化によって開発スピードは爆上がりしましたが、もう一つ重要な仕事があります。それは「部下の暴走を止めて、軌道修正すること」です。
AIは非常に優秀ですが、時折パニックになり「無限ループ(同じ失敗の繰り返し)」に陥ることがあります。私が実際にやってみて特に多かったのが、「必要な材料を持っていないのに、勝手に実行しようとしている」パターンです。
ログインIDやパスワードを知らないのに、ログイン画面を突破しようとする
VRMファイルや画像素材がフォルダにないのに、読み込もうとしてエラーになる。勝手にVRMファイルを分解して、エラーになる。
APIキーが設定されていないのに、外部サービスと連携しようとして弾かれる
部下(AI)は「なんとか解決しよう」と健気に何度もトライしますが、材料がない以上、何度やっても結果はエラーです。鍵を持っていないのに倉庫を開けようとガチャガチャやっているような、この「空回り」を見逃さずに止めてあげるのが監督の仕事です。
まずは勇気を持って「ストップ」をかける:
「ちょっと待って、今君が探しているファイルはまだ用意していないよ。一旦止まろう」と、無駄なリピートを停止させます。必要な「材料」を渡してあげる:
「ログインして動作確認したらこうだったよ」「VRMファイルはこのフォルダに置いたよ」と、足りない情報を具体的に与えます。解決しなければ、本家のGeminiに相談する:
どうしても解決できないエラーは、エラー文をコピーして本家Geminiに「うちの部下がここで詰まってるんだけど、いい解決策はない?」と相談し、もらったアイデアをAntigravityに伝えます。
マネジメント術③:いきなり全部作らせない!
「最初から完璧なアプリを作って!」と欲張ると、AIも混乱してエラーの迷宮に迷い込みます。Geminiと作った「要件定義書」をAgent Managerに渡して、順番に機能を実装し、ブラウザで確認する作業を行わせました。
• ステップ1:VRMをブラウザに表示させる
• ステップ2:Gemini APIでチャットできるようにする
• ステップ3:BYOKでAPIキーを設定できるようにする
• ステップ4&5:キャラクタープロンプトの実装と設定画面の構築

このように「最低限の機能から順番に実装する」ことで、複雑な機能も確実に形にできました。今ではユーザーから「ここを直して」とフィードバックがあれば、AIに伝えて数分でアップデートが完了します。この「秒速で改善が回っていく感覚」は、一度味わうと抜け出せません。
Editor と Agent Manager の役割分担を知る
Google Antigravityを立ち上げると、2つの主要な画面を使い分けることになります。一見すると似ていますが、その役割は決定的に違います。
1. Editor(エディタ):使い慣れた「職人の机」
Antigravityを開いて表示されるのがこの画面です。
• 見た目: まさしく VSCode(Visual Studio Code) そのものです。左側にファイルツリーがあり、中央にコードが開かれ、ターミナルが下にあります。
• 役割: 「人間が直接手を下す場所」です。AIが書いたコードを微調整したり、手動でファイルを保存したり、従来の開発スタイルで作業を行うスペースです。
ポイント: VSCodeを使い慣れているエンジニアなら、違和感なく入り込める「実家」のような安心感があります。拡張機能や使い方もそのままです。
2. Agent Manager(エージェントマネージャー):戦略を練る「指揮官のモニター」
メニューバーから切り替えるこの画面こそが、Antigravityの真骨頂です。
• 見た目: チャット画面を中心とした、タスク管理ボードのようなUIです。
• 役割: 「AIエージェントに仕事を丸投げし、監視する場所」です。ここで「このエラーを直して」「VRMの読み込みロジックを実装して」とタスクを投げます。
ポイント: AIが裏側でどのファイルを読み、どのコマンドを実行し、どんな思考プロセスを経てコードを生成しているのかが「ログ」としてリアルタイムに流れます。まさに「部下の仕事ぶりをチェックする」ための画面です。
なぜ使い分けが重要なのか?
「Editor」だけで作業しようとすると、AIは細かい作業をこなすエンジニアになってしまいます。逆に「Agent Manager」だけに頼り切ると、AIが小さなミスでループに陥った時に修正が効きません。
私の使い方はこれです:
1. はじめに「Agent Manager」 で大きな方針(プロンプト)を伝え、AIに一気にコードを「書かせる」。
2. AIが書いたコードを「Editor」でサッと確認し、人間特有の「指定のデータ」を入れたり「直感」で微調整を指示する。
3. 再び 「Agent Manager」 に戻り、「微調整したから、これをベースに次の機能を実装して」とバトンを渡す。
この「Editor(具体的な作業)」と「Agent Manager(マネジメント、抽象的な作業)」を高速で往復することがいいかなと、使ってみて思いました。
これこそが、AIエージェント時代における「人間の本当の役割」かなと思います。 人間はコードを書く必要はありません。しかし、AIに任せるところは任せ(Allowを減らし)、材料不足で迷子になったら道を示してあげる。この「マネジメント能力」こそが、現段階ではモノづくりで最も求められるスキルだと強く実感しました。まだAGIに到達してないので今の話になります。
現段階では、極端な仕様変更や矛盾は、苦手っぽいので、初めに何を作りたいか具体的な仕様は固めておいてくださいね。
こうして、時に指定のフォルダ内でAIを自由に走らせ、時に軌道修正をしながら、ついに念願の「喋るVRM英会話アプリ」のプロトタイプが完成したのです!

AI×VRM英会話アプリ「Shabetto (シャベット) 」を公開!
現段階のAIが再現できないのは、アニメーション部分ですね。
VRMのアニメーションに詳しい方がいましたらアドバイスください。
※ご利用にはご自身のAPIキーを作成してください。APIキーの取り扱いには十分に気を付けてください。使った分だけの従量課金になります。知識がない人は無料枠があるのでクレカ登録は辞めておいてください。
APIキーについては「Gemini APIについて」参照してください。
gemini-2.5-flash / Gemini 2.5 Flash Native Audio を採用しています。基本的に「通話」機能をご利用ください。
プライバシーやセキュリティを考慮してVercelで実装したサーバーレスのBYOKのWebアプリです。データはローカルストレージに保存されるので私は一切データの取り扱いがありません。詳しい話は、次の第5章でお話しします。APIキーについて知りたい人は調べるか次の投稿までお待ちください。
Sabettoの会話画面右上の設定からプロンプトや声、VRMデータの切り替えなどできるようにしたので英語教室の先生や生徒たちには喜んでもらえました!
第5章 こだわりの「0円運営」と、自分の身を守るための「情報リテラシー」へ続く……!
最後まで読んでいただきありがとうございました!気軽にスキ、コメント(ご意見・ご感想)をいただけると、とても嬉しいです。
いいなと思ったら応援しよう!
最後までお読みいただきありがとうございました!サポートもとても嬉しいです!