見出し画像

タロットカードと猫〜第4回「悪魔」猫の粗相と、わたしの中の悪魔

「愚者」のカードがとても猫っぽい……という話をしましたが。

一方、とても人間らしいのは、「悪魔」のカードだと思うのです。

22枚のタロットカード大アルカナの中で、最凶の札のひとつですが……。

左「CAT CARE TAROT」愚者のカード、右ウエイト版(「タロット占いの教科書」付属)

わたしは、猫野ぺすかさんが描いてくださったこの猫の「悪魔」がとても好きです。ちゃんと恐ろしく描かれているけれど、ふてぶてしいお顔が憎めないし、たっぷりしたお腹も親しみがある感じ(編集さんが言ってましたが、いろんな人から、この「悪魔」カード好評だそうです!)。
やっぱり、悪魔のカードは、すごく人間らしい。
身近にもいるし、私自身も悪魔になるときがあります。

西洋には、人を破滅させる7つの大罪というのがあります。
傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰
わがままで、欲深く、嫉妬深く、短気で、スケベで、大食らいの、ものぐさ!
要するに悪魔は、こういう悪に引きこむ存在であり、ギラギラした悪そのものでもあるわけですね。全部そろったらすごいですが、どれも人間らしいと思うんです。私自身も年を取って大分枯れてきましたが、それでも4〜5個はあてはまってます。たとえば朝寝坊してゴミ出し忘れて、通販サイトであれもこれもポチり、夜遅くにお菓子をバクバク食べて、イヤがる猫をぎゅうぎゅうします。

逆に正反対の7つの徳というのもあります。
謙虚、寛容、感謝、忍耐、純潔、節制、勤勉
ひかえめで、心が広く温かく、忍耐強く、清らかで、つつしみぶかく、真面目。
清く正しいし、良い人なんだろうけれど、人間としていまひとつ、つまらない感じがしませんか?
すごく我慢して無理している感じがします。逆に、悪魔の方が自然体だし、生物としてイキイキしているのは、悪魔の欲望が、生きることと直結しているからではないでしょうか。

生きるからには必ずついてくる様々な「欲望」が悪魔であり、さらに、悪魔のようなとは「限度を超えている」という意味でもあり、欲望が暴走して本当の悪魔になってしまわないように、誰もがコントロールしながら生きているのでしょう。

コントロールできないと、人を傷つけるだけでなく、自分自身も傷つきます。
うちの猫の話なんですけれども。
白猫のポルが、粗相(おしっこ)をしてしまう子だったのです。それも、間に合わなくてとか、間違ってじゃなくて、わざと。人が出かけて遅くなったりとか、気に入らないことがあると、イヤがらせに、じゃーっとするんです。ソファにされたら、もうほんと、悪魔の所業ですよ。もう、何度買い換えたか。

このソファも処分してしまいました💦

猫のおしっこって、洗っても落ちないんです。人には匂わなくても、匂いに敏感な猫には分かるので、1度おしっこしちゃうと、そこが「トイレ」になってしまうんですね。だから、最初は大汗かいて布団をお風呂場で洗ったりもしていましたが、同じ所にまたされてしまうので、結局、捨てるようになりました。そして安い布団を買って、しばらくしたらまたされて……。これは人間に対するものすごいダメージでもあるんですけれども。実は本人……ポルにとってもダメージなんです。自分のお気に入りの敷物とか、ソファとかが、おしっこしたせいで、無くなってしまうわけですから。結果的に、自分で自分を傷つけてることになるんです。
「ポルちゃん、あなたは自分で自分の居場所を無くしてるんだよ」

こういうことって、人間でもありますよね。実は、うちには壁に何カ所か、穴がありました。誰かがブチ切れて開けた穴です。
そのときの怒りと興奮にまかせて、何かを壊したり、人を傷つけたりすることで、結果的に、大切なものを無くしたり、大切な人間関係を終わらせてしまったり、自分も傷ついているんです。
「悪魔」は、人も自分も傷つけるんです。
傷ついてどうなるか?
その傷も痛みも、自分自身で受け止めるしかないんです。
自分の行動の結果は、自分に帰って来るんです。
ポルちゃんも、せっかくの居心地の良い場所が無くなっちゃったので、そのたびに別な場所にいきました。人間も、ブチ切れて壊れてしまったものや関係性を、我に返って泣いて悲しんで悔やんで、そして、自分で受け止めるしかないんです。

実はうちには、破壊の悪魔だけでなく、借金の悪魔もいたんです。借金が発覚したとき、大騒ぎになりましたけれども。泣いたり嘆いたり、ブチ切れたり。そして結局、その借金は、本人が何年もかけて自力で返しました。借金する人への対策法で、1番良くないのは、誰かが肩代わりしてしまうことだそうです。
猫だって、自分でしたことの結果を自分で受け止めなくちゃならないんです。布団に粗相したら、その布団は使えなくなるんです。
人間も、自分の不始末は、自分で受け止めるしかないんです。
それが生きていく、っていうことなんです。

ポルちゃんの粗相はだんだんと、無くなりました。避妊はしていましたが、ホルモン的なものが影響していたのかもしれません。若かりし頃の暴走に関してはわたし自身も、思い出すだけで「ひぃ〜」となる失敗ばかりしてきたので……。ポルちゃん自身も「きぃ〜!」っとなってしまう自分自身をもてあましていたのかもしれません。

「かかってこいや〜」なポルちゃん

悪人が、上手く逃げているように見える場合もあると思います。悪いことをしたのに、法の目をかいくぐって、贅沢三昧ウハウハしているように見えたとしても。
そう見えているだけで、実はちゃんとその報いは受けている、とわたしは思います。いくらお金があっても、成功しているように見えても、心の奥ではいつ捕まるかビクビクなのかもしれないし、誰からも信頼されなくなって孤立しているかもしれません。自分の不始末の報いはどういう形であれ、自分に返って来るとわたしは思います。

だからわたしは悪いことをしている人が「ずるい!」とは思わないし、怒りの気持ちもわいてこないんです。だって、その人の行為の結果は良くも悪くも、すべてその人に帰ってくるのですから。
ただ、怒りはなくても、好奇心はあります。悪魔的なふるまいって本当に人間らしいなぁと思いながら、観察しています。我ながら、ゲスいですね。そしてこういうゲスい好奇心もまた、人間らしいと思いませんか。

悪魔は、本当に人間らしいです。
本のトリビアページにも書きましたが、中世の悪魔は、もっとコミカルな存在だったそうです。中世の時代には、現代よりももっと、悪魔的な所業が当たり前にあったでしょう。そんな中、「悪」をコミカルに笑い飛ばそうとする、その心意気もまた、人間らしいなあと思います。

悪魔のカードを引いたとき、怖がるのではなく、嫌悪するのでもなく。
「やあ、ご同輩。またお会いしましたね。分かっちゃいました? 私だって分かってはいるんですよ。分かっちゃいるけど止められない、そういう気持ち、悪魔のあなたなら分かるでしょう?」
そんなふうに、カードと向き合ってみるのがいいのかもしれません。
「ああ、分かるさ。そしてその結果の始末をつけるのは自分だってことも、分かってるだろうな」
と、悪魔は、にやりと笑って言うでしょう。
そしたら、言ってやりましょう。
「ひどい! 悪魔っ!」と。


「心をケアする 猫タロット占い」

いいなと思ったら応援しよう!

高橋桐矢(たかはしきりや) ときたま、チップをくださる方がいて、…あわあわしてしまうのですが💦💦💦ありがたくいただいて、うちの猫さんへのおやつにしますね✨️

この記事が参加している募集