作業療法士が教える「メンタルを整える日常習慣」 崩れる前に気づける人が知っていること
※youtubeでのポッドキャスト始めました。ぜひこちらも聞いていただけると幸いです。下にスクロールしてもらえるとテキスト版があります。
メンタルが崩れるのは、突然じゃない。
気づかないうちに、少しずつ積み重なっていく。
作業療法士として15年働いてきた。HSPで、うつを経験した自分自身の体験もある。その両方から見えてきた「メンタルを整える習慣」を、今日は正直に話したいと思う。
メンタル不調はなぜ起きるのか、OT視点で説明する
作業療法の世界に、こういう考え方がある。
「役割(〜せねばならない)」と「意味のある作業(〜したい)」のバランスが崩れたとき、メンタル不調が起きる。
仕事、家事、育児。外からの要求に応えるだけの生活が続くと、自己効力感が低下する。「自分の人生を生きている感覚」が失われていく。
「やらなければならないこと」だけで埋まった1日を、何日も何週間も続けていくと、人間の心は少しずつ削れていく。
これはサボりでも弱さでもない。脳と心の、当然の反応だ。
私が実際にやっている習慣
【カフェインナップで仕事モードに切り替える】
職場まで車で10分。だから30〜40分早めに着いて、栄養ドリンクを飲んでから20分だけ仮眠する。
これが「カフェインナップ」だ。
カフェインが効き始めるのは摂取から20〜30分後。その間に仮眠を取ることで、目覚めた瞬間にカフェインの効果が現れ、頭がクリアになる。仕事モードへの切り替えがスムーズになる。
起きる時間は必ず一定にする。夜遅くなってしまうことはあっても、起床時間だけはずらさない。これが体内時計を安定させる最低限のルールだ。
【1人の時間を死守する】
HSPにとって、1人の時間は回復のための必需品だ。
私はゲームをする。読書が好きな人は読書でいい。何でもいい。ただ「生産性を度外視した、ただ好きでやっている作業」を1日の中に必ず確保する。
1日10分でもいい。その時間が、精神的な防壁になる。
夜更かしになってしまうのは、この1人の時間を確保しようとするからだ。家族が寝た後がやっと自分の時間になる。HSPや内向型の人間には、あるあるだと思う。
【利用者さんとの1対1が、逆に心を安定させた】
特養で働いていて気づいたことがある。
メンタルが崩れているとき、同僚と話すのは億劫だった。でも利用者さんと1対1で関わっているとき、不思議と心が落ち着いた。
仮面をかぶれる瞬間だった。「作業療法士」という役割に集中することで、自分の不安定さを一時的に切り離せた。
これは逃げじゃない。役割を持つことで人間は安定する。作業療法の本質でもある。
やめた方がいい「メンタルを崩す習慣」4つ
【①「やりたいこと」を後回しにし続ける】
「仕事が終わったら」「子どもが大きくなったら」「落ち着いたら」。
その「落ち着いたら」は永遠に来ない。
やりたいことを後回しにし続けると、知らないうちに「自分の人生を生きている感覚」が消えていく。1日10分でいい。生産性を度外視した「ただ好きでやっている作業」を死守してほしい。
【②睡眠直前まで情報のマルチタスクをする】
スマホを見ながら明日の段取りを考える。これが一番脳に悪い。
脳が副交感神経に切り替わるのを阻害するだけじゃない。未完了のタスク、いわゆる「オープンループ」を抱えたまま眠ることで、睡眠の質が著しく低下する。
寝る30分前には「脳のシャッターを下ろす儀式」が必要だ。スマホを置く。明日のことを考えない。それだけで睡眠の質は変わる。
【③「自分だけが頑張れば丸く収まる」という自己犠牲】
ISFJやHSP傾向がある人は特に陥りやすい。
周囲の調和を優先して自分をすり減らし続ける。作業療法では「環境調整」を重視するが、自分を環境に適応させすぎると、適応限界を超えた瞬間にポッキリ折れる。
「境界線を引くこと」も立派な生活技術のひとつだ。断る勇気を持つことは、自分という貴重な資源を守るための戦略的判断だと思ってほしい。
【④身体の微細なサインを無視する】
首のこり、呼吸の浅さ、食欲の微妙な変化。これを「気のせい」で済ませないでほしい。
メンタル疾患は、いきなり心が折れるのではなく、まず身体に予兆が出る。OTは身体と精神のつながりを見るプロだ。だからこそ言える。身体の違和感に気づけるのは、世界で自分一人だけだ。
1日に数回、自分の身体をスキャンする時間を持つこと。それだけでかなり変わる。
「本能」と「理性」のバランスが大事
好きなアニメに「ベイビーステップ」という作品がある。
そこにも出てくる考え方だけど、本能と理性のバランスは人生においても大事だと思う。
本能が強すぎると、やらなければならないことがおろそかになる。理性が強すぎると、やりたいことが後回しになって知らないうちに疲れてしまう。
「〜せねばならない」と「〜したい」のバランス。
これがOTとして、そして自分自身の体験から言える、メンタルを整える一番の本質だと思っている。
今日あなたに伝えたいこと
メンタルを整えるのに、特別なことは必要ない。
ルーティンを守ること。1人の時間を確保すること。やりたいことを1日10分だけ死守すること。寝る前に脳のシャッターを下ろすこと。身体のサインを無視しないこと。
どれも小さなことだ。
でもその小さなことの積み重ねが、メンタルが崩れる前に気づける人間を作る。
崩れてから治すより、崩れる前に整える方がずっと楽だから。
作業療法士・15年目。特養勤務。HSP・ISFJ。毎朝カフェインナップで仕事モードに入っています。
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桐の葉公式YouTube「作業療法士のポッドキャスト」
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