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見えていないところほど、多く見える。海の話。


前にこんな話を書いた。
この表は、地球にいる生き物の“重さ”を、場所ごとに分けて並べたもの。生き物全体で550(ギガトン)の重さになる。



さて、同じ表を見ていく。



海の生き物が、思ったより軽い。

地上 470
海 6

広さでいえば圧倒的だし、  
「生き物の宝庫」みたいなイメージもある。

実際、はじまりは海だった。  
長いあいだ、そこにしかいなかった。

でも、いまの重さで見ると6しかない。



イメージより圧倒的に少ない。

海の中はよく見えない。  
そのぶん、「まだいるはず」を思ってしまうのかもしれない。



で、この感じ、前に書いた野生の哺乳類も似ている。

野生の哺乳類 0.007  
ヒト 0.06

森の奥に、まだたくさんいそうな気がするけど、  
実際の重さは人間の10分の1くらいしかない。

広がっているように見える側が、思ったより軽い。



どちらも、減ったというより、  
見積もりのほうが大きかっただけかもしれない。

知らない場所に、少しだけ夢を足している。



「広い=多い」とか、  
「見えない=たくさんいるはず」という錯覚。



知る前は、全体がなんとなく豊かに見える。

知ったあとで並べ直すと、  
そのバランスが少し変わる。



見えていないところに余白をつくって、  
そこに多さを夢見てしまう。

知らないままでいることは、  
少しだけ、世界を大きく見せる。






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