書斎派アウトドア司書の冒険読書【南極&北極編】/『ながいながいペンギンの話』『北極のムーシカミーシカ』
暑い夏こそ、読書で「冒険」に出かけましょう!
「夏の冒険読書」の連載では、児童文学の名作たちを、
毎回1冊ずつ紹介してきました。
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「夏の冒険」は前回配本でいったん一区切り。
……ですが、夏の暑さはまだしばらく続きそうですよね。
ということで、今回は追加配本として、
「南極&北極編」をお届けします。
南極と北極、両極端の涼しさをお楽しみください!
……「両極」だけに(笑)。
南極読書
『ながいながいペンギンの話』いぬいとみこ(理論社)
今回は涼しさ重視で選びました。
何が涼しいって、これは、南極のお話ですからね!
そこらじゅう、氷だらけです。
涼しいですよ!!
本書は、双子のペンギン、ルルとキキが大活躍する冒険物語です。
「ルル」といえば…
そう、「くしゃみ3回、ルル3錠」でおなじみの風邪薬。
あれ、実はこの物語の主人公の名前からつけられたものなんです。
また、本書が刊行された翌年(1958年)、
日本の南極観測隊が「宗谷」で探検に出かけたとき、
この本も観測隊によって昭和基地へ運ばれたそうです。
そして、作者のいぬいさんの元へ
「ペンギン代表ルルとキキ」のサイン入りの便り
(昭和基地にある郵便局の消印つき!)が届いたとのこと……。
素敵なエピソードですね。
「第1回国際アンデルセン賞国内賞」を受賞した名作中の名作。
オリジナルは理論社ですが、岩波少年文庫にも入っています。
小学生低学年から自分で読む本として、
また、読み聞かせにもぴったりな本として、おすすめします。
こわいものしらずのおにいさんのルルと、おくびょうだけど心のやさしいキキが、力をあわせて危険をのりこえ、たくましくそだっていきます。
南極に生まれたふたごのペンギンの物語。
北極読書
『北極のムーシカミーシカ』いぬいとみこ(理論社)
同じ作者でもう1冊。
「第5回国際アンデルセン賞佳作賞」を受賞した、作者の代表作です。
北極に住む双子のクマ、ムーシカとミーシカの物語で、
こちらも、あたり一面、氷だらけです。
楽しいだけでなく、「生きること」の意味まで考えさせてくれる名作です。
知りたがり屋のムーシカと、いたずらっ子のミーシカは北極グマのふたごのきょうだい。母さんグマが目を離したすきに雪の穴を飛び出したふたりは、たちまちまいごになってしまいます。
友情、愛、正義を描く、心に残る名作中の名作。
さて、今回は、南極と北極、
両極端の涼しさを堪能できる2冊をご紹介しました。
南極・北極に生きるペンギンやしろくまに思いを馳せ、
地球温暖化についても考えてみませんか。
おまけ
今回紹介した2冊の本の共通点は、
主人公が「双子」であることです。
実は、作者・いぬいとみこさんの双子ものは、他に2種類あります。
双子シリーズ第3弾
『ぼくらはカンガルー』いぬいとみこ(講談社文庫)
オリジナルの理論社版は絶版ですが、講談社文庫版がKindleで読めます。
第4弾
《白鳥のふたごものがたり》シリーズ 全3巻
①『ユキとキララと七わの白鳥』いぬいとみこ(理論社)
②『ユキのぼうけんホノカのうた』いぬいとみこ(理論社)
③『ちいさいナナと魔女ガラス』いぬいとみこ(理論社)
残念ながら、すべて絶版です。
同じ中古市場でも、ちょっとプレミア化しているものと、
安価のものに分かれていますね……
愛蔵版
『四つのふたご物語』いぬいとみこ(理論社)
ここまでにご紹介した、ペンギン・しろくま・カンガルー・白鳥。
約30年に渡って書き継がれた4組の双子の物語をすべて収録した、
ブ厚い全1冊の愛蔵版です。
冒険好き、動物好き、双子好き(?)の方には、特におすすめですよ!
……と言いたいところですが、これも残念ながら絶版(涙)。
――前回の記事(冒険読書/神秘の島)で、
(過去に書いた「本の紹介文」が)「約20年のときを経て内容が古くなってしまった」と書いたのは、まさにこの状況のことです。
20年前は普通に読めた本でも、だんだんと入手が難しくなりつつあるんですね。
今回後半で紹介した本は、正直マニアックな部類かもしれませんが(笑)、
『ながいながいペンギンの話』と『北極のムーシカミーシカ』は、
幼年童話として、オールタイムベスト級の名作です。
いつまでも、一般書店で、子どもたちが手軽に手に取れる状態であってほしいものです。
児童文学への思い
最後に、前回記事に書いた内容と重複しますが、
改めて、児童文学への思いを。
私は子どもの頃、多くの本を読んで育ちました。
「冒険読書」の連載で紹介した本も、夢中で読んだ思い出の本たちです。
そして、「冒険読書」という企画は、私が30代の頃、子育てをしている時期に、近所の「子どもの本とおもちゃを扱う店」の会報誌に寄稿していたコラムで生まれたものです。
とはいえ、当時書いたコラムの原稿をそのまま使うことはできませんでした。
理由は、
・時事ネタ、地元ネタが満載だったため
・約20年のときを経て内容が古くなってしまったため
・当時は字数制限があり全然書き足りなかったため
……です。
気づけば、私も50代になりました。
今の私が児童文学を紹介するにあたり――
子どもの頃に夢中で読んだときの気持ちで書くべきか。
司書として、子育て世代に寄り添う気持ちで書くべきか。
それとも、大人になった今、もう一度読み返した気持ちで書くべきか。
いろいろな思いが交錯しますが……
間違いなく言えるのは、
私は、今も児童文学が大好きだということ。
本は、読むたびに新しい顔を見せてくれます。
子どもの頃の自分にも、
子育てをしていた自分にも、
そして、今の自分にも。
だから私は、これからも児童文学に関する記事を書き続けていきます。
今後は「冒険」以外のジャンルも幅広く紹介していきますので、
また、私と一緒に本の旅に出かけていただければ嬉しいです。
<小学生の頃の読書、児童文学への思いを綴った記事>
たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
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