書斎派アウトドア司書の冒険読書#7/『ハックルベリー・フィンの冒険』
暑い夏こそ、読書で「冒険」に出かけましょう!
「夏の冒険読書」の連載では、児童文学の名作たちを、
毎回1冊ずつ配本(紹介)していきます。
▶️バックナンバーは『夏の冒険読書ガイド』マガジンからどうぞ!
配本を届けたい方としては……
・子育てや教育に関わっている方
・読書好きの方/昔、読書が好きだった方
・日々の生活に疲れ、現実逃避したいと思っている方
つまり、これを読んでいる方、ほぼ全員ですね(笑)。
さて、第7回配本としてお届けするのは……
もはや“冒険少年”の代名詞である彼……の友達が活躍する作品です。
第7回配本
『ハックルベリー・フィンの冒険』
マーク・トウェイン(岩波書店)
前回、『トム・ソーヤーの冒険』を紹介しました。
その中で、
「トムが助演で出てくる作品もありますが、
それはまた別途ご紹介します。」
と書いたのが、本書になります。
天下無双の冒険少年トム・ソーヤーを脇に置き、
ミシシッピ川をいかだで下るハックの大冒険!
児童文学を超えて、アメリカ文学、
いや、世界文学を代表する名作です。
すべての近代アメリカ文学は一冊の本からはじまった。
それは、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』で、
すべてのアメリカ的作品の源だ。
この本以前にはひとつもなく、
それ以降にも、この本以上のものはない。
――アーネスト・ヘミングウェイ
すごいですね……
ノーベル文学賞作家にここまで激賞される作品。
これはもう、読むしかありません!
宇宙にまで持っていく本
この本にまつわるエピソードで、私が印象に残っているのは、
SF映画『ディープ・インパクト』(1998年)です。
巨大彗星が地球に迫る中、地球を救うため
宇宙船メサイア号が、彗星に爆弾を仕掛けに向かいます。
老いた飛行士が宇宙船に持ち込んだ2冊の本が、
『白鯨』と『ハックルベリー・フィンの冒険』でした。
「宇宙にまで持っていく本」には、
その人の人生や文化の核が詰まっている――
それは単なる冒険小説以上の価値があるということ。
何度読んでも新しい発見があり、
人生のあらゆるステージで響く奥行きがあるということです。
実際、私も、本書を今までに3回読んでいますが、
そのたびに、違う印象を受けました。
作品紹介と時代背景
<あらすじ>
主人公のハック(ハックルベリー・フィン)は、
ミシシッピ川沿いの町に暮らす少年。
酒びたりの父から逃げ出し、逃亡奴隷ジムとともに、
いかだに乗って川を下ります。
のどかな自然や風変わりな人々との出会い、危険な出来事、
そして「友情」や「自由」をめぐる深いやり取り。
旅の中で、ハックは「正しいこと」や「人としての誠実さ」
といった価値観に向き合い、大きく成長していきます。
<作者と時代背景>
マーク・トウェインは南北戦争後のアメリカに生き、
若い頃はミシシッピ川の蒸気船パイロットをしていました。
本書が発表された1884年当時、奴隷制度は廃止されていたものの、
人種差別や偏見は依然として強く残っていました。
そんな時代に、白人少年と黒人奴隷の友情を中心に据え、
南部の風俗を生き生きと描いたことは、大きな挑戦だったのです。
<ミシシッピ川と南部文化>
・ミシシッピ川
全長約3,780km。19世紀には蒸気船での物流が盛んで、
経済と文化の大動脈でした。
・南部文化
温暖な気候とプランテーション経済、
ジャズやブルースなどの音楽。
サザンアクセントや独特の生活リズムも特徴です。
📚️本書の作品世界には、南部の空気感がそのまま息づいています。
大人になってわかること
最初に読んだのは、小学生高学年の頃。
いかだでの冒険や野外生活は文句なく楽しめますが、
中盤はやや退屈。
終盤、トムが再登場してから、がぜん面白くなる!
という印象でした。
でも、大人になって読むと――
そこに描かれた人種差別、社会の矛盾、そして、
「自分の良心を信じることの勇気」が、より鮮明に迫ってきます。
「自由」とは何か?
「正しさ」とは何か?
川面を滑るいかだの静けさの奥に、
時代と人間の重さが流れているのです。
ちなみに、トムが出てきてからの印象は――
トムのあまりのかき回しっぷり、ぶち壊しっぷりにドン引き……
もう、「ちょっと黙っとけ!」と言いたくなるほど(笑)。
いや、それがトムなんですけどね。
終盤、ハックだけだったらどういう展開になったのかな……
と考えてしまいます。
こんな人におすすめ
少年時代の“夏休み感”を味わいたい人
友情や自由の意味を改めて考えたい人
アメリカ文学の原点を肌で感じたい人
今年の夏は、ミシシッピ川の風に吹かれながら、
ハックとジムの旅に出ませんか?
ページを閉じても、川面のきらめきと二人の会話が、
きっとあなたの心に残ります。
大人の方には、Kindle Unlimited対象の、
光文社古典新訳文庫という選択肢もあります。
さて、今回の「配本」、いかがでしたでしょうか。
「冒険読書」の連載では、これからも、児童文学の名作を、
週1くらいのペースで「配本」していきます。
あなたの心に、冒険の火が灯りますように🔥
<関連note>
たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
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