書斎派アウトドア司書の冒険読書#4/『ロビンソン・クルーソー』
暑い夏こそ、読書で「冒険」に出かけましょう!
「夏の冒険読書」の連載では、児童文学の名作たちを、
毎回1冊ずつ配本(紹介)していきます。
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配本を届けたい方としては……
・子育てや教育に関わっている方
・読書好きの方/昔、読書が好きだった方
・日々の生活に疲れ、現実逃避したいと思っている方
つまり、これを読んでいる方、ほぼ全員ですね(笑)。
さて、第4回配本としてお届けするのは……
「夏の冒険」といえば、無人島!
満を持して、あの名作の登場です!!
第4回配本
『ロビンソン・クルーソー』
ダニエル・デフォー(岩波書店)
「ロビンソン漂流記」としても知られる本作。
というか、ロビンソンといえば、
もはや、無人島モノ、漂流モノの代名詞になっていますよね!
原題は「ロビンソン・クルーソーの生涯と異常な驚くべき冒険」。
この本、元々は大人のために書かれた本格的な小説でした。
しかし、「本当に面白いものは、大人も子供も面白い」わけで……
面白いモノに敏感な子供たちは、
未だかつてない「本物の」冒険物語を決して見逃さず、
いつしか、児童文学の代表作のようになっていったのでした。
私も子どもの頃、時間を忘れて読みふけった記憶があります。
特に、ロビンソンが、座礁した船から島に持ち出した「品物リスト」を読み返すのが好きでした。
今読むと、「品物」が充実しすぎている感じはありますが……(笑)。
これ、ロビンソンは10回以上、船に戻って、
荷物をせっせと運び出しているんですね。
まー、そこから、ヤギを飼育したり、小麦を育ててパンを焼いたり、
家を作ったり、丸木舟を作って島を探検したり……と、
単に、あり余る「品物」に頼りっ放しでもないところがまた素敵です。
これって、サバイバルスキルの異常に高い人が、
「究極の一人暮らし」を満喫する物語のようでもあります。
ちなみに、おすすめとしてリンクを貼った「岩波少年文庫」版は、
巻頭に、冒険の舞台の「地図」を載せているところが良いですね。
やはり、冒険には「地図」がないと!
ちなみに、この地図、
・「ロビンソン・クルーソーがたどりついた島」
・「実在のロビンソン・クルーソー島」
と2つ書いてあって、「“実在の”って何?」という疑問が湧いてきます。
「ロビンソン・クルーソー」の物語は、チリ沖の無人島に4年間置き去りにされた水夫の体験記が元になっていて、モデルとなった水夫が実際に漂着した島が、現在「ロビンソン・クルーソー島」といわれているんですね。だから、「実在の島」なんです。
フィクションの世界に「実在」が出てきて、ちょっとわかりにくいと思ったので補足しました。
ロビンソンのその後の冒険
ところで、無人島から無事生還したロビンソンが、
どのような余生を送ったかご存じですか?
28年間にも及ぶ無人島生活、
そんな普通ではない生活を生き抜いてしまったロビンソンが、
その後、平凡な日常に戻れるはずもなく……
その後、作者自身によって「後日談」が書かれました。
この“続編”の存在は、あまり知られていないと思いますが、
一般に、「ロビンソン・クルーソー」として知られている物語は
「第一部」。
「第二部」では、インドや中国での10年におよぶ冒険が描かれます。
興味のある方は、
岩波文庫版(少年文庫ではなく、大人向けの方)で読めます。
(「上巻」=「第一部」、「下巻」=「第二部」)
さらに「第三部」もあって、これは、ロビンソンの「反省記」のような話なのですが、岩波文庫にも収められておらず……。
講談社の『世界文学全集13(デフォー)』(1978年刊行)
に抄訳が収められているくらいしか見つけられませんでした。
マイナー中のマイナーですね。
大人になって気がつくこと
ロビンソン、無人島生活の中で日記を書きます。
かなりマメな性格です。
そして、自分の境遇を「貸借対照表」にまとめます。
こんな感じです。
<悪い点>
①孤島に打ち上げられ、助からないかも。
②着るものもない。
③獣に襲われるかもしれない。
<良い点>
①命は助かった。
②暑くて、服なんかあっても着られない。
③アフリカじゃないので、猛獣はいない。
……たとえ絶望的な状況に置かれても、
冷静に「良い面」と「悪い面」を書き出し、
見える化することで、自分を少しずつ立て直していく——。
「状況は変えられなくても、見方は変えられる」
これは、まさに現代人にも必要な、
“メンタルのサバイバル術”ではないでしょうか。
私たちは何かうまくいかないことがあったとき、
つい「全部ダメだ」と思いがちですが、
ロビンソンのように、「悪いこと」と「良いこと」を棚卸ししてみる。
そうするだけで、見え方が変わり、
希望の糸口が見えてくることがあります。
無人島に漂着したロビンソンでさえ、
「良いこと」に着目して生きることができたんですから、
私たちが、日々、良いことを探して生きていくことは、たやすいはず!
ちなみに……
ロビンソンが無人島からイギリスに戻ったのは、50歳も半ばすぎ。
その後、結婚して子どもができた後、
「第二部」での大冒険に出るのは、60歳を超えてからです。
いやー、パワフルですね。
「50を超えても、まだまだ人生これから!」
という気持ちになります(笑)。
大人になって読み返したいという方には、
「光文社古典新訳文庫」版(「第一部」無人島編のみ)がおすすめ。
「Kindle Unlimited」対象です。
さて、今回の「配本」、いかがでしたでしょうか。
「冒険読書」の連載では、これからも、児童文学の名作を、
週1くらいのペースで「配本」していきます。
あなたの心に、冒険の火が灯りますように🔥
<関連note>
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